AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

柏原芳恵「夏模様」(ナッキー)

2014-08-08 06:16:27 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
柏原芳恵「夏模様」(ナッキー)

本日の朝日新聞によると、「石破氏は7日夜、研修会後の懇親会のカラオケで、80年代のアイドル・柏原芳恵の「夏模様」を1曲目に選んだ。「さよなら 私はふられますか――」(三輪さち子)

石破茂が歌うのはキャンディーズだけではなかったのか、と感心しました。
柏原芳恵の「夏模様」はシングル曲ですが、この地味な曲がカラオケで歌えるのか、とも感心しました。

AKB48を初め現代のアイドルは「歌うアイドル歌手」ではなく、「踊って歌うアイドル歌手」「踊って歌う振りをするアイドル歌手」なので、「夏模様」のような、スローな、しっとりとした曲は壊滅。

「夏模様」にダンスは当然ないのですが、振り付けもなかったような記憶。振り付けがあったとしても、サビで手で音程をとる程度だったでしょう。

詞も素晴らしい。
「夏模様」詞をリンク
帰りのバスまで送ってくれたら、という場面がAKBでも頻繁に歌われている。

「夏模様」には堤防が歌われていて、「Only Today」の防波堤、「恋愛サーカス」のテトラポットを連想しました。

「夏模様」を引用した朝日の三輪記者は、安倍が石破をふると解釈しているが、引用すべき部分は、いつからあなたは変わったのですか、が適切だと思いました。

ナッキー
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「哲学入門」の木之内みどり。「ジタバタ」の人生の意味(ナッキー)

2014-06-21 23:49:14 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
「哲学入門」の木之内みどり。「ジタバタ」の人生の意味(ナッキー)

ちくま新書「哲学入門」戸田山和久(著)196ページにより引用。一部省略。

先日、中学生の時に買ってもらった中島敦の小説を読んでいたら、
余白に「木之内みどり、なんてカワイイ女の子なのでせう」
と書かれていたので驚いた。この鉛筆で書かれた稚拙な文字は、当時アイドルだった木之内みどりさん「について」のものである。
そして、この文字群は、色気づいた中学生当時の私の心の叫びなのだろうから、それをやむにやまれぬ大和魂で書き込んだ私の心の中には、木之内みどりの表象があったはずだ。
色ボケ中学生戸田山のその心的表象は木之内みどりさん「について」のものである。

感想:著者は1958(昭和33)年生まれ。木之内みどりのデビューは1974年5月10日。
著者が早生まれだとすると、高校2年生、遅生まれだとすると、高校3年生に木之内みどりはデビューしているから、中学生というのは記憶違いだと思います。ちなみにナッキーは昭和33年早生まれなので、高2で木之内みどり。

引用を続けます。
私たちの心は、実物がそこにないのに、それについて考えることができる。
それどころか、そもそもこの世にないものについても考えることができる。
妄想、空想、想像ができるのは、心が志向性(intentionality)をもち、そこにいまないもの「について」表象できるからだ。
一方でこの能力は、私たちの表象が表象間違いの可能性を持つことと表裏一体だということはわかるだろう。
そこにいるのは森昌子なのに「あ、木之内みどりだ」と思ったら、それは間違いだ。
間違いがありうるのは、表象がいまそこにないものを志向できるからである。

感想:アイドルの引用が不適切。
森昌子と木之内みどりは間違えないでしょう。アイドルとして活躍した時代が違うから間違いようがない。
桜田淳子と山口百恵は間違える可能性があるが、藤圭子と桜田淳子(藤圭子と山口百恵)は間違えないでしょう。時代が違うから。
森昌子なのに「あ、木之内みどりだ」と思うというたとえは、
パンダなのに「あ、キリンだ」と思うのに近く、正しい引用としては、例えば、
香坂みゆきなのに、「あ、木之内みどりだ」と思う、だと知名度も売れたレベルも近くで適切。あるいは、岡田奈々なのに、「あ、木之内みどりだ」と思うでもよい。
これなら、シマウマなのに「あ、キリンだ」と思うイメージ。雨の動物園より選択。

岡田奈々はチーム4ではなく、1975年デビュー。AKBでいうと入山杏奈のような美少女アイドルでした。

「哲学入門」が最後に、「Glory Days」の世界観と同じことを書いていたので、要約して引用。411ページ
人生の無意味さに対してわれわれはどう対処したらよいのか。
人生の無意味さは、われわれの生から消すことはできない。
ならば、それを人生の構成要素としてアイロニーをもって受け入れて生きていこう。
アイロニカルな笑いを浮かべながら人生に戻ってきたら、そこでジタバタしている限りにおいて、われわれは自分の人生を生きるに値するものとみなしていることを態度で示している。
ともかく決定を積み重ねて自己をつくっていく過程の中で、われわれはより生きるに値する自分と人生をつくることもできる。
人生の意味はこれで十分だろう。
これが「望むに値する人生の意味」である。

「ジタバタ」についてはときめき研究家さんの記事をリンク。
青春のじたばた。『Glory Days』はSKE48の屈指の名曲(ときめき研究家)
AKB関連で「じたばた」という単語が使われるのは、たぶんこれが3曲目だ。
『転がる石になれ』(チームK)では「じたばたしながらいつもがむしゃらにその手伸ばすのさ」と、『初恋ダッシュ』(渡り廊下走り隊)では「じたばたの片思い」と歌う。
同様に青春の焦燥感、切迫感を歌った曲は多い。いや、ほとんどの歌がそうだとも言える。
アイドルの歌はほとんど全て「ときめき」を歌っていると以前書いたが、アイドルの歌はほとんど全て「青春のじたばた」を歌っているということもできる。「ときめき」と「じたばた」は表裏一体。どちらを前面に出して歌っているかだけの違いだと思う。青春とは、じたばたしながらときめいている時間なのだ。

『制服の芽』に4つ目の「じたばた」発見。(ときめき研究家)
『水のないプール』。もちろんこの歌詞は比喩で、じたばたの青春を歌っているのだ

『ロッカールームベイビー』。「青春はいつだってもどかしい」とは、これもじたばたソングだ。

「やさしさの地図」
広い世界の中で自分の無力さを痛感し、世界じゅうの人を幸福にするという理想はあるものの、でも今の自分が何をなすべきかも分からず、焦りだけが募っている青春。
そう、これは『Glory days』でも歌われていたじたばたの青春だ。あるいは、愛や自由を希求してもそれを実感できない『万華鏡』の青春だ。


『Glory days』の「もっとジタバタすればいい」というテーゼとおおむね同じだ。こういう人生論を語った歌は結構好きだ。人生論の内容は異なるが、『イイカゲンのススメ』『少年よ嘘をつけ』『太宰治を読んだか』なども然りだ。

『そんなこんなわけで』。
「賞味期限は短めの恋」。夏の恋は続かないというテーゼは、ここでも歌われている。「じたばた」という、後に『Glory days』等にも登場する秋元ワードも登場している。


元々アイドルの曲のテーマはほぼ出つくしていて、それに少しずつ変化をつけながら、繰り返し繰り返し歌っているのだと思う。AKBグループでも、「運命の恋愛」「片想い礼賛」「自転車通学の初恋」「卒業」「切ない別れ」「青春のじたばた」「AKB自己言及」「夜の街徘徊」「社会批判」「初夏の衣替えとプール掃除」といったテーマを何度も歌っている。秋元康ワードと言うべき、お気に入りの語彙も多用されている。
同じテーマでも、何かしら新しい要素が入っていればOKだし、何より曲(作曲・編曲)が異なっていれば印象も全く違う。



