安全教育って大事よね、というお話。
スポニチアネックス 神田うの コロナ抗体検査で陰性「これで来週、憲ちゃんと安心して会えます」 2020年5月16日 18:39
「タレントの神田うの(45)が16日、自身のインスタグラムを更新。新型コロナウイルスの抗体検査を受け、「今もかかっていないし、過去にもかかっていなかった事が証明されました」と明かした」
つまり検査時点までは保証されたわけである。
「「抗体がないから今後自分がかかってしまう恐れはあるものの、これで来週 憲ちゃんと安心して会えます」と“親友”である美川憲一(74)との接触も安心だとつづった」
検査時点から美川氏に会うまでの保証はないわけだが。尤も、それまでと同様の生活をしていれば、まあ同様に感染しないだろうという見込みはおおむね正しいはずだ。
「ファンからの「どこで検査出来たんですか?」という質問には「主人がどなたかに頂いて持ち帰ってくれました もちろん主人も同じ結果でした」と報告」
ただし、ご主人が検体を運ぶ際にリスクは高まる。尤も現時点では感染自体、えらく下火のようで、そのリスク自体もたかが知れているというのはおそらく事実だろうが。
端的にはまさしく「安心のため」のものであって、安全のためではない。安全の増進に、全く寄与しないわけではない(濃密接触を避けるという方針の確かさを確認できた)。が、寄与度は少ない(検査の結果の判断が「そんな私だから人に会っても大丈夫だよね!」って、だから会うなと。動くなと言っているんだ!)。
NHK 「安心のため」のPCR検査 希望者相次ぐ 新型コロナ 2020年4月22日 13時56分
「職場の上司に指示されて、新型コロナウイルスにかかっていない証明書がほしいと、PCR検査を希望する人が相次いでいるとして、医療関係者は「本当に必要な人のため、不要な受診は控えてほしい」と訴えています」
「河内医師は「部下を心配してではなく、仕事に復帰しても大丈夫という安心のために診断書がほしいというケースが多い。検体採取の際、感染のリスクが高いPCR検査を非常に軽く考えていて、説得に時間がかかるため、結局は他の患者さんの診療時間や医療資源を奪うことになってしまう。社会全体で、検査の本来の意味を理解してもらう必要がある」と話しています」
「検査結果の証明について厚生労働省は、ホームページに掲載している新型コロナウイルスに関する企業向けのQ&Aの中で、PCR検査は医師や自治体が必要と判断した場合に実施しているとしたうえで、検査が必要と判断されていない労働者について、事業者などからの依頼により証明がされることはないと明記しています」
要目は上掲二引用文なのであって、「本当に必要な人のため」云々という文章は「だって俺は必要だと思うんだもん!」というあほの子を助長しているんじゃないかなーとかちょっと思う。
「産業医で日本産業衛生学会の宮本俊明理事は「PCR検査は本当に必要としている人のために行うべきで、必要ない人が本来のル-ルを無視して、やれというのは許されない行為だと理解してもらいたい」と話しています」
どうも「検査時点での感染の有無を確認するためのもの」という大前提さえすぽっと抜け落ちているらしい事例も見られ、これ安全と安心とリスクとベネフィットについての教育をちゃんとしとけという気持ちになる。
TBS 東京女子医大で全生徒を対象にPCR検査 May 2020 17日 15時29分
「東京女子医科大学が「6月からの登校に向けた準備」として、全学生およそ1000人を対象に新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査を16日から行っています。
学生からは、症状の有無にかかわらず「陰性の証明」のために検査を実施することや、費用が自己負担になる可能性があることなどに不満の声が上がっています」
やっている感を出すためのものだと理解はする。クレーマー対策だということは理解する。が、こうまで堂々と検査時点以後の感染の有無にかかわらない行為を、しかも半月ほども間のある時期にするのはかなり疑問。つまり16日時点で感染がなくとも、17日に感染して、31日に発病、6月1日に登校して昼頃に発病を自覚…なんてのがあっても「我々はできるだけのことはしました」とマスコミ相手にしゃべるためのアリバイだな、これ。なら費用は大学が持ち、検査に協力した学生(※システム設計上、全員だな)にバイト代も出すべきだな、という思いになるのはそりゃあやむを得ないところだろう。
関連:「検査数が4倍増なら―効果的?(2020-05-07)」
関連:「承前(2020-05-08)」
以上、講義用メモ。
スポニチアネックス 神田うの コロナ抗体検査で陰性「これで来週、憲ちゃんと安心して会えます」 2020年5月16日 18:39
「タレントの神田うの(45)が16日、自身のインスタグラムを更新。新型コロナウイルスの抗体検査を受け、「今もかかっていないし、過去にもかかっていなかった事が証明されました」と明かした」
