空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

DR Congoの2020年:Covid-19、麻疹、そしてエボラ

2020-06-08 20:54:41 | Newsメモ
 …日本についても英文記事で読むと「何で君たち、そんな自然環境・ハード(max)な土地に住んでるんです、さっさと諦めたらどうです」とか思うが(いやだって虎がダース単位で襲ってくるような土地でも、治安・便利さ等々を考え合わせるとこれ以上にコスパいいところ、ほとんどないだろうしさあ)、Covid-19、麻疹、そしてエボラと来たら、おぅーい、英語できるならもう逃げろよーぅ、とか言いたくなるなあ…。

BBC In Pictures Coronavirus in DR Congo captured on camera 8 Jun 2020

A collaborative online project is documenting the challenges facing the Democratic Republic of Congo as it tackles Covid-19, measles and Ebola in 2020.

 ジャーナリストの移動自体も怪しいなか、Congo in Conversationなるウェブサイトが立ち上がってそこにDR Congoのジャーナリストたちがアップロードしており、これはその紹介記事。

Congo in Conversation is a website that chronicles the country's human, social and ecological challenges in the current health crisis.

A stream of articles, photo reports and videos will be uploaded to the site from journalists and photographers based in DR Congo, many of whom are Congolese.


 で。ここでもよそと変わらず、嫌げでアレなうわさ話が流れているようで。Covid-19が金持ち連中の病気だというのがその一つ。まあ、それなりに事実の一端ではあり、外国と連絡があるような金持ちどもがまずかかる病気だ―という説明はありえるかもしれない。そのほかにもLGBTの連中に対する神の罰だ、というのもあるそうで。

 タグをつけておこう【LGBT問題】。
 ありがちだが、①”ちゃんとした私たち”と区別しやすい”ちゃんとしてない彼ら”という二分法で、便利に可視化できる社会的集団としてLGBTというのはまずまずのサイズだなということがある。また②外国の団体と連絡がある、鼻持ちならないエリート(笑)様、という属性をつけやすく、ああそういえば外国と連絡がある金持ち連中の病気だっけかこれ!という偏見と親和的である。

"One of the most widespread beliefs is that Covid-19 is a 'disease of the rich'.

"In the megalopolis of Kinshasa, several prejudices have developed, including the stigmatisation of certain minorities with statements such as 'the Coronavirus is a punishment from God to the LGBT community'.


 で。ロックダウンとやらで苦しむのは、「あんな奴ら」とは別にまじめに(しかし貧乏に)生きている我々じゃないか…という被害感情がこうした偏見を強化しもするだろう。だってLGBT?だかの連中?ってのは、外国のお仲間たちと連絡して、外国のお仲間たちから援助してもらえるんだろ!という具合にも、そんな断絶を強化する想像は働くだろう、たぶん。

Street vendors, traders and motorcycle-taxi drivers rely on what they earn for the day and frequently lack property or savings.

According to the UN, nearly half of all workers throughout the African continent could lose their jobs.


 ともあれアフリカ全土でざっと半数の職が失われたかなあ、と国連は見るようだ。

 でまあ。
 Covid-19だけじゃなく、麻疹measlesも大問題であって、2919年1月以来、6500人以上の子供が死んでいるそうな。まあこの時点で、ぶっちゃけ(現時点で)Covid-19はさしたる問題じゃない、という扱いを受けても仕方ない感じですわね…。

 死者だけで6500名ですから。ケース数は33万5千。

Covid-19 is not the only outbreak of disease which DR Congo is currently grappling with.

Since January 2019, more than 6,500 children have died from measles in the country, and 335,000 others have been infected, according to the latest World Health Organization (WHO) data.


 さらにはここ18か月間、エボラ流行にも見舞われており、これの死者が2273名。症例3453例。ざっと6~7割が死ぬ病気がここまで流行してたら、感染しても感染したかどうか不明、発病者の2~3%が死亡(※医療設備が整っている場合)程度の病気なんか知ったことか!という気にもなるんでないかなあ。常識的に考えて、優先順位は明らかと言えるだろう、なにしろ緊急事態だ。対感染防御装備は、そりゃあエボラ対策に使いたくなるんじゃないかなあ。

Over the past 18 months, the country has been dealing with the second-worst Ebola epidemic in history - 3,453 cases and 2,273 deaths.

"[The youth are] taking on roles that a government normally should, in terms of educating the population about health concerns and how to prevent catching Covid-19.

 地方の若者たちが意識的に活動できているのは、そうした困難の中では「素晴らしい!」と言えるが―。
 ―そこらの若造がいちいち英雄にならねば破局を回避できない情勢、というのは、きっと不幸に近い状況だと思うのだ。日本みたく、気楽に政治家にバカバカ言ってツィッターで時間つぶししてても問題がない、こういう状況のほうが生存のためにはありがたいことだと思うのだ。

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