「哲学入門」人生のジタバタ論の締めくくりを引用。412ページ
少なくとも、何か自分の外にあるより大きな価値に同化しなければ、時間・空間を超えた偉大な影響力を発揮しなければ、自分の人生を不動の動者としてコントロールしなければ、人生に意味が与えられないと考えるよりは、こうした(ナッキー補足:ジタバタした)デフレ的な人生の意味で満足する方がずっとよい。何より、人に迷惑がかからない。

感想:アイドルにときめく人生は有意義である。

補足:菊池桃子の「青春のいじわる」のアンサーソングとして、AKB48に「青春のじたばた」というカップリング曲があるのだと、今まで誤解していました。

ナッキー
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AKB48と相撲(ナッキー)

2014-05-30 23:18:47 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
すこし古いですが、日刊スポーツで見つけた相撲とAKB48。
SKE48の松井玲奈が相撲好きで、名古屋場所に見に来るかもしれないと、去年、相撲ファンの間では密に騒がれていました。
千代鳳と田名部生来では、相撲の小結と、AKB48の81位以下なので、バランスが悪い。
田中マー君と里田まいも、バランスが悪いし、
嗣永桃子と桃智桜も、バランスが悪い。(桃智桜が嗣永桃子のファンで四股名にももちと入れているが、桃智桜はアイドルで言うと、地下アイドルよりも地下。)
どらじいさんがツイッターで、式秀親方(桃智桜の師匠、元北桜)の解説を聴いているとアイドルに詳しいことが分かるそう。次回注意して聞いてみます。ナッキー・羽黒蛇

以下引用です。
大島優子と山本彩がビーチで美乳相撲対決

浜辺の相撲対決。大島優子(左)は初めて山本彩に敗退
 AKB48大島優子とNMB48山本彩(20)が、ビキニ姿になってハワイのビーチで相撲対決した。今日29日発売の写真集「AKB48海外旅行日記3」に掲載されている。48グループ屈指の美乳の持ち主と呼ばれる2人が“キワドイ”対戦。3回目となる相撲勝負で初勝利を挙げた山本は「実は前々から大相撲のVTRを見たりと研究してました」とニンマリ。大島は「生で見たことあるけど、さや姉のおっぱいはすごいからなぁ」と妙な言い訳をしていた。
 [2014年3月29日7時9分 紙面から]


弟千代鳳の推しメンはAKB田名部生来

 大相撲の京都巡業は1日、島津アリーナ京都(京都府立体育館)で開催され、幕内の注目兄弟、千代丸(22=九重)と千代鳳(21=九重)が積極的に朝稽古を行った。「ケガをしないようにやりたい」と淡々と話す兄千代丸とは対照的に、弟千代鳳は「できれば、みんなと稽古したい」と充実の表情を浮かべた。

 モチベーションのひとつが、AKB48の田名部生来(たなべ・みく、21)の存在。初場所後に東京・秋葉原のAKB48劇場に出向いた際、ひたむきに踊って歌う同じ年の田名部の姿に、感銘を受けた。「頑張っていたから、応援しようかなと思いました」。夏場所には田名部を両国国技館に招待する計画もあり、春巡業ではさらなる実力向上に励む。
 [2014年4月1日17時32分]
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「言えない恋心」内田眞由美 第一話「梨花 17歳」(ナッキー)

2014-02-10 23:56:10 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
「言えない恋心」内田眞由美 第一話「梨花 17歳」(ナッキー)

内田眞由美が小説を書いたことは、スポーツ新聞を読んで知っていました。
アイドル研究のためには、必ず読んで感想をブログに書かなくてはならないという義務感がある一方、
年をとったので、読みたければ読むし、成り行きで読まないかもしれないという、いい加減な気持ちもありました。

今日は21時からの映画を見る予定で、食事をして1時間くらい時間があったので、本屋で時間をつぶしていたら、内田眞由美の本が山積みされていたので、手に取りました。
角川書店というメジャーな出版社なのが驚き。

映画の始まるまでの間に、一話読みました。
この本は六話あります。
もったいないので、一話の余韻を十分楽しんでから、二話目を読もう。
そう思わせる素敵な小説でした。
私の持っていた先入観は、いい意味で間違っていた。

アイドルが出演する映画の原作、アイドルが読んでいるという小説・マンガを、興味があるので時々読みますが、いわゆるケイタイ小説的なのは、趣味があいません。
事件が立て続けに起きるタイプの話。
登場人物に感情移入ができなくて、まるで新聞記事を読んでいるみたいで味気ない。
所詮素人の書く話とはこんなものという感想を持ってしまうタイプ。

内田眞由美は本職アイドルなので、小説を書く訓練を受けたとも思えず、そういうタイプの小説だったらつまらないだろうなという先入観がありました。

第一話「梨花 17歳」は、主人公アイドル女性17歳、そのファン男性22歳くらいのプラトニックラブ。アイドルが一人称で語っているので、男性が彼女に恋愛感情を持っているのかは分からない。

この男性は、公演を見に行くけど応援しないで静かに見ているのと、握手会には参加しないのと、ファンレターを書いているこの三点で、自分自身に登場人物が投影できた。年齢とルックスは異なるが。

平嶋夏海を応援し始めて、ファンレターを書いていたこと。
握手会には参加したが、ファンレターを書いていることは黙っていたこと。
ばれた時に、「いつも静かに見ているので、(ステージからは目立つし、私のファンであるとは)気がついていました。」という趣旨で言われ、あのファンレターを書き続けていた方がようやく分かったという顔をされたこと、を思い出しました。

一話には、次のような文章が。
「その青年は周りのファンの人のように、ペンライトを振ったり、声援を送ったりせず、ただ静かにステージを見ていたので自然と目立った。
もしかしたら、こういうアイドルのライブは初めてで、少し戸惑っているのかもしれない。
そう思い、こちらから笑顔を向けてみると、その青年もかすかに微笑んでくれた。
 良かった。楽しんでいてくれているんだ、と私は少し安心した。」

平嶋夏海にばれた時にも、「いつも静かにみていらしゃって、楽しんでいただけていますか。」と聞かれました。

地蔵のようにステージを見ていると、アイドルには不安を与えるのか。

ナッキー
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朝日新聞経済欄の連載記事  「SCK GIRLS」 気仙沼(編集ナッキー)

2013-12-28 05:56:00 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
(けいざい心話)被災地の少女隊:1 気仙沼から希望叫ぶ
2013年12月18日


 ◇けいざいSHINWA

 11月9日、愛称「りせっしゅ」こと、高橋里瀬(19)は、東京・池袋の屋内ステージに立った。

 〈みなさんに届け、わたしたちの感謝の気持ちが〉

 東日本大震災で津波と火災におそわれた宮城県気仙沼市。高橋は、そこからやって来た。ご当地アイドル、「SCK GIRLS(エスシーケーガールズ)」のリーダーだ。

 ほかのメンバー4人といっしょに、高橋は歌う。

 #ありがとうの言葉 大声で叫ぶよ これからの姿を見てて(デビュー曲「ありがとうの言葉」から)

 産地直送気仙沼、略してSCK。思いを込めたオリジナル曲を歌う。

 高橋は、南三陸町の漁師の娘だ。高校1年、16歳のとき、震災にあう。

 大津波で家を失い、仮設住宅で暮らしはじめた。学費がかかることもあって、高校を中退した。はたらこうと思ったけれど、どこの社員募集にも、「18歳以上」とあった。

 〈この世界に、わたしができることってないの〉

 ひきこもり。家族とさえ会話をしなくなった。

 ある日、母に言われた。「気仙沼でアイドルグループをつくるそうよ。応募しなさい」

 母の運転する車に乗り、高橋は1時間ほどかかる気仙沼に通い、歌とダンスを猛特訓する。

 東北各地、東京、愛知などでのイベントで舞台に立ってきた。昨冬、高橋はリーダーになった。ことしの春からは、「気仙沼災害FM」で番組ももつ。自分やメンバーのこと、そして震災復興のことを話す。