つまり検査時点までは保証されたわけである。
「「抗体がないから今後自分がかかってしまう恐れはあるものの、これで来週 憲ちゃんと安心して会えます」と“親友”である美川憲一(74)との接触も安心だとつづった」
検査時点から美川氏に会うまでの保証はないわけだが。尤も、それまでと同様の生活をしていれば、まあ同様に感染しないだろうという見込みはおおむね正しいはずだ。
「ファンからの「どこで検査出来たんですか?」という質問には「主人がどなたかに頂いて持ち帰ってくれました もちろん主人も同じ結果でした」と報告」
ただし、ご主人が検体を運ぶ際にリスクは高まる。尤も現時点では感染自体、えらく下火のようで、そのリスク自体もたかが知れているというのはおそらく事実だろうが。
端的にはまさしく「安心のため」のものであって、安全のためではない。安全の増進に、全く寄与しないわけではない(濃密接触を避けるという方針の確かさを確認できた)。が、寄与度は少ない(検査の結果の判断が「そんな私だから人に会っても大丈夫だよね!」って、だから会うなと。動くなと言っているんだ!)。
NHK 「安心のため」のPCR検査 希望者相次ぐ 新型コロナ 2020年4月22日 13時56分
「職場の上司に指示されて、新型コロナウイルスにかかっていない証明書がほしいと、PCR検査を希望する人が相次いでいるとして、医療関係者は「本当に必要な人のため、不要な受診は控えてほしい」と訴えています」
「河内医師は「部下を心配してではなく、仕事に復帰しても大丈夫という安心のために診断書がほしいというケースが多い。検体採取の際、感染のリスクが高いPCR検査を非常に軽く考えていて、説得に時間がかかるため、結局は他の患者さんの診療時間や医療資源を奪うことになってしまう。社会全体で、検査の本来の意味を理解してもらう必要がある」と話しています」
「検査結果の証明について厚生労働省は、ホームページに掲載している新型コロナウイルスに関する企業向けのQ&Aの中で、PCR検査は医師や自治体が必要と判断した場合に実施しているとしたうえで、検査が必要と判断されていない労働者について、事業者などからの依頼により証明がされることはないと明記しています」
要目は上掲二引用文なのであって、「本当に必要な人のため」云々という文章は「だって俺は必要だと思うんだもん!」というあほの子を助長しているんじゃないかなーとかちょっと思う。
「産業医で日本産業衛生学会の宮本俊明理事は「PCR検査は本当に必要としている人のために行うべきで、必要ない人が本来のル-ルを無視して、やれというのは許されない行為だと理解してもらいたい」と話しています」
どうも「検査時点での感染の有無を確認するためのもの」という大前提さえすぽっと抜け落ちているらしい事例も見られ、これ安全と安心とリスクとベネフィットについての教育をちゃんとしとけという気持ちになる。
TBS 東京女子医大で全生徒を対象にPCR検査 May 2020 17日 15時29分
「東京女子医科大学が「6月からの登校に向けた準備」として、全学生およそ1000人を対象に新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査を16日から行っています。
学生からは、症状の有無にかかわらず「陰性の証明」のために検査を実施することや、費用が自己負担になる可能性があることなどに不満の声が上がっています」
やっている感を出すためのものだと理解はする。クレーマー対策だということは理解する。が、こうまで堂々と検査時点以後の感染の有無にかかわらない行為を、しかも半月ほども間のある時期にするのはかなり疑問。つまり16日時点で感染がなくとも、17日に感染して、31日に発病、6月1日に登校して昼頃に発病を自覚…なんてのがあっても「我々はできるだけのことはしました」とマスコミ相手にしゃべるためのアリバイだな、これ。なら費用は大学が持ち、検査に協力した学生(※システム設計上、全員だな)にバイト代も出すべきだな、という思いになるのはそりゃあやむを得ないところだろう。
関連:「検査数が4倍増なら―効果的?(2020-05-07)」
関連:「承前(2020-05-08)」
以上、講義用メモ。
根本的には安全を保障し、提供しようとするものであって、絶対の安心を問題とすべきではない、と。
関連話題を思い出したのでここにメモ:
The Infamous Fireball! Crash Testing A Ford Pinto
https://www.youtube.com/watch?v=1mqu-gRqt3g
1971 Chevrolet Impala Vs. 1972 Ford Pinto Full-Rear Impact (Legendary Crash Test!)
https://www.youtube.com/watch?v=lgOxWPGsJNY
いやあ、マッチ棒のように燃えるねえ…。