みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

古代への情熱

2015年10月10日 | 
こちらも、ようやく、読了。
考古学のロマンを描いたマスターキートン(漫画)のファンとしては、必読の書と思われ、
長らく、読もう、読もうと思っていたので、ほんとうに、ようやくだった。

若い頃の貧困に負けず、驚異的な語学の才と商才で、巨万の富を手に入れ、
ホメロスの叙事詩を事実と信じ、トロイ発掘の夢を成し遂げてしまったシュリーマン。
無茶苦茶だけれども、憧れてしまう・・・。

発掘の現場を読んで思い知らされたこと。
真実に「好き」ということは、あまたの苦難をものともせず、
突き進めるということ。

あと、記憶力は、鍛えれば、鍛えるほど、伸びるということ。
これは、きわめて重要!
ピアノの暗譜も、諦めるには早いだろう。

それぞれの言語には、その言語特有の美しさが備わっていると思うけれども、
シュリーマンは、その美しさを、十数カ国語も、体感できたということで、
まさに言語世界の旅人だったのだ。
シュリーマンの心に、美しい古代ギリシャ語のイリアスの詩句は、どのように響いたか???

そう言えば、相変わらず練習しているショパンのエチュードOp10-1、Op25-1(エオリアンハープ)は、かなり古代ギリシャ的だと思う。
これらのエチュードに、どうして、こんなに惹かれるのか?少し分かった気がする。
古代ギリシャへの憧れが共鳴していたのか・・・。
建築様式で例えると、Op10-1はドーリア式、Op25-1はイオニア式か???

続いて、読み始めたイリアスも、これらのエチュードと響き合って、かなり楽しい!

古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


Nikolay Khozyainov - Fryderyk Chopin Etude in C major, Op. 10 No. 1

こんなふうに弾くには、生まれ変わらない限り、無理だけれども、
ゆっくりでも、この曲は、ほんとうに素晴らしい!
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二十四の瞳

2015年10月10日 | 
このところ、四国を訪ねたり、地中海に縁があるようなので、読んだ。
大石先生は、魅力的ですね。
生き生きとしてて、素敵なおなご先生でした。

悲惨な時代を描いた話だけれども、行間からは、おおらかで、温かいものが感じられる。
恐らくは、作者、壺井栄の人柄なんだろうな・・・。

可笑しみと、悲しみと、温かさが、入り混じって、さすがは、名作。
永く、読み継がれていってほしい本ですね。

印象に残ったのは、教育の恐ろしさ。
時代の風もあると思うが、教育一つで、お国のために戦死するのは当たり前のことになってしまうこと・・・。
(70年前までは、ISと同じだったか・・・。)
そして、改めて、言論の自由の大切さ。
少し前、安全保障法案が物議を醸していたけれど、それが報道されているうちは、まだ健全なんだと思う。

角川文庫のものは、装丁の質感に温かみがありますね。
加えて、良心的な価格設定!
おいらも、そのうち、おなご先生ん家へ、行ってみるべ。



二十四の瞳 角川文庫
クリエーター情報なし
KADOKAWA / 角川書店
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