フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

オレンジムーン

2010-01-31 09:56:06 | Weblog
昨夜はオレンジの大きな月が取ってくれと言わんばかりに輝いていた。昔映画で見たサバンナの夕陽のようでもあった。突然モームの「月と6ペンス」を思い出した。ゴーギャン伝といったような物語でしたっけ。もう忘れてしまったけれど6ペンスはなんだったんだろう。6ペンスないと何が困るんだろう。月は取りたくても結局手が届かないから夢だろうけど6ペンスは。当時1食分のパン代か。ハーフパイントの酒代か。ゴダールが「気狂いピエロ」と言う映画でピエロのせりふに「夢を追う男は、絶えず現実から裏切られる」と言わせていたね。「Le Fou」と波止場で叫ぶんだよね。あのころのフランス映画、面白かったなぁ。しかし、それからアメリカの市場を狙ってというか媚びて英語で作ってしまったりして面白くなくなってフランス映画は衰退した。何だか中国の市場に媚びて自分を見失ったアメリカにも似ているね。やっぱり昔から「月と6ペンス」なんだから夢と現実のバランスの中で自己を見失わないことが肝要。6ペンスでパンか酒かと言われたらやっぱりパンかな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする