BBCの長文,現地からの声。バイドアで女性の保護のため活動する,女性活動家からの投稿ですかな。大変読みやすい文章かと思われます,ご一読をお奨め:
BBC 'I'm not afraid of al-Shabab' 28 January 2009
「私は,アルシャバブが私のバイドアでの仕事―ジェンダー由来の暴力との取り組み―を妨げはしないかと懸念してます。アルシャバブがシャリア法を導入するということには,気にはしてません。シャリア法はイスラムの一部ですものね。コーランにありますもの。けど,彼らの解釈には,私は同意しませんが。
「彼らはイスラムを無慈悲な宗教に変えちゃいました―私は,イスラムがそうだとは信じません。
「私の組織は家庭内暴力にさらされた女性を力づけるものです―そして私が思うに,アルシャバブは,私たちが女性を発言させようとするのを好まないでしょう。
「まだ彼らに怒りを抱いてるわけじゃないです,でも,彼らの存在が,バイドアの女性にどんな影響を与えるか―惑うところです。他の女性と話した限りでは,私の印象ですが,民間団体はアルシャバブをよく思ってはいないようです。
「アルシャバブがバイドアを獲ってから,私は仕事してません。今のところ,一切は静穏ですが,活動しても安全だと確信できるまで―四日ほど家に居ようかと思います。ちょっと買い物しようと,市中にちょっとだけ出ましたけどね。バイドアの雰囲気は,今日のところ,比較的いい感じですよ。女性も子供も,道端に出て,自由に歩いてました。
「アルシャバブに不安を抱いてはいません―バイドア市民が彼らを恐れてるとも思いません。アルシャバブのメンバーを見ましたが,彼らは今日,銃を持って周りにいましたね。彼らは信じ難いほど若く見えました。彼らがバイドアのティーンエイジャーに参加するよう煽ってるのは知ってます。でも彼らは強制はしてないです。
「バイドアで暫定政府のために働いてた人たちは,家の中に閉じこもってますね。アルシャバブは,ひとを傷つけはしないと約束してますが,これについても例の通りか否かは,未来の事柄です。
「暫定政府がいた頃は,バイドアは不穏でした―彼らは民間人を護る能力がありませんでした。少なくともアルシャバブは安定を回復しました―現在までのところ。
「私は23歳で,1ヶ月前に結婚したばかりです。バイドアの情勢が落ち着いたままなら,夫と私はここに居つづけるでしょう。けどコトがどうなるか,ちょっと待ってみてみようと思います。アルシャバブがなに計画してるか,誰も知らないんですものね」
以下コメント
☆「女性活動家」であること自体が罪に問われた話は,私が記憶する限りは報道されてないと思われる。この点に限っては不安視するほどではないとは思われる。
☆ただし,彼らが女性が社会的活動をすること自体を好まない恐れはある。
☆なんか女性と子供のための援助団体の人が暗殺されてたりするけど(「Mohamed Abdulle Mahdi」),きっとなにか援助団体とかきらいな犯罪組織の極悪犯行なんであって清純純真な子供たちで構成されてるアルシャバブにはかんけいないのにきまってるのです(背後の気配に注意しつつ棒読み)。
☆別件処分(死刑)はありえるので注意。『エチオピアと関係する勢力と協力した』ことは,彼らの理屈では棄教したことを意味し,死刑に処せられる可能性はある―ただし,それは政治的に処分せねばならない政敵であってこそ行われることかもしれない(「Abdirahman Ahmed "Waldiire" 」)。
☆警察から解放された場合,直後の銃弾の嵐に注意する必要がある(「Salah "OJ" Hassan ― 30の銃弾と共に釈放された男」)。
☆女性,子供の身の安全は,基本的には保護されるものと思われる。『私13歳。アルシャバブの兵隊さんにいろいろされちゃったの。伯母さんにつれられて警察に行って,何されたか言ったら―スタジアムに連れて行かれたの―やだ,死にたくない,死にたくないよ,やだやだ,行きたくない,殺さないで,私を殺さないで!』なことは,流石に異例だから報道されたものと思われる。なお聖なるイスラム法の下受けて当然の罰を受けて死んだのは23歳淫乱女ということになっているのでアルシャバブ支持の向きはご注意。
