みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

夏・音の風景

2006年09月09日 | 俳句・短歌
9月に入って、盛夏の力強さはなく、さりとて、まだ秋にもなりきれない、どっちつかずの日々。そういうあいまいな季節も悪くない。完全に夏が去らないうちに、この夏、収集した歌と句。音に関する歌や句は、気に入る傾向が強いみたいだ。

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しとやかに またしたたかに 秋の草
(国立市 豊島槇生)

終戦の夜汽車「愛と死」立ちて読む
(能美澄江)

三百年のチェロは抱かれチェリストにまた恋をする七月の雨
(東京)駒形 光子

単旋律のあさの祈りのしづかなる東方教会十字架の庭
(紺野裕子)

薔薇抱いて湯に沈むときあふれたるかなしき音を人知るなゆめ
(岡井隆)

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「しとやかに」の句。通勤路に萩が植わっている庭があって、毎朝、いいなぁと思って眺めてた。太陽の光をいっぱい浴びて、みずみずしい生命力あふれる萩の葉が好きだ。その思いと共鳴したみたい。

「終戦」の句。万感迫るものがある。武者小路の「愛と死」は昔、よく読んだっけ。この句の「愛と死」は武者小路ではないみたいだけど・・・。

「三百年のチェロ」の歌。ロマンチックだ。好きだ。レッドバイオリンの映画を思い出した。
「単旋律」の歌。静かで心が清められる光景ですね。
「薔薇」の歌。「薔薇」は女性の比喩です。音が無ければ、かなしみもないのだろうか?
コメント (2)
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