田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

“騎兵隊三部作”上映会

2019-08-08 10:00:47 | 俺の映画友だち
 
 
 友人が主催した田端のCINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)での上映会に出席。前回の『勇気ある追跡』(69)『オレゴン魂』(75)の“ルースター・コグバーン二本立て”に続いて、今回はジョン・フォードの“騎兵隊三部作”『アパッチ砦』(48)『黄色いリボン』(49)『リオ・グランデの砦』(50)の三本立て! どちらかと言えば、騎兵隊物はちょっと苦手なのだが、いい意味で、毎回フォードの映像のペテンにうまくだまされる。で、いつの間にか『黄色いリボン』でデュークが演じたネイサン・ブリトリスと同年代になってしまい、若い頃とは別の感慨が湧いた。
 
前回の上映会
 
 
『MOVIE NO2.ジョン・ウェイン特集』(2007.9.1.)から
   
 
『外国映画男優・女優名鑑』から
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『イエスタデイ』

2019-08-08 08:51:17 | ビートルズ
 
 売れないミュージシャンのジャック(ヒメーシュ・パテル)が引退を決意した夜、世界中で謎の停電が発生。その渦中で交通事故に遭ったジャックが目覚めると、何とビートルズが存在しないことになっていた。世界中で唯一ビートルズの曲を知る存在となったジャックが、彼らの曲を歌うことで注目され、メジャーデビューの話が舞い込む。
 
 監督ダニー・ボイル、脚本リチャード・カーティスによる何とも愉快なパラレルワールド話。カーティス作品としては、あり得ない話という点でタイムトラベルを扱った『アバウト・タイム』(13)と通じるところもあるが、大元は主人公が自分のいなかった世界を見るフランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』(46)ではないかと思った。
 
 ボイル監督が「これはビートルズへのラブレターだ」と語るように、この世にビートルズがいなかったら…という大胆な発想を描くことで、逆にジャックが歌うビートルズの曲が新鮮に聴こえ、改めてビートルズの素晴らしさを知らしめる効果がある。だから、エンディングに流れる“本物のビートルズの「ヘイ・ジュード」”を聴くと、彼らがいてくれて本当によかったと実感させられて、思わずホロリとするのだ。
 
 奇しくも、1969年のハリウッドのパラレルワールドを描いたタランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も近々公開されるが、こうしたことを現出させられるのが映画ならではの芸当に他ならない。ミュージシャンのエド・シーランが本人役で登場するお遊びも面白いが、ジャックを献身的にサポートするエリ―(リリー・ジェームズ)がかわいい。
 
 以前、過去へのタイムトラベルを描いたジャック・フィニイの『ふりだしに戻る』を読んだ時に、ビートルズのいない時代に行くのは嫌だなあ、と感じたことを思い出した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする