フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

マグダフ

2008-07-11 02:13:39 | Weblog
マグダフだったかなあのマクベスを打ち破ったと言う予想外の男は?ちょと名前は忘れてしまったけれどああいう男突然に現れるんだよな。人生では。予期せぬ出来事があるもんだから。禿頭火という30年来の付き合いのあるといっても客として彼の仕事に付き合っているんだけどその彼がやってきてそろそろ仕事をやめてノンビリしたいからと挨拶にきてた。彼の体は、癌に冒されている。死期を悟ったのか冗談の陰に孤独の淵を感じた。『60代で死ななきゃいけないよ。人間は。」といってた。後2年、そこまでモツカナと思って彼の痩せた体を見ていた。「悪いニュースを見たら人間不幸になるから、新聞は読まない。テレビは見ない」と言って、自分では、新聞取らず、テレビを持たない生活だが喫茶店で見るセコサは持ち合わせている。自分の体は自分で直すと頻繁に通っていた医者通いを止めて何やら怪しい節制をしている。自転車に乗りたいと言ってどんな自転車がいいか聞いて来た。そのはげ頭で、痩せた体で、自転車に乗ったらETだなと思ったけど黙ってた。マザーテレサが好きでいつか自分もと思いながら短歌を詠む。予想外の論理を繰り返しながら笑いの中に清らかな一筋のものを求めている。僕の前に現れた癌を患ってる人は4人。そのうち2人は死んだ。後の一人は、マクベスのように占いを頼って生きている。自分の都合のいいように解釈しながら。いつ気づくのだろうアンビバレントな世界だと言うことを。と思ってみている。この2人を思い浮かべて、ふとマクベスを破ったのは清らかな一筋じゃないかなと感じたから彼のことを思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする