空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

専門家は専門家として働かせるのが良いかとは

2019-03-08 11:48:07 | Weblog
共同通信 サイバー捜査員募集、敬遠される〝体育会気質〟 ライバルは外資系 2019/3/7 13:28

 本当かー? 本当に「ライバルは外資系」でありえるのかー?

匿名性の高いネット空間「ダークウェブ」で日夜行われる違法取引、繰り返される不正アクセス―。これらのサイバー犯罪に対抗するため、埼玉県警が専門捜査員の確保に力を入れている

 専門家の確保は重要。その重要性に気付いたのはよいことだし、システマティックに採用しようとするところもよい。

 担当官から「「皆さんはダイヤの原石です。IT企業では埋もれるかもしれないが、うちに入れば間違いなく輝きますよ」」と呼びかけられるものの「「待遇や体育会気質の現実を知ると、ためらわざるを得ないんですよね」」という人材育成側の発言。

民間からの経験者採用でサイバー捜査員を募集する警察が多い」というのはまったくもって妥当だが、なぜか「埼玉県警はIT資格を持つ大卒、大卒見込みの採用枠「サイバー犯罪捜査Ⅰ類」を設けている」ほどの見識をもちながら「専門枠だが、警察学校で柔道などを教わるのは他の警察官と同じ。交番や警察署勤務を経るのも同じで、専門能力を発揮するまでには3~4年掛かるという

 常識的に言って、「園田さんは「技術者に幸せなキャリアパスを想像させてほしい。警察官としての姿を重視され、『交番勤務から』となると、優秀な技術者を集めるのは難しいのではないか」と首をかしげた

 …どうせ3~4年掛かるというなら、普通のコースで入った若手を、まあ希望を取りつつも指名して内部で育ててもいいんじゃないかなあ。専門教育を受けた者を採用して、とりあえず3~4年ほど非専門業務に専念させてから…というのは、愚劣と評してもよいレベルの迂遠さではないか。

 県警側としては「「捜査員である以上、サイバーパトロールだけでなく、足を使った容疑者の行動確認なども担ってもらう。警察官としての資質を見るのは大切で、技術さえあれば良いというわけではない」」、これはこれで正論。

 …まあその。
 警官教育システムをがらっと変えるわけにはいかない、変えるにしたって相当高度な判断になるので、各県警レベルではなかなか動けない、なんて問題は理解するのですが。

 そこそこ同質にそろえないと、組織としての運用に難がでそうだとか。
 解るんですが、そこはそれ。昇進のためには交番勤務*年を要すだの、なんだの、様々な内規があろう。そういうので人事をコントロールすることは出来ているでしょうし…いますこし専門家を専門家らしく運用する知恵を、と思ってしまう話。

「犯罪捜査の生のデータに触れられる機会があるのは警察だけ。研究内容は報酬に代えがたく、世の中のためになる研究ができる面白みもある。独自の強みを訴えれば、人材を呼び込むチャンスはある」」とアドバイスもあるようだが、そうまで研究に面白みを感じる人材は大学院にいっちゃう可能性が高いわけでもある。

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