AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

乃木坂46『チャンスは平等』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2024-05-20 21:50:10 | ときめき研究家
『チャンスは平等』。
いかにもシングル曲らしい歌だ。
タイトルからはよくある啓蒙的な楽曲にも思えるが、この曲に限ってそれほど深い意味はない。軽いノリで「君ならできる」「明日はきっといい日」とか、根拠もなく声をかけているような歌詞だ。
洗練されたリズムとメロディーに合わせそれっぽい歌詞を当てはめただけ。何よりダンスの方を重要視している。そんなコンセプトの楽曲だと理解した。鹿爪らしく「チャンスは平等なのだから無駄にしないように努力するべきだ」と説教されるかと思ったら拍子抜けして、これはこれでいいものだ。

『車道側』。
幼稚園の頃からの幼馴染が、いつか恋愛対象になって、僕が車道側を歩いて君を守るよという歌。
幼馴染からの恋愛をテーマにした歌は数多ある。『鈴懸なんちゃら』(AKB48)『ショートケーキ』(柏木由紀)がすぐに浮かぶが、いずれも2人の関係がいつの間にか変化していたことに気づく歌だ。『車道側』も同じだ。ただこの歌の2人は『ショートケーキ』のように上手に恋愛に移行できていないことを暗示している。「どこにいたって君のことが好きだ」というラストは、恋人として一緒にいられない現実を示唆する。その意味では『鈴懸なんちゃら』の2人の関係に近い。

『あと7曲』。
仲間と深夜までカラオケにいたが、まだ歌い足らず、あと7曲歌わせろという他愛のない歌。
アンニュイな曲調と、ストレートな欲求がミスマッチで、そこが独特の味わいになっている。
「順番にマイクを回すと割り込めない」「マニアックな曲は遠慮してしまう」「キーをいくつ下げると歌いやすいか把握」「カラオケ嫌いだったのに突然ハマってしまう」など、カラオケあるあるを盛り込み、一種のカラオケ賛歌になっている。
しかし若者はパワーがある。最近私はめったにカラオケに行かなくなったが、3曲も歌えばもう満足だ。

『ぶんぶくちゃがま』。
シュールな歌。ぶんぶく茶釜の蓋がないと大騒ぎしているが、そもそもぶんぶく茶釜って何だっけ? ただ言葉の響きが気に入っているだけ、というような支離滅裂な内容。でもそれは正直な作詞家の告白で、メロディーにしっくり合った「ぶんぶくちゃがま」という言葉からスタートして1曲でっち上げた歌詞なのだろう。文学性をはじめから求めない歌詞があってもいいし、この歌はそういう歌なのだ。

『「じゃあね」が切ない』。
いつも一緒にいたい。ほんの数時間でも離れていたくない。「じゃあね」がなかなかできない熱愛期のカップルの歌だ。そんな一時期がどのカップルにもあるのだろう。恋が始まり、加速度的に親密度が増していくその貴重な一時期。それは二人にとってかけがえのない時間だ。やがてその速度は鈍化し、平常運転となる。それが恋愛の日常だ。平常運転になってしまうまでに、どこまで速度を上げられるのか、それによって長く続く日常の在り方も変わってくるのではないか。
レトロな喫茶店と中目黒駅の改札という2場面だけの描写で、そんな2人の一瞬を切り取った歌詞が印象深い。穏やかな曲調がそれを引き立てている。

『夏桜』。
山下美月のソロ曲。彼女の卒業ソングで、作詞も自身が行ったとのことだ。
また1人、顔と名前がわかるメンバーが卒業してしまう。彼女のことは朝ドラ『舞いあがれ』で認識したが、その後もいろいろなドラマで目にするようになった。女優としての活動に注力するため、卒業のベストタイミングだと判断したのだろう。
しっとりしたフォークソング調の曲だ。山下の声は思いのほか幼く、ウエットだ。ドラマでのしっかりした演技力と対照的に、儚げな歌唱は、これはこれでいいものだ。
「夏の桜」とは葉桜のことだろう。花は散り、時期が来て、自分は卒業する。次の季節の花を咲かせるのは後に残るメンバーに託す。「ありがとう ありがとう もう行くよ」とメンバーやファンへの気持ちを歌う素直な歌詞だ。「美しい月が照らす」と自分の名前も自然に忍ばせ、「何より大切なこの坂」とグループを暗示する「坂」も歌い込んでいる。ファン心理をくすぐる、なかなか完成度の高い歌詞だ。

