朝日新聞 児童養護施設の移転、地元反対で断念 「学校が荒れる」 山岸玲2018年2月12日13時26分
「岐阜県関市の児童養護施設「美谷学園」が、山県市内に施設の一部を移転新築する計画を断念した。移転先の地元自治会の「反対」が理由」
「学園は来年4月開設を目指し、現施設(定員74人)の隣接地に新施設(同45人)と山県市内にグループホーム(同16人)の二つを建てる計画だった」
典型的NIMBY問題―とだけいって済ませることのできない珍しい例。
「〈児童養護施設〉 虐待や死別、貧困などで親が育てられない原則18歳未満の子どもを保護・養育する施設。厚生労働省の調査によると、2016年10月時点で全国603施設に2万7288人が入所する。近年は虐待を理由とするケースが増え、同省の別の調査では入所の半数近くに上った」ということで、保護の必要は誰でも認めるだろうが、といってそうした施設が近くに来て欲しいかといわれれば「う、うーん」とためらうことが多かろう。というか、そうなったわけだ。
…引き受けたところで、地元住民になんらプラスがなさそーだなーと思われたあたり(そしてそれは事実だろう)が、解決すべきボトルネックとでもいえようか。
さてここまでなら単純なNIMBY問題なのだが、ここは既に類似施設をひとつ抱えているのだそうだ:
「だが移転先の自治会は16年9月、同じ中学校区に別の児童養護施設があることなどを理由に、住民計約1300人分の署名を添えて建設反対の陳情書を市に提出した。学園による複数回の住民説明会を経ても態度は変わらなかった」
…『賛成論者さんがいうように、そんなに素敵な施設なら、うちの地区だけで独占するのはよくないよ!』とでも言いたかったのではないですかな、という感。
「山県市の担当者は「市としては意見書を作っただけで、あとは県の判断。地元住民を説得することも、その逆もできない」」
「県の担当者は「施設は地域社会全体に受け入れられることが望ましい。住民の賛同がなければ計画の頓挫はやむをえない」」
自治体としても、無力感やなにやらが漂うコメントである。
これは「同じ中学校区に別の児童養護施設があること」というところにひっかかる。つまり、これで懲罰的に諸種の補助金をはがしちゃうと、既に引き受けている施設分の利得まで失われる。
となると、他の地域の人々は学習するだろう―『一度でも受け入れると、二度目がくる。二度目を拒否すると、一度目のときに約束された利得までまるごと削除される。道はふたつだ、言われたものを全て受け入れ続けるか、それとも最初から受け入れないか』。まあ、最初から受け入れないのがふつーの正解になりそうである。
既にひとつ受け入れ済みなので、協力は既にしているのである。
既に持っており、社会保障の厚みを彼らは知っている。そこで”この社会保障の厚みを日々実感できる幸せを、ほかの地域にもわけてあげたい!”というわけなのだ。
その「温かさ」「見守り」という資源は、タダで出てきつづけるものでもないだろう、ということ。
田舎出身者としては、都会の人間の田舎差別発言を散見するなか、『いやあ、わしらど田舎モンは差別心満載らしくて、そういうご立派な理念?とかわかんねえんですわ。そこで、いろいろご教養ふかくご理解お進みあそばしてる都会に、こういう施設をお任せしてぇんですがな? 温かく見守ってあげてくださいよ?』とか言いたくもなる。
きれいごとを言って、他人の「温かさ」「優しさ」資源を収奪する「人格者」たちに対する、ちょっとした反乱とでもいえようか。
…偏見等々の存在自体は好ましからざることなので、解消されるのが望ましいのは確かなんですが。
「岐阜県関市の児童養護施設「美谷学園」が、山県市内に施設の一部を移転新築する計画を断念した。移転先の地元自治会の「反対」が理由」
「学園は来年4月開設を目指し、現施設(定員74人)の隣接地に新施設(同45人)と山県市内にグループホーム(同16人)の二つを建てる計画だった」
典型的NIMBY問題―とだけいって済ませることのできない珍しい例。
「〈児童養護施設〉 虐待や死別、貧困などで親が育てられない原則18歳未満の子どもを保護・養育する施設。厚生労働省の調査によると、2016年10月時点で全国603施設に2万7288人が入所する。近年は虐待を理由とするケースが増え、同省の別の調査では入所の半数近くに上った」ということで、保護の必要は誰でも認めるだろうが、といってそうした施設が近くに来て欲しいかといわれれば「う、うーん」とためらうことが多かろう。というか、そうなったわけだ。