 〈できることがあった! 将来は、声優のような『声』の仕事をしたい〉

 アナウンサー、藤村陽子(41)はいう。「彼女は、きちんと準備してくる。プロ意識がすごいんです」

 実は、きちんと稼いでいるかという意味で、SCKのメンバーはプロではない。イベントの出演料はただ、主催者から交通費だけをもらっている。

 メンバーは、高橋を筆頭に、小学1年までの18人いる。イベントにはいつもメンバーをしぼってのぞむ。主催者側の予算を考えてのことだ。「池袋でのイベントでは、往復の新幹線代や、前日の宿泊費をいただきました。本当にありがたい」と、SCK代表の佐藤健(36)はいう。

 ふだんの移動につかう車のガソリン代、ホームページづくりなどにはお金がかかる。収入は、出演会場でのCDやタオルなどのグッズ販売だけ。佐藤らスタッフの持ち出しがつづいた。

 あるとき、知人から、「アイドルグループならどこでもしているツーショットチェキをしたら」と助言された。インスタントカメラで、メンバーと写真を撮るサービスのことだ。相場よりかなり安い1枚400円ではじめると、やっと資金繰りが楽になってきた。

 池袋のステージに立った日、高橋は夕方まで4回の出演をこなし、帰途へ。南三陸の仮設住宅につくと、午前0時をまわっていた。

 〈わたしは、がんばる。夢をつかむため。周りのみなさんのため〉

 #手にした未来のカケラ 集めて放つよ 届け明日へ(「FUTURE この街の子供たち」から)

 2011年11月3日、東日本大震災から8カ月目に、SCKは誕生した。ご当地アイドルグループは日本中にあるが、SCKは「震災復興」という重い4文字を背負う。

 試練のなかで生まれたSCKは、その後いくつもの試練に見舞われてきた。

 「お情け頂戴(ちょうだい)アイドル」「ガキは勉強しろ バカ」

 誕生前後、ネットで相次いだ心ない書き込みの数々も、そのひとつだった。=敬称略

 (編集委員・中島隆)

(けいざい心話)被災地の少女隊:2 「父」失ってもステージに立つ
2013年12月19日05時00分

ファンから差し入れを受けとり、「ありがとう」と手をふる=11月9日、東京・池袋のサンシャインシティ、早坂元興撮影
 ◇けいざいSHINWA

 「SCK GIRLS」がデビューする2011年秋、ネットでこんな中傷の書き込みが飛び交った。「なんでも同情買おうってのは間違ってますよ」

 SCKのはじまりは、被災地の気仙沼に全国から寄せられた支援物資だった。地元の有志30人ほどが、被災者に届けるうちに「助けてもらうだけでは申し訳ない」と思った。

 震災から半年たったころ、有志のひとり、保険代理店をいとなむ阿部健一が「アイドルグループをつくろう」といい出す。メンバーを募集すると、地元の小学生から高校生まで10人ほどが集まった。グループ運営の代表には、阿部がなった。

 阿部は、プロモーションビデオのなかで当時の心境を語る。「子どもたちの心の復興をめざして、笑顔をとりもどしたかった。それをみている大人たちも、笑顔をとりもどせるはず」

 デビュー曲「ありがとうの言葉」の作詞作曲は、佐藤健(36)。地元写真館のカメラマンで、ロックのギタリストとしてプロデビューしたこともある。大津波に祖父母や知人をのみ込まれた佐藤は、「笑顔を取り戻す」という阿部に共感した。移動のときの運転手役を買って出るなど、阿部たちと行動をともにした。

 少しずつ共感は広がり、東京から駆けつける熱烈なファンもできた。心ない書き込みも目立たないようになった。

 だが、メンバーの父のような存在だった阿部は、悪性リンパ腫にむしばまれていた。それを隠さず、宮城の各地、岩手、山形。毎週末のようにあるイベントのほとんどに阿部はつき添った。「おれには時間がない」。佐藤は、阿部の姿がそういっているように思えた。

 この夏、入院していた阿部が危篤、の知らせを受けた佐藤は、リーダーの高橋里瀬と病院に見舞う。かろうじて意識があった阿部は、点滴をうつ手に携帯電話をにぎっていた。子どもたちの情報をチェックするためだ。

 8月17日、阿部は、51歳で逝く。その日の午後、SCKは宮城県の南の端、丸森町でステージを予定していた。気仙沼のコンビニに集まったメンバーに、佐藤は阿部の死を伝え、「きょうはキャンセルしてもいいぞ」と語りかけた。だが、だれもキャンセルを申し出ず、車で南へ。泣いていた彼女たちは、せいいっぱいの笑顔でステージに立った。

 阿部の遺志を継ぎ、代表になった佐藤は語る。「決して試練に負けないことを、世の中に発信しつづけます」

 佐藤にとっての試練は、彼女たちがデビューして3カ月ほどたったころ。初のCDをつくりたいが、お金はない。

 そんなとき、業界で知らない人はいない東京の音楽プロデューサーから、思いがけない申し出を受けた。=敬称略

 (編集委員・中島隆)

 ◇けいざいSHINWA
(けいざい心話)被災地の少女隊:3 つんく♂自腹、デビュー作応援
12月20日(金)11時30分

「重い現実を夢にかえていく作業を、あの子たちの笑顔でできれば、最高ですね」とつんく♂=東京都中央区、河合博司撮影

 ◇けいざいSHINWA

 2011年3月11日。つんく♂(45)は、自分へのもどかしさを感じていた。

 テレビは、灰色の大津波にのみこまれる街を流していた。〈ぼくには何もできないのか〉

 数日たって、思い直した。〈音楽をつくることだ〉。「モーニング娘。」を生んだ音楽プロデューサーである。

 生きる意味を問う曲をユーチューブに寄せた。使用料なし、自由に使って、と考えた。

 そのあと、自身のバンド「シャ乱Q」のメンバーと岩手の仮設住宅などをまわった。迎えてくれた笑顔の裏に、悲しみを見た。

 冬に向かうころ。同じ年の気の合う仲間で、宮城生まれの松田公太(45)に頼まれた。

 「気仙沼に、できたばかりの『SCK GIRLS』というアイドルグループがいる。資金はないし、ノウハウもない。手伝ってくれないか」

 松田は、タリーズコーヒージャパンの創業者で、みんなの党の国会議員だ。

 12年2月ごろ、つんく♂らは、SCKの曲をつくった佐藤健たちに申し出た。「デビューCDをつくる手伝いなら、協力できるかもしれない」

 ポケットマネーを出し合うなどして、彼女たちのデビューCDをつくった。ジャケットづくりなどのノウハウは、つんく♂たちが提供した。一枚千円として、千枚売れれば100万円になる計算。「これで、当座の活動資金にしいや」との思いだ。

 のちに東京に来た彼女たちに会い、つんく♂は思った。

 〈ご当地アイドルたちでも、彼女たちは経験してきたものがちがう〉

 つんく♂のテレビ番組や、そのイベントに、ときどきSCKが出演する。ただ、いくつかあるアイドルグループの一つ、という扱いだ。「SCKを直接プロデュースしていません。ぼくの色がついてしまうから。遠くから応援している、という精神的な支えになりたかった」

