みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

花丼~抱きしめたい

2012年01月08日 | 雑記
土曜の朝、8時過ぎ、ラジオから小説の朗読が流れてくる。
とてもいいストーリーで、涙腺がかなり危うくなる。
辛い境遇に置かれた人たちに、優しい眼差しが注がれている。
いろんな言葉が、言い回しが、妙に心に響いてくる感じ。
こういうのに弱いんだな・・・。

最後に、著者と作品名が読まれるのをメモる。
「アキカワテツヤ」の「花丼」とのこと。
「アキカワテツヤ」?
知らないなあ・・・。
素晴らしい日本語の使い手であるのに、耳慣れない作者。
誰?
調べてみると、昔、「叫ぶ詩人の会」で気になっていた「明川哲也」氏だった。

数年前、あるライブハウスで、ライブが始まる前、ある音楽?がバックに流れてた。
「抱きしめたい」の絶叫と、苦しい人々への労りに溢れる内容が、ドスンと来た。
後で調べたら、「叫ぶ詩人の会」の「抱きしめたい」だった。

「抱きしめたい」は、ブログに書いておきたいと思いつつ、時期を逃してしまっていたので、
今回、残しておこう。

抱きしめたい (叫ぶ詩人の会)
抱きしめたい
寒い風の中で鼻をすする親のないガキを
抱きしめたい
一人ぼっちで飲んだくれている醜い女を
抱きしめたい
眠たい目をこすりながらおしめを替える夜勤の看護婦を
抱きしめたい
朝の3時に起きて新聞を配っているアルバイトの学生を
抱きしめたい
他人の家の火事なのに命をかける消防士のにいちゃんを
抱きしめたい
行くあてを失った野良犬のような不良少年を
抱きしめたい
通勤電車に揺られている三流会社の父ちゃんを
抱きしめたい
救急車の中で心臓マッサージをする救急隊員を
抱きしめたい
こびりついた便所のうんこを毎朝掃除している駅員を
抱きしめたい
地下街にダンボールを並べて寝ている汚い奴を
抱きしめたい
故郷に仕送りしている立ちんぼうの売春婦を
抱きしめたい
罪を犯し獄中にある人を
抱きしめたい
治らない病で苦しんでいる勇気のある人を
抱きしめたい
勇気を失って死のうとしている人を
抱きしめたい
戦争で子供を死なせた婆さんを
抱きしめたい
その戦争に子供を追いやったことで眠れない爺さんを
抱きしめたい
今も戦争で傷ついている罪のない子供を
抱きしめたい
人を撃つことの罪を知らない兵隊を
抱きしめたい

抱きしめたい
抱きしめたい
消え入りそうな気持の夜に
吹き荒ぶ嵐の夜に
生きる力がなくなる夜に
抱きしめたい
幸せを求める人も求めない人も
抱きしめたい
暗黒の中でもがき苦しんでいる人を
抱きしめたい
祈りを知らず血を流し続ける人を
抱きしめたい
すべては終わりがある世の中だから
抱きしめたい
今この体にみなぎる力で殺されるまで
抱きしめたい
俺たちにできることは叫び続けることだけ

「抱きしめたい」は、少しだけ、試聴できます。
http://listen.jp/store/trackList_1005520.htm
改めて、一度、聴いたら、忘れられない・・・。
胸ぐらを掴まれて、持っていかれてしまう・・・。


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コメント
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