画家バルチュスの本名がバルタザール・クロソフスキー・ド・ローラであることを初めて知った。父親はポーランドのクロソフスキー伯爵の血筋で母親はノブゴロド公国の血筋のロシア系ユダヤ人とのこと。母親が画家であったと。彼は独学で絵を学んだとのことだが環境は幼少期から整っていたんだね。その彼が「日本人は淡白を好むから油彩は向かないグアッシュか岩絵の具を使いなさい」と節子夫人が絵を描きたいと言った時に言われた言葉は重い。その言を守ったという夫人もまた立派。「絵の具と言うのは単なる物質でしかありませんがある画家の手を通して雄大な景色になり麗しい乙女になり果物や花になる・パレットというものはそうした創作による奇跡的なメタモルフォーゼの源のような気がします」との節子夫人の言葉はバルチュスの一番近くにいた人の言葉として胸に響く。ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめたバルチュス。そのバルチュスが日本人は水彩だというのだから間違いはないだろう。水のメタモルフォーゼいつか見せれたらいいな。
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