『君と僕と洗濯物』。
この曲については既に感想を書いた。その中で、彼はどうして彼女が来ると分かっている時にわざわざ洗濯など始めてしまったのかという疑問を書いた。その後考えて、1つの説に辿り着いた。
彼は洗濯などしておらず、洗濯物は押し入れかどこかに隠していた。それを彼女に見つけられ、彼女が洗濯から干して畳むまで全部やってくれた、という解釈が一番しっくり来る。一人暮らしでは洗濯は1週間分くらい溜めるものだ。その溜まった洗濯物を、下着も含めて嬉々として洗ってくれる彼女は、全く都合のいい理想の彼女だ。秋元康の一種のファンタジーなのであろう。
『BAN』。
いかにもシングルらしい曲。「BAN」とは、禁止する、排除するといった意味らしい。
若さにかまけてだらだらと無為な日々を送っていたら、突然BANされて途方に暮れているという内容だ。
確かに若い時は時間が無限にあり、多少回り道や道草してもいくらでも取り返しがつくという根拠のない過信があった。ところがある日気がつくと、もう人生は始まっていて、自分だけ周回遅れになっていて焦る。いつの間にかモラトリアムは終わっていたのだ。私の場合、リクルートブックという分厚い冊子が送られて来た時にそれを感じた。
「時間はあんなにあったじゃないか」と言われればその通りだ。週に3回徹夜マージャンをしたり、それ以外の4日間は夕方まで寝ていたり、夏休みは毎日喫茶店に入り浸っていたりして、莫大な時間を無駄にした。
この曲はそんな後悔を思い出させてくれる。
今になって思えば、そうやって後悔している時間も無駄だった。無駄だったが、そのおかげでこの楽曲を味わうことができたのは、ちょっとだけ無駄ではなかった。
『偶然の答え』。
渋谷の街で偶然「君」に出会って、運命を感じてしまう歌だ。『BINGO』『隕石の確率』『74億分の1の君へ』『必然的恋人』『一瞬のスリル』などで繰り返し歌われて来た、秋元康の好きなテーマだ。
しかし、都会の若者が、若者の街渋谷で知人に会うことはままあることだろう。全然不思議でもない。前から気になっていた「君」だったからこそ運命を感じただけで、都合のいい思い込みだ。まあでも、恋というものはそもそも思い込みから始まるのだろうから、それでいいのだ。
淡々とした歌い出しから始まる曲調もいい。
『それが愛なのね』。
「あなた」は最低の男だが、それでも惹かれてしまう、放っておけない、それが愛なのねという歌。そうやって悪い男に騙されていくのだ。
「後ろ髪引く」は『ひこうき雲』『へそが曲がる』『大人列車』など多くの曲で使われたフレーズ。
「私の胸で眠りなさい」は『聖母たちのララバイ』から続く母性の表出。
曲調は重々しくてあまり好きではない。
『Microscope』。
恋をした未知の気持ちを顕微鏡で研究したいという内容。
実は過去の作品にも同趣旨のものがある。
新田恵利『冬のオペラグラス』は色んな意味でアイドル史に残る不朽の名作だが、歌唱のインパクトに隠れて歌詞をじっくり聴くことは少ない。よく聴くと、「恋をした私の心をオペラグラスで覗いてみたい」というような内容で、正に『Microscope』と同テーマだ。
守谷香『お嫁さんになってあげないゾ』は、望遠鏡で天体観測ばかりしている彼に、「角度を変えて私の胸の中を覗いてみて」とリクエストしている。
「Microscope」という掛け声が印象的で、行進曲風の一風変わった曲だが、妙に耳に残る。
『思ったよりも寂しくない』。
好きだった人と別れた後の心情を歌った歌詞だと思われる。淡々と思い出を振り返り、それでも変わらずに生きて行く決意を歌っている。
口笛から始まるミディアムテンポの曲調は、あっさりしていて印象は薄い。途中でラップも入り、散漫な感じもする。でも何回も聴いているうちに耳に馴染んで来るような曲だ。
『櫻坂の詩』
ワルツだ。アイドルではなかなか成功しないワルツだ。でもこの曲には優雅さだけでなく、力強さがある。
タイトルから、改名した櫻坂46のテーマソングになりうるような楽曲なのだと思う。
歌詞は難解だ。桜の木を象徴的に歌っているのはAKBグループからの伝統だが、いろんな解釈ができるような歌詞だ。今は会えなくなった仲間やファンのことを思ったり、久しぶりにライブで会える日々を夢見ていたり、そんなグループの心情も込められているようにも思える。