…引き受けたところで、地元住民になんらプラスがなさそーだなーと思われたあたり(そしてそれは事実だろう)が、解決すべきボトルネックとでもいえようか。
さてここまでなら単純なNIMBY問題なのだが、ここは既に類似施設をひとつ抱えているのだそうだ:
「だが移転先の自治会は16年9月、同じ中学校区に別の児童養護施設があることなどを理由に、住民計約1300人分の署名を添えて建設反対の陳情書を市に提出した。学園による複数回の住民説明会を経ても態度は変わらなかった」
…『賛成論者さんがいうように、そんなに素敵な施設なら、うちの地区だけで独占するのはよくないよ!』とでも言いたかったのではないですかな、という感。
「山県市の担当者は「市としては意見書を作っただけで、あとは県の判断。地元住民を説得することも、その逆もできない」」
「県の担当者は「施設は地域社会全体に受け入れられることが望ましい。住民の賛同がなければ計画の頓挫はやむをえない」」
自治体としても、無力感やなにやらが漂うコメントである。
こんなもんこの地域のいろんな助成金とか補助金、徹底的に派がしてやればおええと思うで、社会意識がないのなら慈悲はなくていい。 / “児童養護施設の移転、地元反対で断念 「学校が荒れる」:朝日新聞デジタル” https://t.co/lptIcZnxZ4
— おりた (@toronei) 2018年2月12日
これは「同じ中学校区に別の児童養護施設があること」というところにひっかかる。つまり、これで懲罰的に諸種の補助金をはがしちゃうと、既に引き受けている施設分の利得まで失われる。
となると、他の地域の人々は学習するだろう―『一度でも受け入れると、二度目がくる。二度目を拒否すると、一度目のときに約束された利得までまるごと削除される。道はふたつだ、言われたものを全て受け入れ続けるか、それとも最初から受け入れないか』。まあ、最初から受け入れないのがふつーの正解になりそうである。
反対する市民を村八分にするか退去命令を出せば済む話だな。何で協力し合う社会に出来ないのか。一億総活躍社会じゃないのかよ。協力するのが嫌なら日本から出て行けよ。 / “児童養護施設の移転、地元反対で断念 「学校が荒れる」:朝日新聞…” https://t.co/fyesmscWPc
— mouseion (@MouseionS) 2018年2月12日
既にひとつ受け入れ済みなので、協力は既にしているのである。
障害者施設や養護施設あるいは保育園に反対する住民って、自分らの家族・地区からそういう人が出た場合、どこへ連れて行く気なのか? /児童養護施設の移転、地元反対で断念 「学校が荒れる」:朝日新聞デジタル https://t.co/1yOtxoMvDe
— TMHK (@tmhk0) 2018年2月12日
既に持っており、社会保障の厚みを彼らは知っている。そこで”この社会保障の厚みを日々実感できる幸せを、ほかの地域にもわけてあげたい!”というわけなのだ。
『学校が荒れる』って…。地域が施設を受け入れ、地域で子どもたちを温かく見守れば、子どもたちが荒れることはない…と思うのはキレイ事なのかな…。児童養護施設の移転、地元反対で断念「学校が荒れる」 https://t.co/xlfEMCcPvW
— たかちょん (@choko1817) 2018年2月12日
その「温かさ」「見守り」という資源は、タダで出てきつづけるものでもないだろう、ということ。
田舎出身者としては、都会の人間の田舎差別発言を散見するなか、『いやあ、わしらど田舎モンは差別心満載らしくて、そういうご立派な理念?とかわかんねえんですわ。そこで、いろいろご教養ふかくご理解お進みあそばしてる都会に、こういう施設をお任せしてぇんですがな? 温かく見守ってあげてくださいよ?』とか言いたくもなる。
きれいごとを言って、他人の「温かさ」「優しさ」資源を収奪する「人格者」たちに対する、ちょっとした反乱とでもいえようか。
地域に幻想を抱き、福祉を丸投げしょうとするのは間違いであることがこういう施設排除からはっきり見えてきます。私自身、障がいがある方々のグループホーム建設で自治会長から誹謗中傷され、大変な不条理に直面した経験があります。https://t.co/UktTuMUIML
— 内田 宏明 (@longlongago551) 2018年2月12日
…偏見等々の存在自体は好ましからざることなので、解消されるのが望ましいのは確かなんですが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます