空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ケニア北部での兵徴募の件(考察)

2009-11-09 18:30:03 | ソマリア関連
Garowe Online Somalia: Al-Shabaab accuses Kenyan MPs over youth recruitment Nov 7, 2009 - 1:37:54 PM

 南部キスマユのアルシャバブ政権は,ケニア北部でのソマリ族兵募集の疑惑の件でケニア議会議員を避難する。
 ケニア北部でソマリ族の若者が特に意図されて募集されており,それはソマリア政府を援助するものではないかというのが疑惑の骨子。そうした動きについては,ケニア北部,ソマリ族地域からの選出議員に責任があると攻撃するわけである。

 ケニア北部Garissa町長Mohammed Gabowは疑惑の存在を認め,軍の徴募という名目でひそかに息子を連れ去られたと訴える親の懸念を伝え,ケニア政府によるそうした行為があるのだと聞いて驚いているとする。

 どうにも情報は錯綜しているのでありまして―

 ケニア北部でソマリ族を対象に兵員募集の動きがあるのはどうも事実であるらしい。

 その募集主体として挙げられる筆頭はケニア軍である。その目的はaソマリアPKOに使用するため,bソマリア暫定政府を援助するため,といわれる。但し,軍自体はこの疑いを否認しはした。

 この点について言えば,ソマリ地域での活動や,さらにはソマリア国内での活動を見越してソマリ人勧誘を強化したことは十分にあり得ることだと思われる。政府は現地の失業率を利用し,高給でwith hefty money若者をひきつけているという。

 募集される対象として挙げられるのは,まずはケニアのソマリ地域市民である。であればこそ「私はソマリアなんか見たことも無いのに,この国に(ソマリアは)関係ないのに,息子は連れられて行ってしまった。息子を返して!」という嘆きが成立するのである:

Garowe Online Youth lured to fight in Somalia Nov 7, 2009 - 4:56:29 (ALJAZEERA)

 しかし―『高給で釣っている』という話と,これは矛盾する。高失業率環境下,誘拐などというリスクの高い方法によらずとも人は揃うものではあるまいか(スリランカ治安機関へのタミル人応募が殺到したとの話を一応想起)。

 なお,募集対象として,ケニア北部・ソマリア難民キャンプも挙げられる。―もし難民キャンプから人を募集したなら,それがケニア軍の事業なら,ケニアは大いに非難されよう。

 そこで募集主体として別に挙げられる/想定できるのは―ソマリア政府や,ソマリア反政府派であろう。これらが(特に反政府派が)ケニア北部のソマリ人非難キャンプを草刈り場として利用している可能性は捨てきれまい。


 っつか,例の米軍の攻撃で暗殺された人物は,ケニアからソマリアへ陸路移動していたわけで:

米国はソマリアに「外科手術」を断行―戦果を得る」2009-09-15

 ケニア北部の事情は不明瞭というのがまあ,穏健な言い方なんではないかと。
 あと,キスマユで多少人事異動があったそうですが,ま,その件は記事を見てください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デマ鎮火用資料:ソマリア海... | トップ | 「政府軍軍服を着た男たち」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事