AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

欅坂46『アンビバレント』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2018-10-28 22:41:04 | ときめき研究家
『アンビバレント』。
日頃はあまり使わない言葉だが「二律背反」を意味するタイトル。
しかしこの歌は、対等な2つの要素が二律背反しているのではなく、基本的には他人の顔色を窺わず自立した孤独を選ぶ少女の歌だと思う。背反する要素として「でも一人では生きられない」と歌ってはいるが、どちらを選ぶかと問われたら、迷うことなく孤独を選ぶのだろう。そういう意味では、これまで欅坂46が歌ってきた『サイレントマジョリティー』『不協和音』『ガラスを割れ』などの主題と共通している。
主題歌ではないが、平手友梨奈主演の映画『響-HIBIKI-』の主人公を思い出してしまう。孤高の天才作家でありながら、動物園で無邪気にはしゃいだり、好きな作家と握手して喜んだりもする。この歌を聴くと、どうしてもその映画のことを連想してしまう。

『302号室』。
2年間一緒に住んでいた彼女が部屋を出て行く日の歌。別れる理由は具体的に歌われていないが、彼の方は未練たっぷりのようだ。1番では「合い鍵は返さなくていい」、2番では「合い鍵はどこかに捨てて」、最後には「合い鍵は要らないように鍵はかけない」と歌う。未練たっぷりなのはわかったが、都会ではあまりに不用心だろう。
そういう別れの歌なのに、アップテンポで弾むような曲調だ。それゆえにかえって寂しい感情が伝わるような気がする。
この歌の状況、曲調から、斉藤由貴の隠れた名曲『お引越し、忘れ物』を思い出す。

『日が昇るまで』。
今泉佑唯のソロ曲。彼女の卒業ソングなのだろう。
彼女の卒業の経緯を知らない。「ゆいちゃんず」でも活躍した人気メンバーだっただけに、惜しい気もするが、彼女なりの理由があるのだろう。この歌の歌詞も意味深だ。「みんな行ってしまった 私だけが取り残された」とは、彼女が卒業するのではなく、皆が先に進むのについて行かないという決断のように思える。一方で「歩き出してもいいですか?」とも歌い、彼女は違う道を歩くのだと暗示している。
歌唱は情感的でねっとりしている。

『音楽室に片想い』。
放課後に、片想いの彼女が弾くピアノを音楽室の外で盗み聴き(?)している歌。正に片想いの幸福感をピュアに描いている。
古典的な状況だが、可愛らしい曲調、歌い方で、楽しくなってくる。

『ハッピーオーラ』『I’m out』『Student Dance』については、書きたいことが見つからない。
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渡辺麻友主演ドラマ『いつかこの雨がやむ日まで』を最終回まで見る。ネタバレあり。(ときめき研究家)

2018-10-14 16:55:11 | ときめき研究家
第3回まで見た時点で記事を書いたが、ついに先日最終回を迎えた。

第3回まではお世辞にも面白いとは言えなかったが、続けて見ているうちに徐々に引き込まれ、最終回ではまずまず満足した。

15年前の殺人事件の真相が不明のまま、主人公であるひかりの周囲で、死者やけが人や失踪者が続出する。そんな中、ひかりと幼馴染の和也はくっついたり離れたり、もどかしい展開が続く。遂に一夜を共にして一緒に生きていく決意をした直後に、和也の婚約者の妊娠が判明し別れることになる。そしてひかりは劇団のミュージカル『ロミオとジュリエット』のジュリエット役に抜擢され、稽古にのめり込んでいく。

最終回で真犯人が明らかになり、それなりの説得力はあったが、犯人判明のきっかけは唐突だし、途中のけが人や失踪者とは関りがなかった。いくつもの伏線が一気に解消される爽快感はなかった。サスペンスとしてはあまりいい出来とは言えなかったと思う。

劇中劇が『ロミオとジュリエット』だったのは一般的に有名な演目にしたのだろう位に思っていたが、実は大きな意味があったのだ。意外な犯人が逮捕されたその後、ついに初日を迎えた『ロミオとジュリエット』のラストシーンで、本当のどんでん返しが演じられる。渡辺麻友の最大の見せ場でもあった。

ネタバレだが書いてしまうと、ロミオの死を悲観したジュリエットは自ら死を選ぶはずだが、ひかりのジュリエットは思いとどまり生きることを選択する。和也の死を乗り越えて、強く生きて行くであろうひかり自身の姿と重なる。もどかしい展開が続いた最後の最後に、スッキリする終わり方だった。
こじつけだが、これからも芸能界の中で力強く生きて行く渡辺麻友その人の未来も暗示しているとも解釈できる。

