空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

イラク,ハリスでの集団墓地発見―decomposed bodiesってどの程度?

2008-03-09 19:41:19 | Weblog
 表題のニュースは既に日本語にありまして!
 特に言うべきことは実はあったり。問題はdecomposed bodiesの翻訳にあり,AFPニュース「イラクで腐乱死体100体見つかる、旧フセイン政権時代に殺害か」の表題は些か問題があろうというところ。

 原文はBBCにあるような,decomposed bodiesほどなんでしょう,これを普通に訳すと腐乱死体とならざるを得ませんが,恐らくこのdecomposeなる語は時間の幅を非常に広く取りうるのでしょう。decompose(ほぼ)し終えたこともdecomposedで表現できるのでしょう。だから「分解する」でもいくのだろうし,decompositionは分解/腐敗(過程,状態)を意味するのでしょう。

 日本語ニュース本文を読めば死体は白骨化していたとあるので,ほんとは「本文読め」で済む話ですが,元気なブロガーさんが「何年も放置されてて腐乱ですむか! 米軍が殺したんだろう! 米軍の広報の言う事など信じられるか!」なんて具合にエキサイトしてたり。

 ところでBBC Middle East Bodies found in Iraq mass grave 8 March 2008―によれば,Iraqi and American officials が,誰がやったかは判らない,もしかしたら2003年の米進攻ちょっとあとくらいのも含まれるかもと言うそうなんですがはぁアメさんの言う事は信用なりませんか全部フセインのせいですかそうですか。

 フセインのせいだというのは,BBCによれば,人権団体が一般的にそうだといっているというのであって,本件がフセインの責任かどうかはまた別だ。この点,AFP日本語版の書き方はやはり不親切である感じ。

 ともかく。
 ほとんど骨しか残っていない状態で,身元確認などはできそうもない様子。

 とすると,恐らく,相当入念な殺害であって,特定の目的―囚人や敵対勢力の捕虜殺害―が背後にあるかなと思ってみたり。いえほら,クルド人処分のときには,女子供も子供の玩具も纏めて穴に落としてそのまま土盛,だったですもの。

 なら,入念に被処分者の身元を隠す意図が,多少なりとあったのかもなと。

 続報があるかどうかは,難しそうです。あまり妄想を逞しくするのは避けましょうか。
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