空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

三大学新設不許可(田中文科相による)

2012-11-02 20:10:17 | Weblog
47NEWS 文科相、3大学の新設認めず 審議会答申覆す 2012/11/02 12:35 【共同通信】

田中真紀子文部科学相は2日、2013年度に大学の新設を予定していた秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の新設を不認可とした。公私立大の設置認可を文科相に答申する大学設置・学校法人審議会は「新設を認める」としていたが、田中文科相の判断で覆した。答申通りに認可されないのは極めて異例

 さあこれで何人の若手が就職の目を潰されたかしらー(血涙)

スポニチ 不認可の岡崎女子大関係者納得できず「文科相の思いつきに振り回されたくない」 2012年11月2日 12:23

田中真紀子文部科学相が認可しないとした岡崎女子大学(愛知県岡崎市)を新設予定の学校法人清光学園は2日「納得できない」とのコメントを出した
清光学園は「審議会の認可は得ていたが、大臣の判断で不認可だと伝えられた。詳しい理由を教えてもらえず納得できない」として、今後、抗議を含め対応を検討するとした

 思いつきに振り回されたくない,の言葉はスポニチ曰く「担当者」なので誰かは分からないが,学長の思いと同じと思ってもいいくらいだろう。というか倒れもせず文科省を相手に仕事した(または倒れた人の代わりをした,もあり得るが)成果が,一言の説明もなく却下というのは,流石に人間的に容易には受け入れられまい。

 なお,紀要が「学術教育総合研究所」から読めるようになっている。


朝日新聞 田中文科相、3大学設置認めず 審議会答申覆す 2012年11月2日19時48分

田中真紀子文部科学相は2日、来年度の新設を申請していた3大学について、不認可と決めた。いずれも前日には文科省の大学設置・学校法人審議会が認可を答申していた。答申が覆された例は、少なくとも過去30年間はないという。田中文科相は、同審議会のあり方を抜本的に見直す方針を示した

 これは大変田中文科相に批判的な記事のようで,さしあたり上掲引用文にも「いずれも前日には…認可を答申していた」とあり,寝耳に水の事態だと強調がある。

いずれも来春の開学を予定していた。文科省は、大学側に問題はなかったとした上で、「大臣の政策的な判断」としている。新設するには再申請しなければならず、開学は早くても2014年度になる

 ここも「来春の開学を予定」したのに却下され,再申請を要し,最も早期に回復されても2014年度であるとタイムラインの指摘がならび,「文科省は,大学に問題はなかったとし」として大臣の個人プレーであることを言う。

 田中文科相の意見として「「多様な視点が必要。大学同士だと遠慮があるかもしれない」」と取り上げており,それなりに尤もらしいとはいえ,”遠慮があるかもしれない”と(個人的な)印象のお話であると読めそうにしてある。

 さらに「、「事前規制ということではない。イノベーション、改革だ」と説明した」―そのイノベーション,改革について青写真の一枚くらいは欲しいのですが。大学のなかの人では”多様な視点”が出ないでしょ,というのだから,ねえ。






MSN産経 「量より質だ」 田中文科相、大学設置認可を厳格化、審議会を改革 2012.11.2 11:46

田中真紀子文部科学相は2日の記者会見で「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と述べ、認可の手続きを厳格化する方針を示した

「大学(関係者)が委員の大半で、大学同士でお互いに検討している」と批判。「全国に大学の数が約800あるが、質が低下している。量より質が重要だ」と強調した

 取りあえず学術的水準についてはまずは学術経験者に聞くべきではあるまいかとか。この際,「量より質」とあるが,その意味合いも注意が必要。

 というのは,学術的な水準という点については,本記事末に置いたシンガポール留学支援センターの記事に言及される諸大学に一日の長があるであろう―というのは,まあ,取りあえず一応の合意が得られるかと思う。

 じゃあ,他の大学は学術的水準が低いからダメだというのかといえば,いやそれはそれぞれ別個の存在意義があるんであってな

 たぶん,国家中枢の官僚養成機能については東大や京都大が担うのであろう。大阪大や東北大ではあまりそれは期待されていないだろう,何人かは行くだろうけれど,先輩たちの就職先リストを眺めてみるに,我々は地方の中核たる位置を期待されているのではないかね,と大阪大の学生に聞いてみたことがある。

 で,地方国立大のうち,「宮城教育大」といえば,地域に教員を供給する役目があり―例えば福島大には行政学部が存在するではないか,それは県庁・市役所の基幹となる人材を供給することをその任務にしているのではないだろうか。

 話題になったことがある,補習講義で三単現のsどころか,アルファベットから教える「講義」のある大学。そこは単に大学の名に値しない―というわけではなく(いやまあ,いろいろ意見はあろうが),ああいうところは自分でも言う如く,小中高と教育からはじき出された,しかし一応学費を払う意思と余裕だけはなんとか確保できた若者を再教育し,ともかく社会にそこそこの能力をつけて送り出すことを任務にしているのだろう―

 ―こういう機能を担うところの卒業生と,トップ官僚・大会社中枢社員コースや学者コースやらの卒業生が同じ「学士」でいいのかというのは一考の余地があるかもしらん。だが,教授内容の学術水準が低かろうが高かろうが,ある目標を,或いは明示し或いは暗示し,各大学は頑張っているわけである(特に経営に危機感を覚えてるよーなところは特にそうだろう)。

 そゆところ,きっちり評価していただけてますでしょうか。


 なお競争はそれなりに行われております。
 基礎的予算配分は年々段階的に減らされており,足りない分は勝手に自分で稼げということになっており,ということで我々は自前予算確保のために書類書きまくりです(※なんらかの研究が続いていて予算が取れそうなヒトにかぎられるが)。

 ということで,そーいう人材を確保できないところはじり貧です。
 同僚の一人が就職したところはかなりヤバいらしいが(就職したのに「おめでとう」でなくて「お前大丈夫か」と心配されたという),せっかく研究論文書くわ科研費取るわの若手を半期10駒負担させたりとか。協同プロジェクトで業績上げよう!って話はしたんだけど,この半年というもの全然話がすすまないどころか,最近は連絡も取れない。



シンガポール留学支援センター シンガポールのワーホリ制度が大きく変更されます 2012/11/1 木曜日

新基準は、2012年12月1日以降の申請から適用されます
 三つの大学ランキングで200位以内の「東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学・東北大学・東京工業大学・九州大学・筑波大学・早稲田大学・慶応大学」に限るという。

 なお「早稲田大学・慶応大学は、指標となる3ランキングのうち、「Quacquarelli Symonds World University Rankings(2012年度)」のみでランクイン、早稲田大学が198位、慶応大学が200位と基準の200位以内ぎりぎりでのランクインです。もし次年度で201位以下になった場合、他の2ランキングで200位以内にランクインしない限り、対象大学から外れてしまうことになります」。

 厳格化についての説明は:「一連の外国人に対する就労パス厳格化の一環であるのは間違いありません。就労パス(EP・Sパス)の厳格化に始まり、就職活動ビザの廃止、トレーニングビザの期間短縮に続いての措置です」。

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