 アイドルグループを運営する大変さを、つんく♂に聞くと、こんな答えが返ってきた。

 「衣装代がかかる。1着5万円として、10人いれば、50万円になってしまう」。これまでSCKは、スーパーのイオンや地元のスポーツ店から提供してもらってきた。

 「下手にビジネスにせず、純真無垢(むく)に地域復興を貫くことが成功のカギでしょう」

 プロとは呼べないSCKは、夢をつかむ場でもある。

 サブリーダーの中学2年の熊谷亜莉里(ありさ)(14)は、歌も踊りもグループ一、二を争う。夢はモデルになることだ。

 渡辺さと美(19)は、この春から仙台暮らし。短大に通っているが、往復6時間かけて気仙沼に通う。テレビなどへの出演が増えても、「SCKはやめない」。将来の自分を模索している。=敬称略

 (編集委員・中島隆)


 ◇けいざいSHINWA
(けいざい心話)被災地の少女隊:4 歌い続ける、忘れないため
2013年12月21日05時00分

 「SCK GIRLS」の稽古場は、仮設商店街の一角にある。大津波に負けなかった薬局を改造した建物で、ふだんは遊び場などに使われるが、月曜の夜は、彼女たちの稽古場になる。

 この仮設商店街は、NPO「気仙沼復興商店街」が運営する「南町紫市場」。160ほどの店があったけれど、東日本大震災で、ほぼすべてが流された。だが、店主らの商人魂で、震災の年のクリスマスイブ、仮設商店街としてオープンした。いま店の数は54を数える。

 震災観光ツアーで商店街を訪れる人が多く、夜の飲食店も繁盛している。イベントには、SCKの出演は欠かせない。

 だがプレハブづくりの仮設商店街は、いずれ本格的につくり直さなくてはならない。

 NPOの理事長で「あさひ鮨(ずし)」の社長、村上力男(72)はいう。「未来が見通せないわたしたちにとって、彼女たちは、希望の光です」

 今月7日、気仙沼の中央公民館で、SCKの2周年感謝祭があった。全国から集まった200人ほどで盛り上がった。そこに、愛知県豊田市から来た前田祐佳(30)の姿もあった。

 母がいとなむアパレルの会社ではたらく前田は、ボランティアとして、何度も気仙沼に入った。昨夏、あの稽古場で、メンバーの練習を見ていた。

 全身がうつる壁の鏡を見ながら、踊り、歌う。できないところは教えあう。くりかえし、くりかえし、できるまで。

 そんな姿に、前田は涙ぐんだ。〈豊田に来てもらおう〉

 10人を超すメンバーが来て3泊4日すれば、宿泊代や交通費など、200万円はかかる。前田は、地域活性化をめざす女性グループ「SWT+(プラス)」のメンバーと、地元企業を回った。

 冷ややかな人もいた。「なぜアイドル?」「仮設住宅の子どもならわかるけどね」

 前田は、あきらめなかった。「仮設に住む子もいます」「経験しなくていいことを経験したのに、がんばってるんです」

 ことし10月、希望するSCKのメンバー14人を豊田に招いた。小中学校で交流し、ステージに立つメンバーたちを見て、前田は、また泣いた。

 震災の風化、がいわれる。

 今月7日の気仙沼での2周年イベントで、リーダーの高橋里瀬(19)はいつものフレーズを口にした。「震災を忘れないため、この歌を歌いつづけます」

 ♯この地球に生まれ変わりとかあるのなら いつかは会えるかな どんな形でも(「ReGenerasion」から)

 最後に、彼女たちは、赤と黒のオリジナル衣装を初披露した。スーパーから提供してもらっていた衣装からの卒業だ。

 等身大の「あまちゃん」の物語は、つづく、これからも。=敬称略

 (編集委員・中島隆)=終わり
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「デフレだから新しい文化が創造される説」アイドルを見ていると納得できます。(ナッキー)

2013-08-17 09:20:44 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
「デフレだから新しい文化が創造される説」アイドルを見ていると納得できます。(ナッキー)

目次を見たら「AKBはデフレの申し子」と出ていたので、読んだ本を紹介します。
書名:デフレ救国論 本当は怖ろしいアメノミクスの正体
著者:増田悦佐
出版:徳間書店(新書)

以下引用(要約)
「芸術とまで持ち上げるにはちょっとどうか」とおっしゃる方も多いでしょうが、現在人気絶頂期にあるメンバーっちも、秋葉原のAKB劇場から出てきている劇場出身組、いわばデフレの申し子なのです。
これまでのいわゆるアイドルに比べて、AKB48は「生」の露出度が高いと思います。
最終的にはCDを買わされてしまうのだけど、生でサービスしないと、ファンはCDを買ってくれません。
いい曲もあるけど、大半は時間つなぎのための凡庸な曲ばかりみたいたCDを、セット販売で何千円と出させて買わせるという商売は、もう劇場での生の露出なしには通用しなくなってきたのです。

感想:
AKB48をはじめアイドルの曲が凡庸だとは思わないけど、握手会・選抜総選挙・物販(握手か、サインか、チェキ)という付加価値なしに、CDが売れないのは正しい認識。
テレビで活躍できるAKB48が、握手会のような労働生産性の低いイベントを続けているのは、テレビでの人気は短期的なものと割り切って、人気がなくなっても握手会で生き残っていこうという戦略なのだろう。
アイドルに詳しくない経済学者には、CDを「買わされている」と見えるようだが、
曲を鑑賞するために、CDを買っている、ときめき研究家さんのような方が少数
CDについてくる権利を買うファンが多数、
決して、買わされているわけではない。

本の引用を続けます。
それ(演劇がはやっていること)が広く受け入れられるのも、デフレの恩恵。
インフレ時代にはとうてい実験的なことには使えないような使用料をとっていた劇場でも、閑散期には安く貸してくれる。
企業ならば新製品を生み出す研究が割安になってきた状態に当たる。

感想:筆者は有名な演劇について論じているが、私が見ている若い女性中心の無名な演劇に、あてはまる。上演するだけでなく、稽古場、スタッフ、女優のギャラ、安くないとできないのだろう。切符代は4000円代、5000円代。終演後の物販の公演もある。
劇場公演ではないが、ローカルアイドルが輩出するのも、
レコーディングが安くできる
才能のある者に、作詞作曲のをローカルで安く発注できる(あるいは、主催者自身が作る)
レッスン場が安く借りることがでできる
歌とダンスを披露する場がある

からで、デフレのおかげと言えないことはない。

本の引用を続けます。
AKBのような集団性は、世界的に見てもポップアーティストの業界に大きなインパクトを与えつつある。
あれだけ大勢になると、違う力学が働く。
AKBのような存在と、日本独自の発展を遂げた文化(アニメ・漫画)がクロスオーバーしたときに、何か新しいものが生れるのではないか。
そのカギは、ピン、つまりひとり立ちの芸を見せることではなく、せいぜい7から8人までの伝統的なグループでもなく、観客にアイドルの方がまるで自分たちの引率で行動している生徒のように思わせてしまう親近感ある大勢の集団性ということでしょう。

感想;筆者は経済の専門家であるが、芸能の専門家ではないので、このあたりは思いつきのようだ。
AKB48が、新しい文化の創造であったという認識には、同意。


本の引用を続けます。
イギリス・ビクトリア朝後期には、ミュージックホール演芸が全盛を迎えた。
それ以前のパフォーミング・アーツとは貴族がパトロンとして育てた音楽家を、優雅にサロンで楽しむものだった。
デフレ時代(1873年から1895年)には、物価が下がり実質所得が上がったので、大衆がエンターテイメントを求めた。オペラッタがの名作はこの時期に初演されている。
アメリカでブロードウェイのミュージカル、ハリウッド映画の黄金期は、1930年代。