☆まーあれだ,援助団体とかだと,外国と連絡したりするし。それってあっさり通敵行為と見做されて処分される恐れもあります。英語つかったりしたらだめだよぅ? (おおきな夢とともに―ダウド・ハッサン・アリ)…現場の判断で英語の先生とか殺されてますけど…対外的には「捜査する」とか言いますけど,同時に愛国心の発露として行われた行為だからねぇ,と同情的?なコメントもつけるしねー。
☆あと,『外国メディアに虚偽の報道をする』こともアルシャバブ基準では『非イスラム的』行為なので注意。
BBC 'I'm not afraid of al-Shabab' 28 January 2009
「私は,アルシャバブが私のバイドアでの仕事―ジェンダー由来の暴力との取り組み―を妨げはしないかと懸念してます。アルシャバブがシャリア法を導入するということには,気にはしてません。シャリア法はイスラムの一部ですものね。コーランにありますもの。けど,彼らの解釈には,私は同意しませんが。
「彼らはイスラムを無慈悲な宗教に変えちゃいました―私は,イスラムがそうだとは信じません。
「私の組織は家庭内暴力にさらされた女性を力づけるものです―そして私が思うに,アルシャバブは,私たちが女性を発言させようとするのを好まないでしょう。
「まだ彼らに怒りを抱いてるわけじゃないです,でも,彼らの存在が,バイドアの女性にどんな影響を与えるか―惑うところです。他の女性と話した限りでは,私の印象ですが,民間団体はアルシャバブをよく思ってはいないようです。
「アルシャバブがバイドアを獲ってから,私は仕事してません。今のところ,一切は静穏ですが,活動しても安全だと確信できるまで―四日ほど家に居ようかと思います。ちょっと買い物しようと,市中にちょっとだけ出ましたけどね。バイドアの雰囲気は,今日のところ,比較的いい感じですよ。女性も子供も,道端に出て,自由に歩いてました。
「アルシャバブに不安を抱いてはいません―バイドア市民が彼らを恐れてるとも思いません。アルシャバブのメンバーを見ましたが,彼らは今日,銃を持って周りにいましたね。彼らは信じ難いほど若く見えました。彼らがバイドアのティーンエイジャーに参加するよう煽ってるのは知ってます。でも彼らは強制はしてないです。
「バイドアで暫定政府のために働いてた人たちは,家の中に閉じこもってますね。アルシャバブは,ひとを傷つけはしないと約束してますが,これについても例の通りか否かは,未来の事柄です。
「暫定政府がいた頃は,バイドアは不穏でした―彼らは民間人を護る能力がありませんでした。少なくともアルシャバブは安定を回復しました―現在までのところ。
「私は23歳で,1ヶ月前に結婚したばかりです。バイドアの情勢が落ち着いたままなら,夫と私はここに居つづけるでしょう。けどコトがどうなるか,ちょっと待ってみてみようと思います。アルシャバブがなに計画してるか,誰も知らないんですものね」
以下コメント
☆「女性活動家」であること自体が罪に問われた話は,私が記憶する限りは報道されてないと思われる。この点に限っては不安視するほどではないとは思われる。
☆ただし,彼らが女性が社会的活動をすること自体を好まない恐れはある。
☆なんか女性と子供のための援助団体の人が暗殺されてたりするけど(「Mohamed Abdulle Mahdi」),きっとなにか援助団体とかきらいな犯罪組織の極悪犯行なんであって清純純真な子供たちで構成されてるアルシャバブにはかんけいないのにきまってるのです(背後の気配に注意しつつ棒読み)。
☆別件処分(死刑)はありえるので注意。『エチオピアと関係する勢力と協力した』ことは,彼らの理屈では棄教したことを意味し,死刑に処せられる可能性はある―ただし,それは政治的に処分せねばならない政敵であってこそ行われることかもしれない(「Abdirahman Ahmed "Waldiire" 」)。
