渡辺麻友がAKB48を卒業して半年以上経つ。この間の一番大きな仕事はミュージカル『アメリ』だったが、今回テレビドラマの主演作品が始まった。
「大人のドラマ」枠という深夜枠で、好みが分かれるような作品だ。正直に言うと、私にとっては、これまでのところは見ていて面白いという感じはしない。そのうち面白くなるかもしれないと淡い期待を抱きながら見ている。
ストーリーがとにかく暗い。15年前に実の兄が殺人事件を起こし、主人公のひかり(渡辺)は「殺人犯の妹」として苦難の日々を過ごしているが、ミュージカル女優になりたいという希望だけが支え。母(斉藤由貴)は心を病んでいる。幼馴染の和也(堀井新太)と再会する。そんな中、兄が刑期を終えて出所し、自分は無実だと主張。そして第2の殺人事件が発生する。
話の展開には大いに無理があるし、舞台設定も、街中だったり、そのすぐそばに料亭や劇団の稽古場や、なんだか神秘的な湖の湖畔があったりで、現実感のない設定だ。何よりひかりが勤めているキャバクラに全く色気を感じない。
リアリティを追求したドラマではなく、往年の大映ドラマ風の、デフォルメされた奇想天外な物語を楽しむ類の作品なのだと思う。
それにしても見ていて苦しくなるような辛いエピソードが続く。斉藤由貴の狂気の演技は本当に怖いし、和也の恋人(筧美和子)の異様な嫉妬深さも恐ろしい。15年前の事件に疑念を抱いているベテラン刑事(木村祐一)はちっとも敏腕ではなさそうだが、その執念はどこか異常だ。劇団の主宰(吹越満)は、芸術至上主義で興行的にはさほど関心がなさそうだ。
このドロドロした展開を我慢して見ていると、最後にはハッピーエンドのカタルシスが得られるのだろうか。
渡辺の演技も見ていて辛くなる場面が多い。様々な出来事に翻弄され、その都度悩んだりキレたり悲しんだりする。可愛らしい笑顔の場面はない。彼女の真面目な表情は、怒っているか不機嫌そうに見えるのが難点だ。そんな中、唯一の見せ場は歌唱シーンで、そこはさすがに安定した歌唱を聴かせるが、いつも同じ歌で暗い感じなのが残念。
ドラマの役柄なので仕方がないのだが、彼女の魅力が充分引き出せていないのは間違いない。今後『スチュワーデス物語』で堀ちえみがブレイクしたような化学反応が起きないものか。
これまでの渡辺麻友主演作品
ミュージカル『アメリ』の感想はこちら。
『サヨナラえなりくん』の感想はこちら。
『戦う!書店ガール』の感想はこちら。
『さばドル』の感想はこちら。
「大人のドラマ」枠という深夜枠で、好みが分かれるような作品だ。正直に言うと、私にとっては、これまでのところは見ていて面白いという感じはしない。そのうち面白くなるかもしれないと淡い期待を抱きながら見ている。
ストーリーがとにかく暗い。15年前に実の兄が殺人事件を起こし、主人公のひかり(渡辺)は「殺人犯の妹」として苦難の日々を過ごしているが、ミュージカル女優になりたいという希望だけが支え。母(斉藤由貴)は心を病んでいる。幼馴染の和也(堀井新太)と再会する。そんな中、兄が刑期を終えて出所し、自分は無実だと主張。そして第2の殺人事件が発生する。
話の展開には大いに無理があるし、舞台設定も、街中だったり、そのすぐそばに料亭や劇団の稽古場や、なんだか神秘的な湖の湖畔があったりで、現実感のない設定だ。何よりひかりが勤めているキャバクラに全く色気を感じない。
リアリティを追求したドラマではなく、往年の大映ドラマ風の、デフォルメされた奇想天外な物語を楽しむ類の作品なのだと思う。
それにしても見ていて苦しくなるような辛いエピソードが続く。斉藤由貴の狂気の演技は本当に怖いし、和也の恋人(筧美和子)の異様な嫉妬深さも恐ろしい。15年前の事件に疑念を抱いているベテラン刑事(木村祐一)はちっとも敏腕ではなさそうだが、その執念はどこか異常だ。劇団の主宰(吹越満)は、芸術至上主義で興行的にはさほど関心がなさそうだ。
このドロドロした展開を我慢して見ていると、最後にはハッピーエンドのカタルシスが得られるのだろうか。
渡辺の演技も見ていて辛くなる場面が多い。様々な出来事に翻弄され、その都度悩んだりキレたり悲しんだりする。可愛らしい笑顔の場面はない。彼女の真面目な表情は、怒っているか不機嫌そうに見えるのが難点だ。そんな中、唯一の見せ場は歌唱シーンで、そこはさすがに安定した歌唱を聴かせるが、いつも同じ歌で暗い感じなのが残念。
ドラマの役柄なので仕方がないのだが、彼女の魅力が充分引き出せていないのは間違いない。今後『スチュワーデス物語』で堀ちえみがブレイクしたような化学反応が起きないものか。
これまでの渡辺麻友主演作品
ミュージカル『アメリ』の感想はこちら。
『サヨナラえなりくん』の感想はこちら。
『戦う!書店ガール』の感想はこちら。
『さばドル』の感想はこちら。