空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

プントランドは治安悪化:治安機関員の暗殺,財務相への銃撃

2008-03-27 00:43:55 | Weblog
 ごっついところからTBきててひるんだ私(挨拶)。いやいろいろ他の用件が立て込んでこちらに手入れする時間もあまり取れずにおりまして。イラクの碌でもないぐだぐだ加減に頭を抱えたりもしたり…。

 ともあれ本blogの主対象たるソマリアにうすをちょいとメモ。以下,プントランドの治安悪化傾向に関する記事について。

 プントランドは比較的安定を維持し,モガディシュの暫定政府に対する,国内最大の援助勢力であります。その所為で最近,反乱勢力の攻撃対象にされつつあります(その口火:「アル・シャバブはボサソの爆破事件の責任を認める:ソマリア」)。このたび銃撃事件が連発したりしたのです: 

Garowe Online Somalia: Another intelligence agent killed Puntland Mar 25, 2008 - 8:43:05 PM

 ボサソ発,3月25日。月曜夜,プントランド情報局(PIS)勤務のエージェント,Said Ahmedさんが正体不明の銃撃者らに複数回撃たれ死亡。同様の事件は48時間以内に3件も起こったという。

 なお彼は,3月のPISからの3人目の犠牲者である由。これらの事件の容疑者は一人として逮捕されていない。何故彼らがこうも狙われるのかは明らかではない。―と書いてはあるんですが,直後に反政府派の関与をほのめかすように一般的情勢分析を記述したりするのです…。

 24日には獣薬学博士Idle Shire Samatarさんの死体が仕事場にしてたホテルで発見される。事件関係者と見られる人物1名を警察は拘束中。

 プントランドは比較的安定していたものの,最近,治安悪化傾向が明らかなのです。その原因の一つは―治安関係者への給与未払いにあろう,という言及でこの記事は区切り。

 治安相とそのほかの人たちとの勢力争いが背後にあるのです。新任治安相の指導を嫌って財務相が給与支払を拒否したり(「プントランド治安相は辞表を提出:ソマリア」)。治安機関を把握しない政権というのも理解に苦しむ存在ですが,彼らは自前で武装勢力を調達できるんでしょう―ってそれは国の体をなしてませんよ(泣)

 …イラクは(動員理由はさておき)イラク軍3個旅団を南部向けに展開したというんですよねー…。非常な進歩ですよねー…。

 閑話休題。そんなわけでプントランド治安機関員らは,日々の生活のためやむなく様々な任務外活動に精を出さざるを得なくなったわけでして,そんな生活苦の怒りの矛先が何処に行くかって―

Garowe Online Somalia: Gunmen open fire on Puntland Finance Minister's vehicle Mar 21, 2008 - 9:02:45 AM

 ボサソ,3月21日発。ボサソで正体不明の銃撃手らがプントランド財務相Mohamed "Gaagaab" Aliを運ぶ車列に銃火を浴びせる。負傷者はなし。急ぎ財務相は宿に移り,警備を増加。警察は攻撃者たちを特定できずにおり,情報は錯綜。

 未確認情報に拠れば,この財務相への銃撃者はプントランド治安機関員であるという。財務省がこの5ヶ月間,彼らへの給与を支払わないからだ。財務相周辺からの意見では,銃撃者は治安相Abdullahi Said Samatarに忠実な人々であろうと。

 これだけでもあきれ果てるべき事態ですが,プントランド経済混乱の重大要因たる紙幣違法印刷問題がまたあきれ果てた話で,多くの印刷者らが印刷を停止したなか,大統領Museの政権に近い一部の業者は違法印刷を続けているとかゴート札もびっくりだ。って政府筋からして違法紙幣印刷に関与ってなにそれ。

 こうした動きに不満の一部業者は,氏族民兵を組織して紙幣印刷を再開するぞというんだとか。もし実行に移した場合,どう見ても武装ギャング団の違法紙幣印刷以外のなにものでもないので政府治安機関・軍による制圧が正当化されるべきですが,その給料は未払いのままか,下手を打つとやっぱり違法操業の印刷業者謹製違法紙幣で支払いだったりする可能性おおありで。

 …悪化しているとはいえ,これでまだしもモガディシュより平穏とされるのである,プントランドは…。
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