空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

米国の/米軍の/日本の世界戦略?

2008-02-05 00:12:25 | Weblog
 まーなんです,橋下徹氏が岩国の米軍艦載機を巡る住民投票に一言し,それに対する反発や憲法学者の意見やがどうこうという話を見てちょっと思ったり検索したり,したメモ。発想日記。

 日本に米軍の基地があることに疑問を持つべきだ,あれは日本を護るためだけでなく,まぁなんです,米軍の世界戦略の一環としての意味もあるんだというご意見を見てああ典型的な反米議論てこんなのだなぁと思った次第。

 …ありゃあ民主国家の軍隊であって,米国の世界戦略の下,行動するものじゃないかと思うのだが。米軍固有の世界戦略ってあるものか。ああいやあるんですかねイラク戦に際して,文民側が提示した派遣軍規模に「それじゃ足りませんって」と異論を唱えるくらいには。いやそれ技術的問題だし。

 ところで米軍の世界戦略(約 10,200 件)のほうが米国の世界戦略(約 4,930 件)より件数が多いのはなんでだろ。なんだか「米軍」という(謎の)行為主体が論じられているらしいなぁ,という感じ。いやさすがに「アメリカの世界戦略」のほうが多いですが(約 17,600 件)。日本の世界戦略に至っては約 989 件ですって(Google検索,2月4日の結果)。

 聞いた話では日米安保条約は不平等条約なのだそうで,日本がどこかから侵略された場合,米国には日本防衛の義務があるが,米国がどこかから侵略された場合,日本に米国防衛の義務はないんだとか。

 そんなわけで,条約からして,日本に米軍が駐留するにあたって第一の大義名分は日本(同盟国)防衛。しかし何処に対して防衛するのか?とかそーいう,大義名分の裏面のところからしてもう世界戦略が始まってるはずで,今更『米軍の世界戦略の一部分ー!』と言われてもなぁ。というか,日本を護ること自体,米国の戦略の一環じゃないですか?

 んで日米同盟を組んだところで,日本の世界戦略が始まるわけで。米国の武力を,まぁ利己的にいって利用して,自国の体制の安泰を図るわけだ。

 お互い協同して情勢に当たろうってわけで。
 どっちかが一方的に搾取するという関係じゃない(はず)。
 ある意味,裏表をなすものだ(少なくとも極東方面については)。

 それなのになんで「日本の世界戦略」と「アメリカの世界戦略」は2桁違うのかしら,かしら? そいえば,なんだか司馬遼太郎のエッセイ見たら,日本は世界戦略をもちうる国じゃなかったとかなんとかかいてあって,はにゃー?と思った記憶もあるなー。いやつまり,そこではつまり,世界戦略とは世界征服戦略とゆー意味らしかったおぼろげな記憶。

 …世界戦略もたずに貿易国家ができるのかとか,真剣に疑問だが。

 あーまあ冒頭の議論についてはどっちもどっちと思います。
 世界の大戦略のなかの部隊移転となると大事で,そりゃまあ,民主国家として地元の意見は聞かれるべきだと思います。住民投票が必要だと思えばやればよろしい。参考意見として非常に有用だと思います。

 でもそれに,国家的レベルでの拘束力まではあるまいなと。
 さあ市長選の結果はどう出ますか。どっちが勝っても民主主義の勝利には違いあるまい,とふと思ってしまえる私は,きっと日本の民主主義のそれなりの成熟を信じているんでしょう。

 …いやほら,世界には投票率99%(賛成票のみ)とか,投票率150%とかあるにはありますし。
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