上掲タイトルは印象操作の1例。
BBC news, South Asia Children survive Pakistan attack 10 December 2007
お読みになれば解りますが,学校に行く子供たちは,空軍トラックに乗っていたのです。これに自爆テロが行われ,子供たち5人が負傷。但し幸い,死者はなし。それ故,日本語ニュースに落ちてこないものと思われます。
ということは,スクールバスへの攻撃じゃないじゃないか,君はイスラム戦士を貶めるため虚偽を述べるのかとお考えなら,だがちょっと待って欲しい(朝日新聞風)。…登下校が危険だから,軍がトラックを学童用に使ったんでしょう,これ。
これはテロリストが如何に残虐かということを示すもの,とワヒード中将はおっしゃる。軍としては,学童の安全を護るため,教育のため,軍の装備を提供していたものを!ということでしょう。
じゃあ逆に考えて。軍がいるから狙われるんだ!軍隊なんてわが町には不要なんだ!とお考えの向きもあろうかと思いますが,どっち道,彼らは気に食わない相手は適宜処分します(アフガンですけど,その例:「英語教師は暗殺されるに値する:タリバン」)。
タリバンに逆らわないように。注意を受けたら,すぐさま改めるように。でなければ命の保障はありません―というのも酷い話です。
そういう体制の復帰は,大多数の人は望まない模様―というのが先日のBBC Afghans 'still hopeful on future' 3 December 2007の記事であったりします。10月,全州に亙ってBBC,ABC,ARDによって行われた調査は,政権党としてのタリバンを望むのは4%に過ぎないことを示します。
そんなアフガンでは,ムサカラ市戦は連合軍勝利で一応の決着がついた模様(BBC Afghan troops take Taleban town 10 December 2007)。死者は非常に少ない。連合軍側の損失は2名か。敵側の損害も,確認された限りではあろうが,非常に少ない(12名とか)。
無論これは山岳地帯に逃亡,再編成をし,ゲリラ戦を戦おうというわけでしょう。ですが補給はどうなりましょうね。ムサカラ市はドラッグ取引の中心地といいます。彼らにとっては,金の生る木が失われたわけで,今後の不都合が予測されようというもの。
タリバン側は「士気は高い…我々は死ぬまで戦う」ということでしたが(BBC Toll rises in Taleban town battle 8 December 2007),やはり正規軍相手ではなんともなりません。あっさり引き下がったものです。
…恐らく,タリバンの正規(?)の兵には,自爆の美学の意識は薄いのだろうなと思うのですが,どうか。
なお上掲記事中には,タリバンが12歳少年を英軍へのスパイの廉で殺害したとかありますが,信じるも信じないもご自由にというところ。連合軍は「これから攻撃しますからー」と言う旨,ビラを散布したそうで,民間人は相当数が避難した様子。
この際,ビラを拾って読んだからとか,「姉ちゃん俺達も逃げようよ」と公然と口に出したとかに始まり,スパイ容疑の掛け方は様々ありえますし―考えにくいにせよ,政府側の偽情報と疑う事だって可能です。―それは勿論,"現地情報によれば米軍の空爆で民間人が死傷"という報道に際しても同様。
人が死んだ,という種類のどぎついニュースは世界中を駆け回る。海賊にタンカーが奪われた,なんて大事も世界的大ニュースだ。
そうではなく,人が「死ななかった」ニュースに,時には注意されては如何か。それにも報道する側の,一定の意向が反映するにせよ,より常態に近い姿が見えるかもしれません。
あと地雷関係で一言。
ムサカラ争奪戦で,タリバン側は地雷を数百使用したといわれます(ソースはBBC。該等部分は,或いはBBCの改稿の中で消え去ったかもしれない)。
つまり,攻勢側は何時でも好きなところから攻撃できるのに対し,防衛側はこの点後手に回るので,弱い箇所を防衛するために,地雷はどうしても必要な兵器なのですな。
はっきり言ってしまえば,防衛戦には不可欠なものだということ―自衛の為に。
なお,タリバンはムサカラを放棄したわけで。
タリバンは相当数の(実数不明の)地雷を,曲がりなりにも商業中心都市周辺に放置した格好です。
この際,タリバンが地雷敷設計画表を提出してくれれば―将来ありうる民間人犠牲者は最小限で済みますが,そんなことはしてくれないでしょう。軍事秘密だろう,常識的に。
とすると,タリバンは単なる遅滞戦術として地雷をばら撒き,ものの役にも立たせられず,護るべきものをすぱーっと放棄して逃亡。敷設した地雷に対する責任も負わない(負えない。だって敵勢力下ですよ?)。住民への安全保障義務もあったものじゃない。
勿論,住民の生命だけでも救うため,事実上の無防備都市化を行った―と解釈することは,そりゃ不可能じゃないでしょう。その場合,地雷が邪魔ですが。というか,作戦は始まってしまったんですが。
…私がこーした人々に辛口の評価をする理由が解っていただけたでしょうか。