本の引用を続けます。( )はナッキー補足。
インフレ期とは、もうすでに名の通った人たちが巨大な収益を得るのには適しているが、新しい芸術を生み出す環境ではありません。
デフレ期とは、同じことを続けていると、少しずつジリ貧になるので、なんらかの新しい工夫をした人が成功する。
インフレ期は、早めに借金をして、規模を拡大すれば勝なので、あまり想像性を必要としない。与信能力の高い大手プロクションが、スターをリリースして(少数独占が)通用する。
デフレ期は、制作費・宣伝費の拡大(浪費)競争をやってもジリ貧で、新しい内容で勝負しなくてはならない。

感想;
アイドルが3ヶ月ごとにシングルをリリースした70年代、80年代も充分に創造的であったと思うけど、
現代のローカル・地下・マイナーアイドルたちの創造性の方が、バラエティに富んでいて、面白い


ナッキー
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TIFで営業するアイドルたち(ナッキー)

2013-08-07 00:17:22 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
TIFで営業するアイドルたち(ナッキー)

TIFでは、会場以外の場所で、TIF出演者がうちわを配っていたり、
TIFに出演していないアイドルが営業に来ています。

↑こちらの写真は、売店の隣、勝手に、生写真を売っている、TIFには出演しない白石柚月c。ネットで調べたらブログがありました
街中でこんなことをしたら、こわいお兄ちゃんが、ここで営業してよいと思っているのか、と声をかけてきそう。

8月6日の朝日新聞のコラムを引用。
(甲乙閑話)「自称アイドル」の時代
 「一回聴いてみてください」。チラシを手に声をかけてきたのはアイドルだった。
東京・お台場エリアで7月27、28日に開かれた「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」の会場を歩くと、「営業」に必死な女の子たちが近づいてくる。
AKB48が確立したスタイルが「会いに行けるアイドル」なら、こちらはさながら「会いに来てくれるアイドル」だ。
 今や、身近にいる女の子がアイドルを名乗る「自称アイドルの時代」というのが実態に近い。
都内なら、平日も含めてほぼ毎日、アイドルのイベントが開かれ、それを一覧できるページもネット上にはある。
集客が数十人でもアイドル。憧れの対象どころか、「地下」アイドルなんて言葉もある。誰でもなれるのだ、意志さえあれば
 そのレベルも含め、TIFには総勢111組が集結した。「地元発」「モデル出身」とうたい文句は花盛り。
自分で「かわいくないのが売り」なんていうのも。それでも、ライブの後の握手会や「物販」(グッズが買える)には、行列ができ、会場には2日間で延べ3万人以上が訪れた。
 美貌や歌唱力で勝負できるのはほんの一部。
しかも、そんな子の人気が高いとは限らないから面白い。
モデルや歌手ではなく、あくまでアイドルの祭典。「普通の」女の子が、普通のままで輝けるか
それが、今のアイドルの本質なのだ。(高久潤)

補足:
「一回聴いてみてください」
チラシにyoutubeのurlが出ているという意味でしょうか。
制服向上委員会は、シングルCDを無料で配布していました。(TIFではなく、別のイベント)

「それが今のアイドルの本質」と書かれると、昔のアイドルは美貌や歌唱力で勝負していたような誤解を受けるけど、たとえば山口百恵は普通の女の子なのがよかったです。

ナッキー

TIF出演していないけど営業していたメグリアイ(可愛かったので、再度添付します)
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総選挙分析ライターの分析を分析している論文を見つけました。(ナッキー)

2013-07-17 21:27:53 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
総選挙分析ライターの分析を分析している論文を見つけました。(ナッキー)

金曜日は総選挙分析ライターさんと、2人の共通の友人合計4人で会食するので、総選挙分析ライターの代表作を選ぼうと、ネット検索をかけました。
そこで見つけたのが、こちらの論文です。冒頭から総選挙分析ライターについて語っているところまでを引用します。読みやすくするために段落を勝手に変えました。
私は、今まで、総選挙分析ライター氏の文章を評論だと思っていましたが、著者(学者)は、評論ではなく先行研究だと定義しています。
ナッキー

AKB48選抜総選挙における
ロングテール構造とメディア選択
植田康孝  
2012 年 11 月 30 日受付
江戸川大学 マス・コミュニケーション学科教授 国際情報通信学博士
要 約
本研究の目的は, 2012 年 6 月 6 日に開票された 「(第 4 回) AKB48 27th シングル 選抜総選挙」 について,ユニット化のメリットとロングテール構造を確認して, 且つインターネットの影響を実証するものである。
本研究の実証結果より, 「総選挙得票数」 に与える, 「ユーチューブ (政見放送) 再生回数」 の弾性値は0.47, 「Google+登録ユーザー数」 の弾性値は 0.97 であることが明らかとなった。 劇場からスタートしたため, 元来, AKB48のファンは自ら 「参加したい」 「発信したい」 という欲求が高い。
最大公約数を狙うマスメディアが提示する世界ではなく 「自分の興味関心が高いメンバーに近い世界を構築したい」 と考えるファンで構成されている。
ところがテレビは時間的制約があるため, ファンのニーズを満たし得ない。 一方, 制約がないインターネット上では,興味関心メンバー毎のコミュニティが形成され, ファンはマスメディアより満足度を高めることができる。
こうしたコミュニティが増殖するに従い, ファンが活用する情報メディアとしてマスメディアからインターネットへのシフトが進んだ。
AKB48 の場合, 従来のアイドルと異なり, テレビ番組や歌番組などマスメディアでの露出よりも, 「ユーチューブ (政見放送)」 や 「Google+」 などのインターネットや, 秋葉原 「ドン・キホーテ」8 階にある 「AKB48 劇場」 や CD 購入者を対象とした 「全国握手会」 など 「ライブ・イベント活動」 の影響の方が大きいとかねてより指摘されていたが, 本稿での実証結果もこれを裏付けており, 今後のアイドル・プロモーションにおけるメディア選択の方向性の一つを示したと言える。
※AKB 48 は2005 年に作詞家の秋元康氏をプロデューサーに誕生したアイドルグループである。 従来のアイドルをプロモーションする際に用いられた 「ヘッド」 を中心としたマス (大衆) に向けた戦略ではなく, ライブ・イベント活動やインターネットを用いてファンの 「テール (裾野)」 を拡大する戦略を駆使していることで知られる。
2009 年頃から人気が拡大2011 年レコード大賞を受賞した。 音楽情報会社 「オリコン」 発表によれば, AKB48 の CD 総売り上げ枚数は 2,030 万枚に達し, 女性グループでは最多売上枚数を誇っている(1)。
コンセプトとして 「会いに行けるアイドル」 を掲げ, 秋葉原 「ドン・キホーテ」 8階に専用のライブハウス 「AKB48 劇場」 では毎日のように公演が行われ, ここに行けば彼女たちに 「会える」ことになっている。 メンバーの人気をファンからの投票で順位付けする 「AKB48 総選挙」 や新曲の歌うメンバーをじゃんけんで決める 「じゃんけん大会」 などの ユニークな手法も人気であり, CD 購入者を対象とした 「全国握手会」 において彼女たちと会うことが可能である。 更に, 「ユーチューブ (政見放送)」 や SNS 「Google+」 でのファンとの交流を初めとした, 新しい試みにも取り組んでいる(2)。
キーワード:ユニット化, ロングテール, ユーチューブ, Google+, 関係性, コミュニティ

1. はじめに
2011 年 12 月 28 日付ウォール・ストリート・ジャーナル (The Wall Street Journal) 紙 1 面に AKB48 のビジネスモデルが紹介された。 その記事の中で, AKB48 人気となっている鍵として 「全国握手会」 や 「選抜総選挙」 が挙げられている(3)。

One key ingredient: fan access and participation. CD releases come complete with lottery tickets for a chance to attend a“handshake event” to meet members, or with ballots for popularity contests for members, with the top vote-getters performing on coming singles or appearing in music videos. Many of AKB48’s hard-core otaku,or geek, fans buy dozens, or even hundreds of copies of the same CD to give their favorite girl a boost in rankings, or to win a chance to meet her in person.