『サルビアの花を覚えているかい?』については既に記事を掲載済み。何度も聴きたくなる曲だ。

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乃木坂46『チャンスは平等』カップリング曲『サルビアの花を覚えているかい?』にときめいた。(ときめき研究家)

2024-05-10 22:28:33 | ときめき研究家
最近はカップリング曲まではなかなか聴き込めていなったが、乃木坂46の新曲は収録全曲を購入して聴いている。その中でカップリング曲『サルビアの花を覚えているかい?』を気に入った。

元カノの結婚式当日に、昔2人でよく行ったカフェを1人で訪れ、彼女が好きだったかぼちゃプリンを食べながら感傷に耽っている男の歌だ。そのカフェの入り口の花壇に咲いているのがサルビアという舞台建てだ。
新しい恋を見つけて旅立っていく女と、昔の恋を忘れられない男、この構造の歌は山ほどある。特にこの曲は、NMB48の『カトレアの花を見る度に思い出す』の姉妹曲と言ってもいいだろう。花の名前を織り込んだタイトルの構造も似ているし、男が昔の淡い恋を思い出すノスタルジックな内容も共通だ。

『サルビアの花を覚えているかい?』で独特なのは、元カノから結婚式の招待状を受け取っていることだ。しかし彼は返事を出せず、その代わりに思い出のカフェで「ここで祝うよ」と歌っている。
常識的な考察をすると、まず本当に深く付き合った元カノ・元カレなら結婚式には招待しないのが普通だ。更に言えば、事前に電話なりメールなりで出席の意向を確認してから招待状を送るのが丁寧なやり方だ。彼も彼で、欠席なら欠席で返事はしないと相手も困るだろう。などという指摘は野暮か。
彼女が招待状を送ったのは、彼女の方は彼のことを元カレとは思っておらず、今でも友達の1人と思っているからだろう。彼の方も、当時は「気の合う友達」だったが、後になって恋愛感情に気が付いたと歌っている。つまり彼の片思いなのだ。
または、彼女にも淡い恋愛感情があったのかもしれないが、既に固く蓋をしてしまっているから、別の男と結婚するのだろう。その蓋の締め方の固さと緩さの微妙な違いが、男女の差によるものなのか、個人差なのかは分からないが、この楽曲の眼目になっているのだ。

この曲を歌っているのは、五百城茉央と奥田いろはという2人のメンバーということだ。デュエット曲だ。フォークソング調で、ソロパートも多い。2人の歌声をじっくり鑑賞できる。加えてハモリも美しい。欅坂46における「ゆいちゃんず」の楽曲に雰囲気がよく似ている。五百城・奥田のコンビにも2曲目、3曲目があるかもしれない。
2人の声はどちらも舌足らずで、幼い感じのする声だ。ノスタルジックな内容のフォークソングによく似合う。男性言葉のこの歌詞を、仮に男性が歌ったとしたらあまりにいじましくて聴いていられないかもしれない。若い女性のウエットでかわいらしい声だから中和されて心地よく聴けるのだ。
特に私が聴き惚れてしまうフレーズは「かぼちゃプリン」だ。「かぼちゃプリン」という言葉そのものの響きがメロディーに完全調和し、そのフレーズだけで悶絶するようなほっこり感を生み出している。歌中の彼がどんなに深刻ぶってノスタルジーに浸っていても、「かぼちゃプリン」食べてるんだろう? 大したことじゃないね、と言ってやりたくなる。それくらい破壊力のあるフレーズだ。タイトルの「サルビア」より印象深い。

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