この曲については既に感想を書いた。その中で、彼はどうして彼女が来ると分かっている時にわざわざ洗濯など始めてしまったのかという疑問を書いた。その後考えて、1つの説に辿り着いた。
彼は洗濯などしておらず、洗濯物は押し入れかどこかに隠していた。それを彼女に見つけられ、彼女が洗濯から干して畳むまで全部やってくれた、という解釈が一番しっくり来る。一人暮らしでは洗濯は1週間分くらい溜めるものだ。その溜まった洗濯物を、下着も含めて嬉々として洗ってくれる彼女は、全く都合のいい理想の彼女だ。秋元康の一種のファンタジーなのであろう。
『BAN』。
いかにもシングルらしい曲。「BAN」とは、禁止する、排除するといった意味らしい。
若さにかまけてだらだらと無為な日々を送っていたら、突然BANされて途方に暮れているという内容だ。
確かに若い時は時間が無限にあり、多少回り道や道草してもいくらでも取り返しがつくという根拠のない過信があった。ところがある日気がつくと、もう人生は始まっていて、自分だけ周回遅れになっていて焦る。いつの間にかモラトリアムは終わっていたのだ。私の場合、リクルートブックという分厚い冊子が送られて来た時にそれを感じた。
「時間はあんなにあったじゃないか」と言われればその通りだ。週に3回徹夜マージャンをしたり、それ以外の4日間は夕方まで寝ていたり、夏休みは毎日喫茶店に入り浸っていたりして、莫大な時間を無駄にした。
この曲はそんな後悔を思い出させてくれる。
今になって思えば、そうやって後悔している時間も無駄だった。無駄だったが、そのおかげでこの楽曲を味わうことができたのは、ちょっとだけ無駄ではなかった。
『偶然の答え』。
渋谷の街で偶然「君」に出会って、運命を感じてしまう歌だ。『BINGO』『隕石の確率』『74億分の1の君へ』『必然的恋人』『一瞬のスリル』などで繰り返し歌われて来た、秋元康の好きなテーマだ。
しかし、都会の若者が、若者の街渋谷で知人に会うことはままあることだろう。全然不思議でもない。前から気になっていた「君」だったからこそ運命を感じただけで、都合のいい思い込みだ。まあでも、恋というものはそもそも思い込みから始まるのだろうから、それでいいのだ。
淡々とした歌い出しから始まる曲調もいい。
『それが愛なのね』。
「あなた」は最低の男だが、それでも惹かれてしまう、放っておけない、それが愛なのねという歌。そうやって悪い男に騙されていくのだ。
「後ろ髪引く」は『ひこうき雲』『へそが曲がる』『大人列車』など多くの曲で使われたフレーズ。
「私の胸で眠りなさい」は『聖母たちのララバイ』から続く母性の表出。
曲調は重々しくてあまり好きではない。
『Microscope』。
恋をした未知の気持ちを顕微鏡で研究したいという内容。
実は過去の作品にも同趣旨のものがある。
新田恵利『冬のオペラグラス』は色んな意味でアイドル史に残る不朽の名作だが、歌唱のインパクトに隠れて歌詞をじっくり聴くことは少ない。よく聴くと、「恋をした私の心をオペラグラスで覗いてみたい」というような内容で、正に『Microscope』と同テーマだ。
守谷香『お嫁さんになってあげないゾ』は、望遠鏡で天体観測ばかりしている彼に、「角度を変えて私の胸の中を覗いてみて」とリクエストしている。
「Microscope」という掛け声が印象的で、行進曲風の一風変わった曲だが、妙に耳に残る。
『思ったよりも寂しくない』。
好きだった人と別れた後の心情を歌った歌詞だと思われる。淡々と思い出を振り返り、それでも変わらずに生きて行く決意を歌っている。
口笛から始まるミディアムテンポの曲調は、あっさりしていて印象は薄い。途中でラップも入り、散漫な感じもする。でも何回も聴いているうちに耳に馴染んで来るような曲だ。
『櫻坂の詩』
ワルツだ。アイドルではなかなか成功しないワルツだ。でもこの曲には優雅さだけでなく、力強さがある。
タイトルから、改名した櫻坂46のテーマソングになりうるような楽曲なのだと思う。
歌詞は難解だ。桜の木を象徴的に歌っているのはAKBグループからの伝統だが、いろんな解釈ができるような歌詞だ。今は会えなくなった仲間やファンのことを思ったり、久しぶりにライブで会える日々を夢見ていたり、そんなグループの心情も込められているようにも思える。