また, 「テール (裾野)」 に向けたファン開拓や多様なメディア活用の手法について, 「360度マーケティング」 が紹介されている。

Mr. Akimoto’s success with AKB48 has spawned numerous studies for would-be pop moguls, ranging from books on “The Economics of AKB48” and “The Art of Grabbing the Heart,” to articles in business magazines on the group's “360-degree marketing.”

この 「テール (裾野)」 に向けたファンの拡大 は 「ロングテール」 と呼ばれるが, ドミンク・カルドンは著書 「インターネット・デモクラシー」の中で以下の通りに述べている。
「ウェブの豊かさは, 公共空間では主要なコンテンツの陰に隠れてほとんど流通していなかったテーマを共有して議論できる仲介的な空間をつくり出したことにある」
「インターネットのアルゴリズムに対して, 批判的な分析を進めるべきである。 少ない閲覧者しかいないコンテンツであるロングテールを維持しなければならないのだ。 なぜならば, このロングテールこそが, 従来の公共空間からはるか昔に消え去った, インターネットの最も根源的に民主的な現象であるからだ」

「AKB48 選抜総選挙」 の特徴は, 透明性と納得性を確保し, メンバー間の競争をオープンにしていることにある(4)。
プロデューサーの秋元康の意向ではなくファンの支持という手続きを踏む(5)
形式は, ロングテール構造を有した民主的な現象であり, この現象に対応するためには, ヘッドを対象としたマスメディアよりも, テールを対象にできるインターネットが適している(6)。

テレビやCM の露出数, ブログへの書き込み数, 公式サイトへのアクセス数は, 第3 回総選挙から第 4 回総選挙への1 年間で大きな伸びが見られなかった一方, ユーチューブ, Google+, ツイッターなど公式の AKB48 関連情報に接触できるメディアが拡がったことにより支持層は拡がり, 新たに総選挙に投票しようと考える人を増やすことに影響した。

2. 先行研究レビューと本研究の学術的貢献学術的研究と評論の違いは, 明確な前提のもとで科学的・論理的にモデルを構築しているか, 単に感覚で述べているかで判断が付く。
自然科学分野, たとえば物理学においては, どんなにもっともらしくても, 基本となるニュートン力学や量子力学を無視した研究は相手にされない。
人文・社会分野で文学, 音楽, 映画, アニメ, ゲームなどコンテンツを分析する場合, 感覚的アプローチが目立ち, あまりにも精密性と客観性と再現性が乏しくて, 果たしてこれが 「学問」 と言えるだろうか, 「評論」 に過ぎないのではないか, という批判は常に付きまとう。
本稿では, 経済モデルを援用することにより理論アプローチを試みた。コンテンツ分野の研究は, 物理学で言えば, いまだガリレオ以前の状態にあるだろう。
ガリレオは正しいことを言ったのに, 物理学の認知度が低いために, 「神の教えに背く」 と言われ, 投獄された。
コンテンツ分野では, 専門家でない人が「理屈はそうでも現実は違う」 というケースもいまだ多く存在する
コンテンツ分野が 「神の教え」ならぬ, 「科学」 や 「論理」 で説明が行われる「学問」 へ発展するために, 客観的, 定量的な評価のフレームワークを提示したことに, 本稿の学術的寄与がある。

ANB48 総選挙についてデータ分析した先行研究は, ルグラン [2012] と総選挙分析ライター[2012] がある。 ルグラン [2012] は, ソーシャルメディアやテレビへの露出とネット視聴率で順位と得票数を予測した。 主要メンバーについて, ツイッター, ブログ, 掲示板における出現頻度や評判, テレビ番組や CM への出現頻度と報道時間およびその内容, AKB48 公式サイトやGoogle+の各メンバーページへのアクセス数やユーザー数・属性データなど, 過去3 回の総選挙時におけるデータと, 各年の選挙結果の関連性(「アキバ係数」) から得票数を予測するモデルを構築, モデルに直近データをインプットして選挙結果を予測するという手法を用いた。

また, 総選挙分析ライター [2012] は, 第3 回の順位, グーグル+のユーザー数順位, 政見放送の再生回数順位をデータとして, 第4回選抜総選挙の 1~64 位まで(7)の予想順位を公表した

しかし, いずれも総選挙前の順位予測という位置づけにあり, 本論文は総選挙後に結果の実証分析を行ったという点で異なる。 また, 定性的に AKB48 選抜総選挙を分析した研究は他に数多く存在するが, 本論文のように収集データに基づき定量評価するモデルを構築し計量分析を行った結果, 経済学の観点から体系的にまとめたものは類を見ない。 本論文で得られた知見は, 社会学やマーケティング論からの従来型アプローチとは異なる, 実証結果を通じて得られたものであり, 論文としての新規性および独創性を有する。

引用はここまで、是非オリジナルをお読みください。ナッキー

補足:この論文の中で、当ブログの記事が引用されています。記事に書く時間があれば、引用します。
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日経新聞「春秋」総選挙では、真っすぐ「上」を目指す少女たち 「番付みろよ」の出典は小結柏戸(KC)

2013-06-07 06:48:55 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
日経新聞「春秋」総選挙では、真っすぐ「上」を目指す少女たち 「番付みろよ」の出典は小結柏戸(KC)

6月6日の日経新聞の一面コラム「春秋」を文末に引用。
高橋みなみが、山本五十六と並んで、部下の育成に悩む企業の管理職のモデルとして取り上げられている。ロールモデルとしての高橋みなみの存在は大きい。

上を目指さない部下に悩む企業社会と、真っすぐ「上」を目指す少女たちが対比されているが、「上」を目指してがんばっているのは、AKBだけではない。
例えばスポーツの世界。

一つ前の記事で、運営がメンバーに「パフォーマンスが悪いので改善・向上しなさい」と注意しても、「総選挙の結果を見てみろ」(注)と、(タニマチ大量得票のおかげで)順位がよいメンバーから反論されてはたまらない、という気持ちがあるのだと推察した。と書いた(注)の出典は、昭和35年の一月場所11日目の故事。

Wikiを引用。
1960年1月場所は東小結で迎え、12日目にはこの場所が新入幕で初日から11連勝中の大鵬幸喜との対戦が組まれた。前日の取り組みの後、支度部屋で記者から「明日は全勝の新入幕・大鵬ですが自信は?」と聞かれると、「番付を見ろ、ワシは小結だぞ」と一蹴した。

相撲の番付と、AKB48の総選挙結果の一番大きな違いは、
柏戸は、勝負に勝って、自分の力で、小結という地位(番付・順位)を獲得したのにたいして、
AKBメンバーの総選挙順位は、必ずしも、自分の力で勝ち取ったのだと言い切れないし、実感しにくい。

それは、大量得票で、不自然に順位を上げるメンバーが数人いるから。逆に、広く人気があるはずのメンバーが、どかんと投票するファンが少ないためか、不自然に順位が下がり、「努力しても、報われない」感は蔓延しているおそれがある。劇場版CDに投票権は、これを払拭する手段。

