『甘噛み姫』。
タイトルから甘ったるいラブソングを予想した。また、歌い出しのソファーのエピソードから、他人にはどうでもいいような痴話げんかと仲直りの歌だなと早合点した。実際には全く異なる、苦い心変わりの歌だった。
付き合いだしてから2年経って、最初は微笑ましかった彼女の「甘噛み」も痛いと感じ、顔をしかめてしまったという内容。これは彼の心変わりに違いない。彼女には何の非もない。ただ彼のほうが醒めてしまったのだ。その心境を取り繕うことなく赤裸々に歌っていて、非常に苦い歌だ。AKBグループの歌に、これほどまでに苦く救いのない歌があっただろうか。
しかし苦くても真実の感情は隠せない。誰のせいでもない。それを隠さずに正直に歌っているから、心に引っかかるものがある。冒険だが新境地を拓いたと言える。
曲調も、のどかな前半から、にわかに緊張を帯びるサビ部分へと激変する。だまし絵のような曲だ。
『フェリー』(チームBⅡ)。
カップリング曲の中で、最も気に入った曲。何回もリピート再生した。
都会へ出ていく恋人または友達を見送る歌は数多いが、この歌は一時帰省の後都会へ帰る元彼女(?)を見送る歌で、珍しい状況だ。見送りながら、いつか帰ってきてここで一緒に暮らそうと(心で)呼びかける。
フェリーが発着するこの海辺の町は、AKBグループの歌によく出てくる町だ。この歌の2人は『ポニーテールとシュシュ』『Everyday、カチューシャ』『ギンガムチェック』に出てきた2人のその後ではないか。彼女が長い髪を束ねるのは、普段はカチューシャかシュシュをしていることを暗示していると思えてくる。
畳みかけるような歌詞の乗せ方、はやる心を表すようなメロディー。新たな名曲の誕生だ。
『恋を急げ』(チームM)。
しばらく恋をしていないので、誰でもいいからとにかく恋をしなくちゃという歌だ。
恋をしないと「劣化」する。ごぶさたで「蜘蛛の巣が張っている」。食欲が「性欲」に勝っている。など、アイドルとしては下品な歌詞が耳につく。
HKT48の『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の歌詞が批判されていたが、「女の子の賞味期限は短い。モテキも過ぎたし、妥協してここらで恋をしないと。私を好きなら誰でもいい。」といった、露骨に打算的なこの曲の歌詞も相当なものだ。
ただ1点「燃えるような恋じゃなくても、思い出せるようなロマンスならいい」という条件はつけている。「思い出せるようなロマンス」とは、「朝起きたら隣に男が寝ていて、昨晩のことは思い出せない」という状況以外だったらOKということか。
『儚い物語』(チームN)。
一度すれ違っただけの少女を忘れられず、恋い焦がれる男の歌だ。一目ぼれとはそういうものだろうが、余りにも思い入れが強すぎて引いてしまう。彼女がその近所に住んでいるかどうかも確かではないのに、その場所でいつも待ち伏せしたり、洗濯物を眺めたりしている。下着泥棒などしなければいいのだが。
重厚で壮大な曲調とはうらはらの、いじいじした男の歌で、そのコントラストが狙いなのだろう。
『虹の作り方』。
若手メンバー5人による元気な歌だ。
AKBグループの歌で、虹を作ると言えば、名曲『君と虹と太陽と』が思いつく。他にも、プール掃除をする『水のないプール』とか、『君のことが好きだから』のミュージックビデオにもそんな場面があった気がする。
友達も公認の、臆面もなく校庭ではしゃぐカップルの姿は微笑ましい。歌っている5人の歌声も若々しいし、声の違いもはっきりしている。残念だが、どの声がどのメンバーかわからないのは私の勉強不足。
『道頓堀よ、泣かせてくれ』。
大阪ご当地ブルース。『悲しい色やね』や『大阪で生まれた女』のような歌と思って作られたのだろう。山本彩の声が、これがまた非常に良く似合っている。
戎橋やグリコサインといった固有名詞も登場し、大阪らしい楽曲だ。それ以上の感想はない。
『365日の紙飛行機』(山本彩)。
アレンジも変えて、ソロ曲として収録し直している。
山本彩の歌唱は、元バージョンの歌い出しと同じ調子で最後まで歌い切ったもので、新たな驚きはない。もちろん表現力があり、安定した歌唱だ。元バージョンがそうだったように、若手J-POPシンガーが歌っているようだ。それは、紙飛行機に思いを託す薄幸の少女ではなく、その少女に語りかける第三者の視点からの歌だ。
オーケストラをバックに、少女の視点で健気に歌っていた渡辺麻友のソロ歌唱とはまた違った味わいだ。
