Bolsonaroに対する潮目の変化か

　ブラジルの大統領、ボルソナロ。小トランプという感じで取り扱われる感がある。
　コロナ対策では、まあはっきりと失政状態と言っていいと思うが、それでも「ただの風邪」派として一貫性ある態度を取り、その限りにおいては清廉であればまあまあ支持も確保できるだろう所、この度、ハンドリングに失敗したようで。

BBC Covid: Thousands protest in Brazil against Bolsonaro over pandemic handling 4 Jul 2021

　ちょっと規模の大きなデモが発生したみたい。デモで集まれば、さらに感染が広がるだろ！　という見解はありえるが、どっちみち広がりまくった後だから誤差だそんなもん、という気もせんでもない。

「Tens of thousands of people have taken to the streets across Brazil to protest against the government of President Jair Bolsonaro and its handling of the Covid pandemic.

The protests were triggered by recent allegations of corruption involving the purchase of vaccines by the health ministry.

Last month, the number of Covid-19 deaths in Brazil passed 500,000.」

　なにしろ、確認死者は50万人を超えてますからね。かなりガチめの内戦をやったくらいは死んでいる。そんななか、「ただの風邪」派にしてみれば「あるなら、ないよりはマシかもしれんがね」くらいの扱いだろうと思しいワクチン購入に際して、わいろの授受があったとか―内部告発者が告発したものの、告発を無視されたとか何とか。

「Late on Friday, a Supreme Court judge approved a request by the prosecutor general to open an investigation into Mr Bolsonaro's role in the scandal.

Mr Bolsonaro has been accused by a whistleblower in the ministry of failing to take action when warned three months ago that senior officials had agreed to take bribes to purchase overpriced doses of an Indian-made vaccine, Covaxin.」

　ちょっと大統領のお役割について調査しましょうか？と裁判所が捜査許可。まあ、そりゃ、中間層だって怒るわな。ワクチンの害は、もしかしたらあるかもしれず、許可が遅くなったりするのはそりゃまあ、あり得るにはあり得る。

　が、そこで積極的に許可を遅らすのはただの無能かもしれんが、わいろをやり取りするのははっきりと涜職行為だ。それはワクチンに賛成かどうかの思想の自由には関わらない、ただの犯罪として処理される。

「He denies wrongdoing, saying the opposition is fabricating accusations to open impeachment proceedings against him.」

　―という疑惑は、反対派が偽造したものなのだよ！というボルソナロの主張は、さて中核的支持層の納得は得るのかもしれないが、緩い支持層の支持や中間派の中立を勝ち取ることができるものかどうか。
　―「ワクチンの可否はともかく、汚職は程度に応じて罰しろ」という方向で固まれば。固まらずとも、わだかまり続ければ。政権の安定に対して、良い効果を持つとはとてもいえない。