空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

社会的に比較級的弱者である者たちの怨嗟の声が

2018-12-26 21:43:54 | ノート


 エリートを自認する者たちが社会の終わり、民主主義の終わり、地球の終わり…を声高にかつ気楽に、しかし自意識としては真剣に語るとき、一般大衆は―というわけだ。これはどう国民扱いのなか、比較的収入等々が低い位置に身を置かざるを得なかった人々が「勝ち組」に対してどう思うか、思ってきたか―という筋:



 はっきりとした貧民層なら、社会的扶助の対象・救済対象としてクローズアップされる。「黄色いベスト」運動で出てきたのは、見捨てられてきた階層ではないか。扶助対象であるほどに明白な貧困層ではなく、まあ食ってはいけるがキッツイ層。中下層~下中層くらい。下下層はこの際、「明白な貧困層」と位置づけてみる。そうでなく、多少のしくじりで下下層に陥りかねない、下中~下上層を維持するのが精一杯のあたり。

 例えば



 こんな場合、娯楽を購入できる限りにおいては下下層とまではいくまい、しかし季節的に下下層水準まで落ち込むことはあり、このような辛いことになりかねない層。
 マクロンなら、「ほら、外にでてごらん。外にはたくさんの仕事があるよ」などと言うだろうか。ああ、確かに大都市には仕事があるだろう、しかしそこに出るまでの交通費もでないんだ、こっちは…!というような、田舎の層とか。

 …「黄色いベスト」運動の際には、そんな地方の怨嗟ももれ出たようですが。



 …とまあ、こんな男性たちも「社会的強者たる男性の一員!」として指弾される、そんな悲劇的な一部フェミニズム業界である。いやまあ、そりゃあ、田舎の女性より強いのかもしれませんがねえ、とか。しかし、その比較級的強者たる資格は、”嫁を養える給料”を貰ってこそ、というイヤゲな現実がある。この点、以下の引用画像が示唆的―



 引用画像のうち
仕事もできない、
友達もできない、
彼女もいない。
人生に希望がもてない

 というのが既にして示唆的である。

「女性様は人生楽そうでいいなあ」というミソジニー発言とか想起してしまうレベル。
 稼ぎの悪い男はそもそも(結婚対象としての)男ではない、しかし(高給の職について、本来能力的にはそのポストに就くべきであったが男女差別のために就けなかった)女性を抑圧する男性の一員として、社会的階層としての女性への資源譲り渡しへの協力を求められる。が、もはや低給に抑えられすぎて、ひりだすものもろくにありはしない―

関連:「「男社会の底辺」たる弱者男性は二重の排除におかれている(2018-10-13)」



 ―土地もないですし。
 社会運動家たちの一部は、どうもこうした多数存在する哀れな、しかし基本的にはキモイおっさんどもを見ることがないらしく―なにしろキレーでピカピカした都会のキャンパスで高級な本をお読みあそばしているんだろう、という恨み言が出てくるレベルでお空の上で―



 ―こうした哀れな信者を次々生み出し、そして消費して行く。もちろん、消費される候補者は次々生まれてくる―
 ―が、残念なことに、若い世代は実数が減っているので、そうした商売はなかなかやり難くなっているものだろう。最近は、わりとばれるし:



 ―ともあれ、そんな高級な理論様と現実との間に挟まれてしまう人々もあり、こうした人々の辛い境遇を解き明かす物語が必要かもだ。

関連:「「二重の排除」に陥らされる人々の状況に思いを(2018-10-23)」

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