☆警察から解放された場合,直後の銃弾の嵐に注意する必要がある(「Salah "OJ" Hassan ― 30の銃弾と共に釈放された男」)。
☆女性,子供の身の安全は,基本的には保護されるものと思われる。『私13歳。アルシャバブの兵隊さんにいろいろされちゃったの。伯母さんにつれられて警察に行って,何されたか言ったら―スタジアムに連れて行かれたの―やだ,死にたくない,死にたくないよ,やだやだ,行きたくない,殺さないで,私を殺さないで!』なことは,流石に異例だから報道されたものと思われる。なお聖なるイスラム法の下受けて当然の罰を受けて死んだのは23歳淫乱女ということになっているのでアルシャバブ支持の向きはご注意。
☆まーあれだ,援助団体とかだと,外国と連絡したりするし。それってあっさり通敵行為と見做されて処分される恐れもあります。英語つかったりしたらだめだよぅ? (おおきな夢とともに―ダウド・ハッサン・アリ)…現場の判断で英語の先生とか殺されてますけど…対外的には「捜査する」とか言いますけど,同時に愛国心の発露として行われた行為だからねぇ,と同情的?なコメントもつけるしねー。
☆あと,『外国メディアに虚偽の報道をする』こともアルシャバブ基準では『非イスラム的』行為なので注意。
宗教は宗祖の人生を追体験するのが云々,と聞きますが,すると良きムスリム男性はキャリアウーマンな嫁さんを最初に迎えねばならぬことに!
…人権団体で働くお姉さまをふと見かけて恋心を燃やすアルシャバブ少年兵(15歳)とかちょっと萌えかもー…。…あるいは,脅迫状配達に行ったところでばったり顔を合わせてしまって『こんな綺麗なお姉さんを僕は殺さなければならないのか!』と悩んだりとかー…。
お姉さんが少年兵たちに拉致さる
泣きじゃくるお姉さん、少年兵たちに必死にすがる
お姉さん、その中の一人が、日頃自分を見つめていた少年だと気付く
解放を乞うお姉さんのはだけた胸元を見つめた末、少年「…売女め!」
響く銃声
ムハンマドの最愛の奥さんであるアーイシャも、
旦那の死後、ラクダに乗って戦場へ出たりしてますね。
“名誉の殺人”の件もそうですが、どんだけ教祖の教えをねじまげてるのかと小一時間。
上の人から配達するように言われた脅迫状に,「逃げて」とか書いたり…なんとか無事に彼女を逃がす方向でー。
…うんまああのその文脈的にええきっと…。
さておき,
>どんだけ教祖の教えをねじまげてるのかと小一時間
…広汎かつ十分な普通教育でもって一般信徒の皆までがコーランなりなんなりの内容をチェックできるようにする必要があるのかなーと,歴史の教科書ひっくり返して宗教改革の項に辿り着いて思ってみたりしました…。
ただコーランもハディースも具体的な部分が多く、判例集みたいになっている。細かな点まで宗教的な判断がなされているというのは、信徒らにとって幸福なことだったと思います…世界が変わるまでは。
西欧的なルールで世界が再構築されていくと、かつての判例では対処しきれない。結果として、イスラム法学者が判例をどう解釈しなおすか、あるいは新たな解釈を認めようとしないか、といった問題に行き着く。
でも、前者も後者も世界を変える力はない。後者…原理主義者たちですら、既存の世界の枠組みを利用して活動する。
解決の道があるのか、私にはわかりません。
何とか継ぎ合わせよう,妥協点を探ろうと(普通の)Islamistたちは頑張ってるんでしょうけど,ヒャッハーな人たちが余りにもアレで…地道な努力はかき消されてしまってるんじゃないかと。
イスラム法学関係では,粟屋利江さんの本が出てたはず。4月以降に勉強予定です…。
…最新の動向だからと某関連分野の本を纏めて注文・購入して読んでいるんですが,『こんなもん国家の予算で買うのは国家に対する反逆行為なんじゃないか』ってくらい,問題のない部分を見つけ出すのが難しいくらいのものだったりして…或いはイスラム関係をごそっと買うほうが正義に適うんじゃないかと思う今日この頃(日記)…。