NHKの朝ドラ『エール』が11月28日の放送を以って終了した。厳密に言えば、26日の木曜日で本編は終了。27日は出演者による古関メロディーのミニコンサート。28日は1週間の振り返りだった。
コロナウイルス流行による撮影中断、放送中断、回数の短縮といった異例の展開だったが、とにもかくにも大団円を迎えた。丁寧に描かれていた前半に対して、後半、特に戦後の描き方が非常に駆け足だったのは残念だったが、やむを得ないことだったのだろう。
祐一は、戦時中は軍歌を多数作曲して戦争に協力し、戦後はそのことで罪の意識に苛まれて悩む。しかし結局「人を勇気づける」ことが自分の役割だと吹っ切れて、国民的作曲家になる。その葛藤は結構詳しく描かれていた。時代に翻弄され、流されてしまうのは、誰にでもあることで、他人が責めるべきことではない。自分で自分を許す寛容さも必要だろう。
菊池桃子は主人公祐一(窪田正孝)の母親役で、途中で病気になりながら結構しぶとく生きていたが、次男の結婚を見届けた後、いつの間にか写真になっていた。
薬師丸ひろ子はもう一人の主人公音(二階堂ふみ)の母親役だったが、終盤では出番がなく、最後は生死不明のままで終わった。
森七菜演じる三女は望んでいた小説家になり、その後は岡崎に帰って婿を取り、実家の馬具店を盛り立てた。店は、戦後はグローブ製造に切り替えた。小説を書き続けたのかどうかは定かではない。森七菜本人は、朝ドラ放映中に民放で主演連ドラが始まったり、コマーシャルの楽曲で歌手デビューしたり、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。可愛すぎなくて、放っておけない感じが気になる存在だ。
松井玲奈は地味な役割だが、多くの見どころがあった。
職業軍人と見合い結婚し、戦時中は模範的な「銃後の妻」の役割を果たそうとする。戦後は、失意の夫を励まし、ラーメン屋として再起させ、戦災孤児を養子に迎える。そして、主人公夫婦の娘(つまり姪)の相談相手になったりもする。才能に恵まれ、自由に生きる妹たちに対して、普通の女性として、悩んだり迷ったりしながらも懸命に生きる姿を好演していた。ドラマを現実に繋ぎとめる役割を果たしていたとも言える。
ところで、27日のミニコンサートで、上記4名のうち歌唱者として出番があったのは薬師丸ひろ子1人だけだった。相変わらず清らかな歌声で『高原列車は行く』を披露した。松井玲奈はトークと、最後の出演者全員による『長崎の鐘』には参加していた。菊池桃子と森七菜は出演もしていなかった。この3人もソロ歌手としてCDも出している歌手には違いないが、ミュージカル等に出演している錚々たる歌手たちの中で、ソロで歌うのは厳しかったか。
朝ドラ『エール』に関する過去記事はこちら。
コロナウイルス流行による撮影中断、放送中断、回数の短縮といった異例の展開だったが、とにもかくにも大団円を迎えた。丁寧に描かれていた前半に対して、後半、特に戦後の描き方が非常に駆け足だったのは残念だったが、やむを得ないことだったのだろう。
祐一は、戦時中は軍歌を多数作曲して戦争に協力し、戦後はそのことで罪の意識に苛まれて悩む。しかし結局「人を勇気づける」ことが自分の役割だと吹っ切れて、国民的作曲家になる。その葛藤は結構詳しく描かれていた。時代に翻弄され、流されてしまうのは、誰にでもあることで、他人が責めるべきことではない。自分で自分を許す寛容さも必要だろう。
菊池桃子は主人公祐一(窪田正孝)の母親役で、途中で病気になりながら結構しぶとく生きていたが、次男の結婚を見届けた後、いつの間にか写真になっていた。
薬師丸ひろ子はもう一人の主人公音(二階堂ふみ)の母親役だったが、終盤では出番がなく、最後は生死不明のままで終わった。
森七菜演じる三女は望んでいた小説家になり、その後は岡崎に帰って婿を取り、実家の馬具店を盛り立てた。店は、戦後はグローブ製造に切り替えた。小説を書き続けたのかどうかは定かではない。森七菜本人は、朝ドラ放映中に民放で主演連ドラが始まったり、コマーシャルの楽曲で歌手デビューしたり、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。可愛すぎなくて、放っておけない感じが気になる存在だ。
松井玲奈は地味な役割だが、多くの見どころがあった。
職業軍人と見合い結婚し、戦時中は模範的な「銃後の妻」の役割を果たそうとする。戦後は、失意の夫を励まし、ラーメン屋として再起させ、戦災孤児を養子に迎える。そして、主人公夫婦の娘(つまり姪)の相談相手になったりもする。才能に恵まれ、自由に生きる妹たちに対して、普通の女性として、悩んだり迷ったりしながらも懸命に生きる姿を好演していた。ドラマを現実に繋ぎとめる役割を果たしていたとも言える。
ところで、27日のミニコンサートで、上記4名のうち歌唱者として出番があったのは薬師丸ひろ子1人だけだった。相変わらず清らかな歌声で『高原列車は行く』を披露した。松井玲奈はトークと、最後の出演者全員による『長崎の鐘』には参加していた。菊池桃子と森七菜は出演もしていなかった。この3人もソロ歌手としてCDも出している歌手には違いないが、ミュージカル等に出演している錚々たる歌手たちの中で、ソロで歌うのは厳しかったか。
朝ドラ『エール』に関する過去記事はこちら。