視聴率的にも振るわなかったようだし、コアなドラマ好きに評判になったということもない。それでも多くの共演者やスタッフに支えられ、渡辺麻友のキャリアの中でも貴重な作品になったと思う。


これまでの渡辺麻友主演作品
ミュージカル『アメリ』の感想はこちら
『サヨナラえなりくん』の感想はこちら
『戦う!書店ガール』の感想はこちら
『さばドル』の感想はこちら




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AKB48『センチメンタルトレイン』を聴く。(ときめき研究家)

2018-10-08 17:09:21 | ときめき研究家
松井珠理奈が選抜総選挙で待望の1位になったのに、その直後から体調不良となり、選抜メンバーによるCDに参加できない事態となった。こんなことは前代未聞だ。CDのレコーディングに参加しているかどうかは、音源を聞いた限り100%の自信はないが、恐らく彼女の声はなかった。少なくともソロパートはない。歌番組でも彼女抜きで披露されていた。せっかくの1位になったのに残念だったろう。さすがに気の毒に思う。

ミュージックビデオも見たが、ここにも珠理奈は参加していない。本来彼女が写っているべき場面は、絵コンテになっていたり、後姿の影武者(代役)が写っていたりする。テロップでは、後日珠理奈のカットを撮影して再編集した完全版を公開したいといったことが書かれていたが、これはこれで1つの作品として完成していると思う。そこには映っていない珠理奈の不在が際立っていて、彼女が出演できないことを逆手に取った印象的な作品になっている。
かつて『ファーストラビット』のミュージックビデオが、出演していない前田敦子の不在を際立たせていたように。

そういった楽曲の背景はさておき、純粋に1つの楽曲として鑑賞する。

初めて聴いた時は、曲調が散漫で、覚えにくい曲だと感じた。何回か聴いても、Aメロ、Bメロ、サビがバラバラで、まとまりのない曲だと感じていた。更に何度も繰り返し聴いているうちに、ようやく耳にも馴染んできた。そして、この感覚は何かに似ていると思った。そう、乃木坂46のシングルのようだ。
そう言えばサビの歌い出し「こんなに(切ない朝が)」の部分は、乃木坂46『サヨナラの意味』のサビ「サヨナラに(強くなれ)」と非常に似ている。サビだけでなく、曲全体の雰囲気も似ている。歌詞の冒頭に電車が出てくるのも偶然の一致だ。
乃木坂46のシングル『ジコチューで行こう!』はAKBっぽいと感じたが、両者の楽曲の差異があまりなくなって来ているのかもしれない。

一方、歌詞はAKBグループ伝統の「電車の中の片思い」を歌ったものだ。
通学電車に、後から乗って来て先に降りていく彼女を、毎朝ただじっと見つめているだけで幸せだという片思い礼賛ソングの真骨頂だ。「何もしない 何もできない」それでも幸せだと歌っている。原点回帰と言おうか、非常にオーソドックスな歌詞だと思う。
過去のAKBグループの歌詞のエッセンスも散りばめられている。彼女の今朝の髪型がポニーテールなのは『ポニーテールとシュシュ』。一日中彼女のことを想っているのは『ヘビーローテーション』。彼女と一瞬目が合ったと妄想するのは『フライングゲット』。気持ちを叫びたいのは『大声ダイアモンド』。

でもそれだけじゃあ芸がなさすぎる気がする。秋元康お得意のダブルミーニングを深読みする。
「卒業までの1日また1日」という歌詞、「走り続ける」という歌詞のラストから、「センチメンタルトレイン」とはAKBグループそのものだという解釈も成り立つと思う。乗り降りする乗客のようにメンバーは入れ替わっていくが、グループとして永続的に青春の感傷を歌い続ける「器」を列車に喩えて歌っているのだ。
実は、「何もできない日々はセンチメンタルトレイン」の部分をずっと「何もできない 君はセンチメンタルトレイン」だと思い込んでいた。実際そう聞こえていた。何もできないのは「君」ではなく、「僕」だ。「(僕は何もしない 何もできない。)君はセンチメンタルトレイン。」だと思っていた。敢えてそう聞こえるような紛らわしい歌詞にしているというのは穿ち過ぎか。

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