中古CDショップで見つけて購入し、久しぶりに聴いた。1981年発売のアルバムで、もちろん当時はレコードしかなかった。レンタルレコードかFMエアチェックでカセットテープに録音して、私は結構気に入って聴いていた。今回入手したCDは2015年に復刻発売されたものだった。
1980年に週刊朝日の表紙に登場、ミノルタのテレビCMで人気沸騰した熊本大学の学生宮崎美子は、民放の昼ドラマの主役に抜擢され芸能界入りした。還暦を過ぎた現在も、ドラマやバラエティー、クイズ番組等で活躍中だ。数年前には久々のビキニ姿を披露して話題になった。
そして、彼女は1981年に歌手としてもデビューしている。シングルデビュー曲『NO RETURN』を含む全10曲のアルバムは、多彩なミュージシャンが楽曲提供をしており、個性的なアルバムだった。
同時期に発売された伊藤つかさのアルバムも、ニューミュージックのミュージシャンたちの作品で構成されていて、同じような作りだった。本業のアイドル歌手が職業作詞家、作曲家の作品でヒットを狙ったシングルやアルバムを発売していたのに対し、ヒットしなくても構わない女優の余技として作られた「遊び心」のある作品だったのだと思う。
作曲者で言えば、松任谷由実が2曲。八神純子、渡辺真知子、坂本龍一、吉田拓郎、南佳孝、鈴木慶一が1曲ずつ書いている。あと2曲は田中弥生(彼女のことはよく知らない)で、計10曲だ。
今回久しぶりに聴いて、声が現在の宮崎の声とほとんど同じなのに、びっくりした。現在でもテレビで彼女をよく見るからなのかもしれない。還暦を超えた現在の彼女が、40年前にタイムトリップして録音したのではないかと錯覚する。それくらい声が変わっていないのだ。言い換えるなら、20歳そこそこの当時から、落ち着いた大人っぽい声だったと言える。既存アイドルのような、若々しく華のある歌声ではない。少し野暮ったい、洗練されない声。素人っぽい歌唱。でもそれが彼女の魅力でもあった。
1曲目の『夕闇をひとり』は、ユーミン独特のアンニュイな曲調が歌手に合っていない気がする。もう1曲のユーミン作品『とまどい』の方は、のびやかに声を出せる曲で、宮崎にも歌いこなせている。歌詞の世界観も似合っている。
シングル曲『NO RETURN』は八神純子作品。シングルらしいキャッチーなメロディーが耳に残る。ファルセットは少し苦しそう。
『オルゴールの恋歌』は、渡辺真知子がデビュー前に作っていた作品らしい。素朴なメロディーだが、丁寧に歌う宮崎の歌唱によく合っている。
坂本龍一の『今は平気よ』は独特のテクノポップ。当時流行していた。
『嫌いですか』は一聴してわかる吉田拓郎ぶし。吉田拓郎は宮崎を気に入っていたのか、彼女の主演ドラマ『元気です』の主題歌も作り、自ら歌っていた。
そもそもアルバムタイトル『MELLOW』がしっくり来ない。宮崎の歌唱のイメージは、メロウと言うよりナチュラル、ワイルドだろう。『ワイルドハネムーン』という曲も収録されているくらいだ。
そういうちぐはぐさも含め、「遊び心」溢れる貴重なアルバムだと言える。
1980年に週刊朝日の表紙に登場、ミノルタのテレビCMで人気沸騰した熊本大学の学生宮崎美子は、民放の昼ドラマの主役に抜擢され芸能界入りした。還暦を過ぎた現在も、ドラマやバラエティー、クイズ番組等で活躍中だ。数年前には久々のビキニ姿を披露して話題になった。
そして、彼女は1981年に歌手としてもデビューしている。シングルデビュー曲『NO RETURN』を含む全10曲のアルバムは、多彩なミュージシャンが楽曲提供をしており、個性的なアルバムだった。
同時期に発売された伊藤つかさのアルバムも、ニューミュージックのミュージシャンたちの作品で構成されていて、同じような作りだった。本業のアイドル歌手が職業作詞家、作曲家の作品でヒットを狙ったシングルやアルバムを発売していたのに対し、ヒットしなくても構わない女優の余技として作られた「遊び心」のある作品だったのだと思う。
作曲者で言えば、松任谷由実が2曲。八神純子、渡辺真知子、坂本龍一、吉田拓郎、南佳孝、鈴木慶一が1曲ずつ書いている。あと2曲は田中弥生(彼女のことはよく知らない)で、計10曲だ。
今回久しぶりに聴いて、声が現在の宮崎の声とほとんど同じなのに、びっくりした。現在でもテレビで彼女をよく見るからなのかもしれない。還暦を超えた現在の彼女が、40年前にタイムトリップして録音したのではないかと錯覚する。それくらい声が変わっていないのだ。言い換えるなら、20歳そこそこの当時から、落ち着いた大人っぽい声だったと言える。既存アイドルのような、若々しく華のある歌声ではない。少し野暮ったい、洗練されない声。素人っぽい歌唱。でもそれが彼女の魅力でもあった。
1曲目の『夕闇をひとり』は、ユーミン独特のアンニュイな曲調が歌手に合っていない気がする。もう1曲のユーミン作品『とまどい』の方は、のびやかに声を出せる曲で、宮崎にも歌いこなせている。歌詞の世界観も似合っている。
シングル曲『NO RETURN』は八神純子作品。シングルらしいキャッチーなメロディーが耳に残る。ファルセットは少し苦しそう。
『オルゴールの恋歌』は、渡辺真知子がデビュー前に作っていた作品らしい。素朴なメロディーだが、丁寧に歌う宮崎の歌唱によく合っている。
坂本龍一の『今は平気よ』は独特のテクノポップ。当時流行していた。
『嫌いですか』は一聴してわかる吉田拓郎ぶし。吉田拓郎は宮崎を気に入っていたのか、彼女の主演ドラマ『元気です』の主題歌も作り、自ら歌っていた。
そもそもアルバムタイトル『MELLOW』がしっくり来ない。宮崎の歌唱のイメージは、メロウと言うよりナチュラル、ワイルドだろう。『ワイルドハネムーン』という曲も収録されているくらいだ。
そういうちぐはぐさも含め、「遊び心」溢れる貴重なアルバムだと言える。