BBC news, South Asia Children survive Pakistan attack 10 December 2007
お読みになれば解りますが,学校に行く子供たちは,空軍トラックに乗っていたのです。これに自爆テロが行われ,子供たち5人が負傷。但し幸い,死者はなし。それ故,日本語ニュースに落ちてこないものと思われます。
ということは,スクールバスへの攻撃じゃないじゃないか,君はイスラム戦士を貶めるため虚偽を述べるのかとお考えなら,だがちょっと待って欲しい(朝日新聞風)。…登下校が危険だから,軍がトラックを学童用に使ったんでしょう,これ。
これはテロリストが如何に残虐かということを示すもの,とワヒード中将はおっしゃる。軍としては,学童の安全を護るため,教育のため,軍の装備を提供していたものを!ということでしょう。
じゃあ逆に考えて。軍がいるから狙われるんだ!軍隊なんてわが町には不要なんだ!とお考えの向きもあろうかと思いますが,どっち道,彼らは気に食わない相手は適宜処分します(アフガンですけど,その例:「英語教師は暗殺されるに値する:タリバン」)。
タリバンに逆らわないように。注意を受けたら,すぐさま改めるように。でなければ命の保障はありません―というのも酷い話です。
そういう体制の復帰は,大多数の人は望まない模様―というのが先日のBBC Afghans 'still hopeful on future' 3 December 2007の記事であったりします。10月,全州に亙ってBBC,ABC,ARDによって行われた調査は,政権党としてのタリバンを望むのは4%に過ぎないことを示します。
そんなアフガンでは,ムサカラ市戦は連合軍勝利で一応の決着がついた模様(BBC Afghan troops take Taleban town 10 December 2007)。死者は非常に少ない。連合軍側の損失は2名か。敵側の損害も,確認された限りではあろうが,非常に少ない(12名とか)。
無論これは山岳地帯に逃亡,再編成をし,ゲリラ戦を戦おうというわけでしょう。ですが補給はどうなりましょうね。ムサカラ市はドラッグ取引の中心地といいます。彼らにとっては,金の生る木が失われたわけで,今後の不都合が予測されようというもの。
タリバン側は「士気は高い…我々は死ぬまで戦う」ということでしたが(BBC Toll rises in Taleban town battle 8 December 2007),やはり正規軍相手ではなんともなりません。あっさり引き下がったものです。
…恐らく,タリバンの正規(?)の兵には,自爆の美学の意識は薄いのだろうなと思うのですが,どうか。
なお上掲記事中には,タリバンが12歳少年を英軍へのスパイの廉で殺害したとかありますが,信じるも信じないもご自由にというところ。連合軍は「これから攻撃しますからー」と言う旨,ビラを散布したそうで,民間人は相当数が避難した様子。
この際,ビラを拾って読んだからとか,「姉ちゃん俺達も逃げようよ」と公然と口に出したとかに始まり,スパイ容疑の掛け方は様々ありえますし―考えにくいにせよ,政府側の偽情報と疑う事だって可能です。―それは勿論,"現地情報によれば米軍の空爆で民間人が死傷"という報道に際しても同様。
人が死んだ,という種類のどぎついニュースは世界中を駆け回る。海賊にタンカーが奪われた,なんて大事も世界的大ニュースだ。
そうではなく,人が「死ななかった」ニュースに,時には注意されては如何か。それにも報道する側の,一定の意向が反映するにせよ,より常態に近い姿が見えるかもしれません。
あと地雷関係で一言。
ムサカラ争奪戦で,タリバン側は地雷を数百使用したといわれます(ソースはBBC。該等部分は,或いはBBCの改稿の中で消え去ったかもしれない)。
つまり,攻勢側は何時でも好きなところから攻撃できるのに対し,防衛側はこの点後手に回るので,弱い箇所を防衛するために,地雷はどうしても必要な兵器なのですな。
はっきり言ってしまえば,防衛戦には不可欠なものだということ―自衛の為に。
なお,タリバンはムサカラを放棄したわけで。
タリバンは相当数の(実数不明の)地雷を,曲がりなりにも商業中心都市周辺に放置した格好です。
この際,タリバンが地雷敷設計画表を提出してくれれば―将来ありうる民間人犠牲者は最小限で済みますが,そんなことはしてくれないでしょう。軍事秘密だろう,常識的に。
とすると,タリバンは単なる遅滞戦術として地雷をばら撒き,ものの役にも立たせられず,護るべきものをすぱーっと放棄して逃亡。敷設した地雷に対する責任も負わない(負えない。だって敵勢力下ですよ?)。住民への安全保障義務もあったものじゃない。
勿論,住民の生命だけでも救うため,事実上の無防備都市化を行った―と解釈することは,そりゃ不可能じゃないでしょう。その場合,地雷が邪魔ですが。というか,作戦は始まってしまったんですが。
…私がこーした人々に辛口の評価をする理由が解っていただけたでしょうか。
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