空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

マリ事情:イスラミストがなんか南下の試みしてるっぽい

2013-01-08 17:55:52 | Newsメモ
 マリ軍(南部,政府勢力)とIslamist勢力(概ね北部を制圧)とが,言及に値する規模の衝突をした由:

BBC Mali army 'fire on Islamists' in response to incursion 7 January 2013 Last updated at 22:26 GMT

 これは去年4月,Islamist及びTuareg勢力が北部を制圧して以来,最初のこと。どうもIslamist勢力が南部に進攻しようとしたものという。この報道の時点では,双方の損害の程度は不明。マリ軍側はIslamist勢力かのGnimignama村(軍側から30kmほどの位置)に砲撃を行ったという。

「Jihadist分子」は,すでに西はモーリタニア国境付近から東のDouentza地域(東のモプティ州[日本語版Wpedia]の一領域)に至るまで前線を形成し,数か所に展開しているという。

 マリ政府筋によれば,1月10日には隣国ブルキナファソで交渉を行う予定。
 とはいえ,これもEcowasが3,300人で介入するぞと言ったのを,国連が認めてからなされることになったわけではある。介入は2013年9月に予定されている。

 さて,

Political Analysis South Africa The likelihood of a peaceful solution in Mali 7 January 2013

 によれば,Ansar Dineは和平交渉から脱退するそうな。
 上掲記事下方には,具体的な数字が並んでいるので参照すると面白い。この不安定な状況は,マリの経済に多大な影響を及ぼす(まあそりゃあそうだ)―1.5%縮小させるだろうし,国際線エア・マリは運航を停止したし,主たる収入源の一つ観光は壊滅的になったわけだし,バマコでは20%の工場が閉じちゃった。なお地方的にせよ失業率は17.3%。

 …いくらなんでも,かなーり「詰み」的状況。

 で,もしこの不安定状況が続けば,勿論マリの経済も政治ももっとイっちゃうよね!というわけだ。諸国連合軍の介入は2013年9月までない,とくれば,まあこの期間に諸勢力は目的を達してしまうかもしれない(暫定大統領Dioncounda Traoreは”そんな長く待てません!”と悲痛なコメント)。

 さらには,勿論,これはマリにとどまる課題ではないわけで。NigerもNigeriaも,Islamistの圧迫を受けつつあるじゃあないか,というわけだ。

 さらには,こうした介入軍の行動は厳しく規制されているが,Islamistは自由自在であって―素早い行動が必要だろうが,ああ困ったな,という感じだったり。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Selekaはひと押し | トップ | ケニア怒りの象密猟者追跡 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Newsメモ」カテゴリの最新記事