タイトルから甘ったるいラブソングを予想した。また、歌い出しのソファーのエピソードから、他人にはどうでもいいような痴話げんかと仲直りの歌だなと早合点した。実際には全く異なる、苦い心変わりの歌だった。
付き合いだしてから2年経って、最初は微笑ましかった彼女の「甘噛み」も痛いと感じ、顔をしかめてしまったという内容。これは彼の心変わりに違いない。彼女には何の非もない。ただ彼のほうが醒めてしまったのだ。その心境を取り繕うことなく赤裸々に歌っていて、非常に苦い歌だ。AKBグループの歌に、これほどまでに苦く救いのない歌があっただろうか。
しかし苦くても真実の感情は隠せない。誰のせいでもない。それを隠さずに正直に歌っているから、心に引っかかるものがある。冒険だが新境地を拓いたと言える。
曲調も、のどかな前半から、にわかに緊張を帯びるサビ部分へと激変する。だまし絵のような曲だ。
『フェリー』(チームBⅡ)。
カップリング曲の中で、最も気に入った曲。何回もリピート再生した。
都会へ出ていく恋人または友達を見送る歌は数多いが、この歌は一時帰省の後都会へ帰る元彼女(?)を見送る歌で、珍しい状況だ。見送りながら、いつか帰ってきてここで一緒に暮らそうと(心で)呼びかける。
フェリーが発着するこの海辺の町は、AKBグループの歌によく出てくる町だ。この歌の2人は『ポニーテールとシュシュ』『Everyday、カチューシャ』『ギンガムチェック』に出てきた2人のその後ではないか。彼女が長い髪を束ねるのは、普段はカチューシャかシュシュをしていることを暗示していると思えてくる。
畳みかけるような歌詞の乗せ方、はやる心を表すようなメロディー。新たな名曲の誕生だ。
『恋を急げ』(チームM)。
しばらく恋をしていないので、誰でもいいからとにかく恋をしなくちゃという歌だ。
恋をしないと「劣化」する。ごぶさたで「蜘蛛の巣が張っている」。食欲が「性欲」に勝っている。など、アイドルとしては下品な歌詞が耳につく。
HKT48の『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の歌詞が批判されていたが、「女の子の賞味期限は短い。モテキも過ぎたし、妥協してここらで恋をしないと。私を好きなら誰でもいい。」といった、露骨に打算的なこの曲の歌詞も相当なものだ。
ただ1点「燃えるような恋じゃなくても、思い出せるようなロマンスならいい」という条件はつけている。「思い出せるようなロマンス」とは、「朝起きたら隣に男が寝ていて、昨晩のことは思い出せない」という状況以外だったらOKということか。
『儚い物語』(チームN)。
一度すれ違っただけの少女を忘れられず、恋い焦がれる男の歌だ。一目ぼれとはそういうものだろうが、余りにも思い入れが強すぎて引いてしまう。彼女がその近所に住んでいるかどうかも確かではないのに、その場所でいつも待ち伏せしたり、洗濯物を眺めたりしている。下着泥棒などしなければいいのだが。
重厚で壮大な曲調とはうらはらの、いじいじした男の歌で、そのコントラストが狙いなのだろう。
『虹の作り方』。
若手メンバー5人による元気な歌だ。
AKBグループの歌で、虹を作ると言えば、名曲『君と虹と太陽と』が思いつく。他にも、プール掃除をする『水のないプール』とか、『君のことが好きだから』のミュージックビデオにもそんな場面があった気がする。
友達も公認の、臆面もなく校庭ではしゃぐカップルの姿は微笑ましい。歌っている5人の歌声も若々しいし、声の違いもはっきりしている。残念だが、どの声がどのメンバーかわからないのは私の勉強不足。
『道頓堀よ、泣かせてくれ』。
大阪ご当地ブルース。『悲しい色やね』や『大阪で生まれた女』のような歌と思って作られたのだろう。山本彩の声が、これがまた非常に良く似合っている。
戎橋やグリコサインといった固有名詞も登場し、大阪らしい楽曲だ。それ以上の感想はない。
『365日の紙飛行機』(山本彩)。
アレンジも変えて、ソロ曲として収録し直している。
山本彩の歌唱は、元バージョンの歌い出しと同じ調子で最後まで歌い切ったもので、新たな驚きはない。もちろん表現力があり、安定した歌唱だ。元バージョンがそうだったように、若手J-POPシンガーが歌っているようだ。それは、紙飛行機に思いを託す薄幸の少女ではなく、その少女に語りかける第三者の視点からの歌だ。
オーケストラをバックに、少女の視点で健気に歌っていた渡辺麻友のソロ歌唱とはまた違った味わいだ。