
手帳の今日の欄。22日[日]の続きに「赤口 冬至 ゆず湯」と季節の情報を教えてくれる。銭湯の経験がないので、大きな湯船に丸ごとのゆずが何十個も浮いているとこでの入浴経験はないが、映像で見る限り「お風呂っていいなあ」と思う。
冬至のことを「一陽来復」という。手元の小さな本に「復は陰暦11月、または冬至をさす。一陽は初春の気配」と載っている。さらに、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくると考えられる。そこで、冬至のことを陰が極まり再び陽にかえる日という意で「一陽来復」といい、この日を境に運も上昇する。縁起をかつぎ「来福」と書くが本来は誤りとも。
子どもころ、ゆず風呂に入ると風邪を引かないと教えられ、意味も分かるままに「そうなのか」と覚え込む。今は、ゆずには血行を促進し冷え性を和らげる、体を温めて風邪を予防する、果皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果など、科学でその効果を教えられる。最近いわれる香り、ゆずのそれはリラックス効果がある、と、まるでCMほどいいことが並ぶ。
世渡り下手の私には「ゆず」がなぜか「融通」に聞こえる。考えや行動に先入観なく自由で伸び伸びとしている融通無碍な人を見ていると、自分をなんとかしたいと思いながら、脱皮できないでいる。ゆずのように強い香りがする植物は邪気をはらうという、今夜のゆず風呂は何十回目だろう。いつもはカラスの行水だが、今夜は少し長めの風呂にした。