空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

鳩「対話のチャンス」

2018-02-11 11:24:05 | Weblog
産経新聞 米本土到達で対話の「チャンス」 ICBMで鳩山由紀夫元首相 2018.2.8 10:58

鳩山氏は「北朝鮮が米国に到達する(ICBM)技術を開発したとすれば、彼ら(北朝鮮)にとっては交渉の機会を作ったことになる」と指摘し、「こういうチャンスに日本や韓国、中国などが協力し、会談を開けるような環境整備、条件設定に努力していくことが望ましい」と述べた

 機縁、機会の意味でとれば、まあ中立的な表現になろう。とはいえ、『想定する敵が脅威に感じるかもしれない大型兵器を完成すれば外交交渉で有利になる』という国際的前例をつくるのは、そうよいこととは思えない。

 それは冷戦期の思考方法ではなかったか。現実に機能していた思考法だし、実際のところ、現に機能する思考法でもあるだろう。
 でも、それを認めると、相対的小国が相対的大国に対して優位に立とうと、国民生活を犠牲にして兵器開発に邁進するというのが、非常に合理的な作戦としてたち現れる。

 しかもこの場合、民意を無視する必要があるので、独裁国に有利なルールになる。
 そして民主国家の場合、国民でもある兵の命が惜しいので、滅多なことでは戦争できない。
 となると、小さな独裁国の独裁者にとってすっごい有利なルールになる…その独裁国の国民の命と生活を犠牲にし、その独裁国に敵認定された比較的大きな民主国の国民の生命財産を人質にしていいということになるので。つまり現状の北朝鮮と韓国・日本・アメリカということになるが。

 この場合、だれも幸せにならない。なにしろ、たった一人の勝利者になるはずの独裁国家の独裁者も、少なくとも対外的にどこがレッドラインか必ずしも判明でなく、胃の痛む思いをせざるをえないから。国内的にも微妙だしなあ。



 思うに、北朝鮮は核開発をもっとゆっくりすればよかったし、さらに言ってしまえばそこそこのところで諦めて対米協調すればよかったんじゃないかなあと。

 なにしろ、アメリカ嫌いのひとたちは米帝の悪辣さを云々するが、格調高く伝統あることばで言えば「米帝の傀儡」である我が国は、すくなくとも一時はその宗主国様の全国土を買収するに値するほどの財産を築きあげたことがあるほどだ。米帝の支配は、時と場合によってはえらく寛大だよなーといわざるをえまい。

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2 コメント

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対話のチャンス (hilowmix)
2018-02-11 18:53:47
第四次中東戦争におけるサダト大統領なんかは軍事オプションで対話のチャンスを作った成功例だろうけど、それに倣った事例は寡聞にして知らず。
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Unknown ()
2018-02-11 20:17:39
あれは成功例ですよね>サダト大統領
しかし他の成功例は…あるとしても、なかなかおもいつかない。
返信する

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