ヘミングウェイの「老人と海」をまた買った。確か、17、18歳の頃友達が貸してくれて読んだ。27、28歳の頃懐かしくなって、本屋で買ったような気がする。そして、いま、また、読んでいる。記憶って当てにならず、自分の都合の良いものに思うところがあるから、スペインの寒村の話であったとばかりおもっていたら、キューバの漁村の話だった。そう言えば、ヘミングウェイは、キューバに家があったんだ。広い家で土地の悪ガキたちが勝手に家に入り込んで身に来るものだから、彼らに野球道具を一式買い与えて野球を教えたのが、キューバが野球の盛んな国になったきっかけだとか言う話が実しやかに伝えられているのも面白い。それにしても、名文ですね。恐れ入ります。昔は、全く分からなかったのですが、歳ですかね、いいものが分かるようになりました。スタインベックの短編とこれは、なんか、きもちのよい食べ物のように心にしみます。何回繰り返し読んでもあきないというか新鮮です。サンチャゴが、少年にビールをおごってもらって飲んでいるシーンなんか目に浮かびます。日本のようによく冷えたビールではなく、生ぬるいビールなんだろうけど外気が熱いから、冷たく感じるやつをお代わりが出来ない分味わって飲むようにゆっくりと口に運ぶサンチャゴののどぼとけの動きまでわかるようだ。ビールもそのように飲むとまた格別なのかもしれないとフェンネル氏は思いました。
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