AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

アイドルネサンス『前髪』を聴く。(ときめき研究家)

2021-07-22 22:20:52 | ときめき研究家
ブログ読者の方からお勧めいただいたアイドルネサンスの『前髪』を聴いた。
すぐに気に入った。

これは「青春のじたばた」を歌った曲だ。
「前髪が決まらない」というフレーズは、答えが見つからない青春を象徴している。
「文集に載せた夢」「最後のシュート」「歯の矯正」など、過去の出来事を振り返り、「青いトンネル」と表現している。しかし「青いトンネル」はまだ続いている。彼女たちは未だ青春の真っただ中にいる。
後半、「失った魔法」「消えてしまった光」「聞こえなくなった音」「もう会えなくなった子」と喪失したものを列挙している。青春の真っただ中で、多くのものを喪失し、一方で何かを手に入れたという実感はない。その焦燥が「青春のじたばた」の正体なのだろう。そういうことを鮮やかに描き切った素晴らしい楽曲だ。

一方で「前髪」はアイドルの象徴でもある。朝井リョウの小説『武道館』では、理想のアイドル「葵」は、どんなに激しいダンスをしても前髪が乱れないと描かれていた。実際にはそんなはずはないが、乱れたように見えないということだろう。AKBグループで言えば、若い頃の渡辺麻友がそうだった。

過去のアイドルの楽曲では、松田聖子『赤い靴のバレリーナ』には「前髪1ミリ切りすぎてあなたに会うのが怖い」というような歌詞があった。1ミリくらいで大袈裟だと思ったが、女性にとってはそれくらい重要なのだろう。
AKB48『言い訳Maybe』では、「気づかれないくらい髪を切ったんだね」と歌っている。好きな女性だから、ほんの小さな違いも気づくことができると歌っているのだ。アイドルでなくても、やっぱり前髪は特別なのだ。

アイドルネサンスが何人のグループなのかも知らない。この曲がいつの曲なのかも知らない。先入観は全く無しで聴いて、魅力的だと思った。なかなか無い貴重な体験だ。
ソロパートが多いのがいい。無伴奏のソロでいきなり始まり、その後も何人かが代わる代わるソロで歌い継いでいて、それぞれの個性的な歌声を味わうことができる。穏やかに歌い進められ、途中の間奏で盛り上がり、最後は冒頭と同じメロディーでエンディングを迎える。
構成も凝っていて、力の入った作品だと思う。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最後の1期生が卒業。(とき... | トップ | 乃木坂46『ごめんねFingers c... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (10年弱楽しく拝読しています)
2021-07-24 12:26:07
以前この曲をお勧めさせていただいた者です。
まずは、お忙しい中ブログを書いて下さりありがとうございます。
この曲を歌っていたアイドルはすでに解散しているのですが、少しでも多くの人に魅力を知ってほしくて、厚かましいと思いながらお勧めさせていただきました。
素敵な文章で考察して下さりありがとうございます。
私自身、気付いていなかった魅力を知ることができてとても嬉しかったです。
これからも楽曲の考察を楽しみにしております。
暑い日々が続きますが、くれぐれもお身体にはお気をつけ下さい。
返信する
コメントありがとうございます。 (ときめき研究家)
2021-07-25 13:07:15
アイドルネサンス、既に解散していたのですね。
そう思うと「前髪」は、彼女達のアイドル人生のことを歌っているとも解釈できますね。
名曲だと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ときめき研究家」カテゴリの最新記事