STU48は着実にシングルを出している。喜ばしいことだ。今回も、カップリングも含めて、特徴がありわかりやすい曲が揃っている。
『無謀な夢は醒めることがない』。
シングルタイトル曲らしい曲だ。グループの仲間たちと力を合わせて、他人からは無謀と思われる夢を追い続けて行くという決意を歌っている。例えるなら『転がる石になれ』『RIVER』『最終ベルが鳴る』『初日』『手をついなぎながら』といった、グループのテーマソングになりうるような歌だ。
曲調はドラマティックだ。歌詞も勇ましいフレーズが連続する。なかでも「まだ流れていない涙に怯えるな」というフレーズには心が動いた。無難な人生を志向する風潮だが、若者には冒険が必要だ。
1か所だけ違和感があるのは「楽をするなという説教は聞きたくない」というフレーズだ。彼らは初めから楽などする気はなく、どんな苦労も厭わない覚悟だろう。そんな彼らに説教するとすれば「無茶をするな」ではないか。
『奇跡という名のストーリー』。
シングルタイトル曲と対になるような楽曲だ。どちらがタイトル曲になってもいいくらい、出来もいいし、同じようなメッセージを歌っている。
「ストーリー」「ヒストリー」「デスティニー」「ファイナリー」と韻も踏んでいるし、シンプルな言葉でポジティブな心情を畳みかけている。タイトル曲と比べると、外部環境の困難さにはあまり触れておらず、その分ドラティックさには欠けるかもしれない。しかし、若々しいパワーはこちらの方が直接感じられ、むしろ私はこちらの方が好きだ。
『僕らの春夏秋冬』。
カップリング曲の中で一番気に入った。ノスタルジックな気分でいっぱいになる。
昔付き合っていた恋人と何度も歩いた桜並木で、彼女のことを思い出しているという歌だ。でもそれだけではない。
AKBグループにとって桜は特別な花だ。『桜の花びらたち』『10年桜』『桜の木になろう』など、何度も卒業ソングとして歌われて来たが、一方で、時が流れても変わらない永遠の象徴でもあった。毎年花が咲いて散るように、メンバーが入れ替わっても、ずっと続いて行く存在としてAKBグループを位置付けていたように思う。AKBグループの末子であるSTU48がこの歌を歌うことは、グループの未来を託されているという意味を感じる。
そういう深読みを抜きにしても、穏やかな曲調の中に、静かな勇気がにじみ出てくるような、素敵な楽曲だ。もう昔には戻れないけれど、忘れることのない思い出が今の自分の一部であることは間違いない。
『瀬戸内の妹』。
のんびりした曲調からは、昭和の名曲『瀬戸の花嫁』(小柳ルミ子)を思い出す。その歌は、結婚する姉から弟に向けて「私がいなくなっても父さん母さんを大事にしてね」と呼びかけていた。それを意識しているのかどうか、『瀬戸内の妹』は、兄から結婚する妹へのメッセージソングだ。
しかし、この歌の妹は本当の妹ではない。幼馴染の妹のような存在のようだ。彼に、本当に恋愛感情がなかったのかははっきりしない。『鈴懸なんちゃら』のように、今は妹だけどいつかは恋人になる予感のようなものを感じていたのかもしれない。だとすれば彼女の結婚を純粋に祝福するだけでなく、一抹の寂しさも感じているのだろう。でもその気持ちは絶対に言葉には出さないはずだ。
『一瞬のスリル』。
偶然の出会いのスリルとときめきを歌っている。『BINGO』『隕石の確率』といった曲と同テーマだ。
待っていたロマンスではなく、不意打ちの出会いにこそ運命がある。街角でぶつかったというのは月並みではあるが、本人が運命と思ったのだからそうなのだろう。
曲調はちょっと大げさすぎる気もする。
STU48過去のシングル曲の感想はこちら。
『風を待つ』。
『大好きな人』。
『無謀な夢は醒めることがない』。
シングルタイトル曲らしい曲だ。グループの仲間たちと力を合わせて、他人からは無謀と思われる夢を追い続けて行くという決意を歌っている。例えるなら『転がる石になれ』『RIVER』『最終ベルが鳴る』『初日』『手をついなぎながら』といった、グループのテーマソングになりうるような歌だ。
曲調はドラマティックだ。歌詞も勇ましいフレーズが連続する。なかでも「まだ流れていない涙に怯えるな」というフレーズには心が動いた。無難な人生を志向する風潮だが、若者には冒険が必要だ。
1か所だけ違和感があるのは「楽をするなという説教は聞きたくない」というフレーズだ。彼らは初めから楽などする気はなく、どんな苦労も厭わない覚悟だろう。そんな彼らに説教するとすれば「無茶をするな」ではないか。
『奇跡という名のストーリー』。
シングルタイトル曲と対になるような楽曲だ。どちらがタイトル曲になってもいいくらい、出来もいいし、同じようなメッセージを歌っている。
「ストーリー」「ヒストリー」「デスティニー」「ファイナリー」と韻も踏んでいるし、シンプルな言葉でポジティブな心情を畳みかけている。タイトル曲と比べると、外部環境の困難さにはあまり触れておらず、その分ドラティックさには欠けるかもしれない。しかし、若々しいパワーはこちらの方が直接感じられ、むしろ私はこちらの方が好きだ。
『僕らの春夏秋冬』。
カップリング曲の中で一番気に入った。ノスタルジックな気分でいっぱいになる。
昔付き合っていた恋人と何度も歩いた桜並木で、彼女のことを思い出しているという歌だ。でもそれだけではない。
AKBグループにとって桜は特別な花だ。『桜の花びらたち』『10年桜』『桜の木になろう』など、何度も卒業ソングとして歌われて来たが、一方で、時が流れても変わらない永遠の象徴でもあった。毎年花が咲いて散るように、メンバーが入れ替わっても、ずっと続いて行く存在としてAKBグループを位置付けていたように思う。AKBグループの末子であるSTU48がこの歌を歌うことは、グループの未来を託されているという意味を感じる。
そういう深読みを抜きにしても、穏やかな曲調の中に、静かな勇気がにじみ出てくるような、素敵な楽曲だ。もう昔には戻れないけれど、忘れることのない思い出が今の自分の一部であることは間違いない。
『瀬戸内の妹』。
のんびりした曲調からは、昭和の名曲『瀬戸の花嫁』(小柳ルミ子)を思い出す。その歌は、結婚する姉から弟に向けて「私がいなくなっても父さん母さんを大事にしてね」と呼びかけていた。それを意識しているのかどうか、『瀬戸内の妹』は、兄から結婚する妹へのメッセージソングだ。
しかし、この歌の妹は本当の妹ではない。幼馴染の妹のような存在のようだ。彼に、本当に恋愛感情がなかったのかははっきりしない。『鈴懸なんちゃら』のように、今は妹だけどいつかは恋人になる予感のようなものを感じていたのかもしれない。だとすれば彼女の結婚を純粋に祝福するだけでなく、一抹の寂しさも感じているのだろう。でもその気持ちは絶対に言葉には出さないはずだ。
『一瞬のスリル』。
偶然の出会いのスリルとときめきを歌っている。『BINGO』『隕石の確率』といった曲と同テーマだ。
待っていたロマンスではなく、不意打ちの出会いにこそ運命がある。街角でぶつかったというのは月並みではあるが、本人が運命と思ったのだからそうなのだろう。
曲調はちょっと大げさすぎる気もする。
STU48過去のシングル曲の感想はこちら。
『風を待つ』。
『大好きな人』。