以下、日経新聞の引用。KC

上場企業の課長さんたちが、いま悩んでいることは何だろう。産業能率大学の調査結果が今月まとまった。3位は「上司と考えや意見が合わない」。2位は「業務が多すぎ余裕がない」。中間管理職ならではの苦労だ。さて1位は何か。聞けばうなずく方も多かろう。
▼答えは「部下がなかなか育たない」で、4割強の回答者が悩む。2年前は3割弱だった。将来の希望では、経営者や役員を目指す向きは減り、部下のいないプレーヤーに戻りたいという答えが増えたそうだ。調査対象の大半は男性。中心は40代。もはや若くはないが、まだ働き盛り。そんな男性たちがどこか元気がない。
▼今週土曜はアイドルグループ「AKB48」250人近くの「総選挙」だ。要はファンの人気投票というお祭りなのだが、トップ交代は、地方組の躍進は、左遷組の踏ん張りは、と酒場で課長さん世代もかまびすしい。初期からのメンバーでリーダー格の22歳、高橋みなみさんが集団をまとめる苦労をNHKで語っていた。
▼問題のある若手がいれば、対象者が傷つかぬよう全員を叱る。自分が率先して動く。そんな工夫を重ねているそうだ。「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」(山本五十六)は、いつの世も同じ。真っすぐ「上」を目指す少女たちに、悩めるニッポンの男たちが夢を託している構図か。 引用終わり

感想:高橋みなみのAKB48リーダーとしての叱咤激励は、特別なことではなく、企業・役所・学校・バイト先で広く日本全国の職場で行われている。AKB48という皆が知っている職場のリーダーから知名度が高いだけ。
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アイドルの歴史を学ぶ本の紹介(ナッキー)美貌の文化史 神と偶像

2013-04-09 23:56:32 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
アイドルの歴史を学ぶ本の紹介(ナッキー)

美貌の文化史 神と偶像
矢田部英正 著 

出版社(中公文庫)のキャッチ:
記紀神話から現在のアイドルまで、連綿と続く日本人にとって「美貌」の条件とは? 「女性芸能者の身体と衣装」をキーワードに語る画期的な日本文化史。

朝日新聞書評:
「ごく普通に見える少女らが、アイドルとして偶像化され、国民的な人気を博す」 のは日本独自の文化。

「個性」を消し去り、「抽象度の高い形式」に身を委ねる女性芸術者の美の形式

それを価値づける感性のありか。

内容(「BOOK」データベースより):
記紀神話のアメノウズメ、
仏教の稚児文化、
能楽、
阿国歌舞伎、
浮世絵の美人図、
松井須磨子
原節子、
山口百恵ら近代日本を飾った女神たち、
AKB48など現代アイドル文化
連綿と続く日本人にとって「美貌」の条件とは何か?「女性芸能者の身体と衣装」をキーワードに語る画期的な日本文化史。

ネットで見つけた読者の感想:
日本の芸能は神様と関係が深いので、祭り上げられる「アイドル」も少なからず神様とつながっています
古くは天の岩戸前で踊ったアマノウズメノミコトから、現代のアイドルまで。
一定の年齢の男女に課す「型」が日本独特で存在するのだなあとわかります。
アイドルへの興味から入ったのに世阿弥や出雲の阿国などの能や歌舞伎の意味までなぞっている。
古典芸能の知識がない私でも面白く読みました。こんな取っかかりから他の文献をあたったら楽しそうだな。


これから買って読みます。ナッキー
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朝日新聞、峯岸みなみ関連記事を資料として添付(KC)

2013-02-11 12:00:00 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
2月11日 朝日新聞 (甲乙閑話)試練のインフレ

AKB48の峯岸みなみの「丸刈り動画」を見て「試練のインフレ」を感じた。
 AKB48は「総選挙」などの試練を作り、たびたび起きる事件も商品にしてきた。昨年の指原莉乃の恋愛報道では、HKT48(福岡)への移籍を、生放送のラジオで秋元康が本人に通告した。
 しかし送り手も受け手もより大きな刺激を求める。現在公開中のAKBのドキュメンタリー映画ではメンバーのJKT48(ジャカルタ)などへの移籍が発表される場面があるが、悲鳴の直後、「でも面白そう」という声が聞こえる。
 今の女性アイドルでこうした手法は一般的だ。振り返れば1990年代末、「モーニング娘。」出演の「ASAYAN」が始まりだった。その先に今回の悲劇がある。
 峯岸は自発的に丸刈りにしたという。だとしても、そうした自発性が生まれる空気がAKBにはあった。試練のインフレで感覚がマヒしたのではないか。
 80年代、秋元康がかかわった「おニャン子クラブ」は雲の上の存在だったアイドルを「普通の人」にして幻想を壊し、アイドルには長い冬が訪れた。「普通の女の子の頑張り」を見せることでアイドルはよみがえったが、それが「試練のインフレ」を招いた。丸刈りの次に何が来るのかと考えると恐ろしい。今また、秋元がアイドルに冬をもたらすのか。
 (鈴木京一)

朝日新聞 2月6日 丸刈り謝罪、誰のため?

【江戸川夏樹、高久潤】AKB48の峯岸みなみ(20)が熱愛報道をうけ、自ら頭を丸め謝罪した公式チャンネルでの映像が波紋を広げている。過剰とも言える謝罪はAKB48だけの問題なのだろうか。
■AKBファン「僕らが追い込んだのか」
 AKB48の売りはファンとの近さだ。劇場公演や握手会を頻繁に開き、恋愛禁止という「お約束」を作ることで、ファンに自分もアイドルとつきあえるかもしれないという幻想をいだかせてきた。
 「僕もいい年なので、ビジネスの一環だってことはわかります。それでも納得してついてきた。でも、今回はファンのための謝罪だと素直に思えない」
 結成時からのファンという東京都の会社員(40)は、東京・秋葉原のAKB劇場近くで肩を落とした。
 昨年の総選挙では同じCDを10枚買い、投票券を集めた。顔を覚えてもらえるようにと握手会に会社を休んで参加したことも。応援している指原莉乃が恋愛報道で博多に移籍させられたときも、「恋愛禁止の規律を破ればペナルティーが与えられるのがルールだから」と応援し続けた。
 しかし今回の映像は「痛々しかった。僕たちが追い込み、やらせたみたい。いじめっ子の気分です。初めてAKB商法に疑問を持ちました」。
 AKB48を重宝してきたテレビ局も疑問を投げる。
 ネット上の公式チャンネルに動画がアップされたのが1月31日。次の日、昨年はAKB48総選挙を生中継したフジテレビで、情報番組「とくダネ!」のアナウンサーが「本人の意思とはいえ、公式にその様子をアップしたことは、事務所が丸刈りを見せることを認めたということ。これは体罰と根底で似ているのかも知れない」と批判した。
 3日に放送されたTBSのサンデー・ジャポンでも、コメンテーターが「エンターテインメントの域を超えている。社会的制裁を受けるものではないのに、その雰囲気を取り入れた演出は、世間を(罪でも犯したように)勘違いさせる」と問題視した。
 一方で、若年層の労働問題を取り上げる総合誌「POSSE」の編集長坂倉昇平さんによると、今回の行動について10~20代の若年層には「一定の理解」を示す意見が少なくないという。
 坂倉さんは「過剰な謝罪に追い込まれるのは、命令や罰則に適正なルールがなく、成果が出ないという理由で理不尽な仕打ちを繰り返す『ブラック企業』でよくみられる光景だ。肯定的な若者が目立つのは、こうした光景が身近にあるからかもしれない」と考えている。
■のぞく体育会系文化
 AKBへの批判が集まるなか、これは日本全体の問題と指摘する声もある。
 ポップカルチャーに詳しいライターの松谷創一郎さんは「日本の体育会系文化に深く根ざした問題ではないか」と話す。「教育上の理由」という名目で、試合の勝ち負けや技術の巧拙以上に頑張る姿を見せること自体が美化される傾向がある文化のことだ。
 「秋元康さんが『AKBは高校野球なんだ』と言っているように、理不尽があっても、とにかく頑張る姿や必死な心を伝える。それが過剰な同調や体罰などの理不尽の黙認を助長しているわけで、AKBだけの問題ではない」と分析する。
 一方、「どんなことでもオープンにする」姿勢を打ち出してきた延長線上で、ファンに謝罪の「必死さ」を伝えようとして丸刈りにした側面もあるともみる。
 今回の問題が、大阪の高校での体罰や女子柔道選手へのパワハラが明らかになるさなかで起きたことも大きいという。「『体育会系文化』には多くの人が問題があると気付いてきたが長年黙認されてきた。二つの問題とほぼ同時というタイミングが、大きな反発につながった」と指摘する。
 AKB48グループは2日、ファンから映像を取り下げて欲しいという声が集まったためとして、映像を削除した。
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AKB闘将5(KC)

