みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

残るさくら

2006年04月17日 | 俳句・短歌


百千鳥静かに老いてゆく二人
(詠み人知らず)

散るさくら残るさくらも散るさくら
(良寛)

まさをなる空よりしだれざくらかな
(富安風生)

寝返りをうてば土筆は目の高さ
(永六輔)

仔馬立つこけてよろけてやっと立つ
(永六輔)

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・「百千鳥」で「ももちどり」と読むのだそうな。今回の兼題だった。いい言葉。たくさんの小鳥が囀る中、仲睦まじい年月を重ねた夫婦の姿。憧れる。

・「散るさくら」の句。鮮烈に印象に残る句。桜の散る様子を、実に含蓄深く捉えてる。見事すぎる。

・「まさをなる」の句。俳人、富安風生の代表作とのこと。しだれざくらを下から見上げて、あたかも空から落ちてくる感じが、これまた実に見事。

・「寝返り」の句。永六輔氏はこの回のゲスト。こういう素敵なこと忘れてたなぁ。ほのぼのとした温かさが感じられる。好きだ。

・「仔馬」の句。生まれたばかりの仔馬が必死の思いで立ち上がろうとする様子。固唾を飲んで見守る作者、エールを送る作者の眼差しが伝わってくる。いい句。

(4月のNHK俳句で気に入った句でした。)
(写真の「残るさくら」は、自宅近くの五条川にて。)
コメント (4)
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