現れると大きな豪雨災害を引き起こすのは線状降水帯。最近は普通に使われる気象用語になっているが、この言葉を初めて聞いたのは7年前の「広島土砂災害」と記憶している。ある行事で地元記者クラブの取材を受けることになっていた。少ない記者数に「昨日の広島土砂災害取材で応援に駆け付けていて」と幹事社の説明があった。
広島土砂災害の原因の一つになった豪雨の原因説明をTVで見た。豊後水道を北上した湿った空気が本土の山にぶっつかり、積乱雲が発生、これが帯状に連なって北上し広島県に豪雨をもたらした、そんな概要だった。この解説は、豪雨発生の後で、現象を検証分析したもので、解明の段階ではなかったのだろうか。
今回の豪雨についてある気象予報士は「雨を降らせている雲の帯は5千㌔西方から続いている」、熱海の土石流災害の豪雨解説のとき説明していた。熱海の災害から一週間、昨日は朝から九州南部を走る線状降水帯の映像が昼過ぎまで流れた。熱海の災害、気象庁は市に直接電話で重大な事態の予測を複数回連絡した、が受け側が対応しなかったという報道、残念だ。
写真は購読紙からお借りしたが、記憶している7年前の説明の図と似ている。暖かく締めた空気が流入→山や前線にぶっつかり上昇→積乱雲が発生し次々と発達→上空の風に吹かれて列(線状)になる→数時間雨を降らせる、と説明にある。現在は発生の速報だが、関係者は半日前の予報の開始を目指しているという。期待したい。当地は梅雨明けかと思う日和だったが、各地で大荒れの気象だった。