2012-11-19 11:23:42 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
AKB闘将5

AKB語呂合わせネタは、AKB48が売れるまで、本ブログの定番だった。久しぶりに、まあまあ面白かったので引用。
この記事では、何故AKBなのか分からず調べたところ、星野監督が、
A(アホ)K(カス)B(ボケ)と、ののしりながら育成する方針と。
「ののしりながら」ではなく、「叱咤激励しながら」の方がよいのでは。KC

以下スポーツ新聞記事を引用。
星野監督「恋愛どんどんやれぃ!」“AKB闘将5”に珍指令…楽天

 本家AKBは恋愛禁止だが、楽天の「A(アホ)K(カス)B(ボケ)闘将5」は、彼女大募集中だ。6日、星野仙一監督(65)は塩見、釜田、戸村、辛島、菊池の若手5投手に、恋愛を許可(既婚の戸村を除く)。ヘビーローテーションならぬ開幕ローテーションと一緒に、美女もゲットする。

 星野総合プロデューサーから意外なお墨付きが出た。この日も5人に対し今キャンプ恒例となったノックを敢行。「恋愛なんかどんどんやれぃ! メリハリさえきっちりつければええんや。そういう気持ちの切り替えもプロの世界では大事」と強調。本家では指原莉乃(19)が恋愛禁止のおきてに違反し、博多のHKTへ“左遷”されたが、楽天ではいらぬ心配だ。

 推しメンは島崎遥香(18)という菊池は「今、彼女はいません。活躍して(女性ファンに)覚えてもらいたいですね」と照れ笑い。「ボール球と女は追いかけたらアカン」とアドバイスを送った闘将。先発ローテとしてブレークすれば、“会いたかった”彼女にも出会えるかも!?


追記!翌日20日のスポーツ報知
「AKB闘将5」センターに菊池…楽天

AKB総選挙でセンターを獲得した楽天・菊池(中)(左から塩見、辛島、1人おいて、戸村、釜田)
 楽天・星野仙一監督(65)が「A(アホ)K(カス)B(ボケ)闘将5」と命名した塩見、釜田、戸村、辛島、菊池の若手5投手の「総選挙」が19日、開催された。指揮官、首脳陣ら合計28人が投票し、最多の9票を獲得した菊池は来季の2ケタ勝利を誓った。
 AKB闘将5の「センターポジション」が決まった。岡山・倉敷での秋季キャンプを打ち上げ、星野監督が最後の1票を菊池に投じて勝負あり。「みんなに票をやりたい。その中でもキク(菊池)が1番元気があったし、ボールも良かった」と称賛した。
 今季1勝だった菊池も「この5人で50勝しろと監督に言われたので、最低ノルマとして10勝は勝ちたい」と所信表明した。今キャンプMVPのご褒美として監督賞の賞金もゲット。闘将に選抜された5人が、菊池を中心にブレークを目指す。

感想!
有望だが有名ではない選手のモチベーションを上げで、マスコミと野球ファンに話題を提供。KC
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農業はアイドル歌手である。(ナッキー)

2012-10-10 06:00:49 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
農業はアイドル歌手である。(ナッキー)

娘が農学部で勉強しているので、参考になるかと思って買った本に、農業の比喩にアイドル歌手が出てきました。

出典:
新潮新書
日本農業への正しい絶望法
神門喜久(著)
71、74ページ

農業問題を語るときに陥りがちなもう一つの罠は「ノスタルジーの罠」だ。
都市住民は自然から離れ、農業からも離れている。
そういう距離があるからこそ、農業や農家を美化する。
それはアイドル歌手に似ている。
アイドル歌手は手が届かない存在だから美しくて魅力的に感じられる。
距離が近くなって、生臭い心身を知ってしまえば、アイドルではなくなる。

アイドル歌手を美化しておっかけをやっても本当の愛情は生まれない。
その歌手に醜い側面があることを知った途端に、その歌手を遠慮なく放り出すのではないか。
生身の人間の薄汚さを受け入れてこそ、本当の愛情が生まれる。


感想:農業を論じるにあたっては、農家を美化せずに、彼らも(都会の人間と同じように)金儲けにはきたないという「生身の人間の薄汚さ」を前提にするべきである、という理屈は理解できました。が、ここで、アイドルをたとえにすることが、文脈に合致しているのかは、少々疑問。たとえば、最後の3行を、次のように置き換えてみると、

指原莉乃を美化して総選挙4位という投票があったとしても本当の愛情は生まれない。
指原莉乃に醜い側面があることを知った途端に、指原莉乃を遠慮なく放り出したファンも多いのではないか。
生身の人間の薄汚さを受け入れてこそ、本当の愛情が生まれる。

指原莉乃のスキャンダル発覚後もファンを続けている方々は、
アイドルを職業としている指原莉乃の「生身」の人間を受け入れて、本当の愛情があるからファンを続けているのではなく、
指原莉乃本人(生身)ではなく、アイドル(作品・企画)としての指原莉乃が好きだからファンを続けていると感じるから。

ナッキー
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小説に登場、AKB48(ナッキー)

2012-09-17 18:27:40 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
小説に登場、AKB48(ナッキー)

書名:十二単を着た悪魔
著者:内館牧子
発行;2012年5月10日
出版;幻冬舎

現代から平安時代にタイムスリップした男性。女御に仕える陰陽師として働き始める。桐壺帝から仕事の依頼が来る場面。

「上様をこれ以上お待たせできません。本日は日がよいので繰るべしとの仰せ。」
「分かった。女御様に話してくる。女御樣がダメといったら、いくら上様でもダメだ。」
「何と、帝の頼みですぞ」
「帝だろうがAKB48だろうが、ダメだ。」
「は? えーけー・・・ふぉー?」
「いや、高麗の権力者の名だ」
「さようですか。何とかうまく女御樣にお話下さい。」

ナッキー
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秋元才加、いじめられている君へ(ナッキー)

2012-07-29 09:50:07 | 新聞・本に登場、AKB48・アイドル
秋元才加、いじめられている君へ(ナッキー)

朝日新聞のシリーズ記事「いじめられている君へ」で秋元才加が書いている(インタビューの編集記事かもしれない。)
秋元:AKB48に入ってからも、大柄で、正当派アイドルの体つきではない自分が嫌でした。

秋元:
ファンとの握手会で、
「自分に価値があるのか分からない」との悩みを打ち明けてくれる人もいます。
短い時間なので相談には乗れないけど、一歩踏み出して話してくれる勇気がうれしい。
独りで悩まず、自分の想いを話してみて欲しい。親でも先生でも友達でもいい。

握手会でアイドルに悩みを打ち明ける、相手が秋元才加だからできるのか、
多くのファンが、いろいろなメンバーに、悩みを打ち明けているのか。
悩みを打ち明けられたメンバーは、どのように対応しているのか。
そういうファンに対応の仕方を、運営はメンバーに指導しているのか。

この新聞記事を読んで、秋元才加に、悩みを打ち明けよう、と思ったファンがいると思います。
握手会で悩みを打ち明けてもよいというメッセージ?

ナッキー
コメント (4)
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