先月末,MSF所属現場責任者administrator及び医師が殺害された件に応じた処置。
BBC Somalia: MSF shuts two big medical centres in Mogadishu 19 January 2012
昨年8月,アルシャバブは首都を手放した。以来,首都は政府側及びAMISOMの手のうちにあった。で,このMSFの二人が何故に殺害されたかというと―現地雇員一名を盗みの疑いで解雇・契約延長なしを言い渡したのだが,そののち,この男に銃撃されたのであった。
「我々の医療チームの存在が毎日本当に人命救助に役立ってるところの医療サービスを停止するのは厳しいことだ」と声明で言う。しかし「Hodan地区での,我々の同僚への暗殺行為は,モガディシュの当該地域での我々の活動継続を不可能ならしめた」。
120のベッドを備える診療所が二つ。これはMSFの,ソマリアにおける13個の行動の最大のもので,首都で展開する行動の半分ほどに相当する。
8月(つまり,アルシャバブ撤退ということでしょう)以来,Hodanでは12000名の栄養失調の子供を診,1200名以上の下痢患者を診,861の麻疹を診療し,67200名の子供に麻疹ワクチンを接種したという。
10月には,MSFはケニアのDadaabキャンプで二名を誘拐されている(Montserrat Serra,Blanca Thiebaut)。
プロの決断であるな。
BBC Somalia: MSF shuts two big medical centres in Mogadishu 19 January 2012
昨年8月,アルシャバブは首都を手放した。以来,首都は政府側及びAMISOMの手のうちにあった。で,このMSFの二人が何故に殺害されたかというと―現地雇員一名を盗みの疑いで解雇・契約延長なしを言い渡したのだが,そののち,この男に銃撃されたのであった。
「我々の医療チームの存在が毎日本当に人命救助に役立ってるところの医療サービスを停止するのは厳しいことだ」と声明で言う。しかし「Hodan地区での,我々の同僚への暗殺行為は,モガディシュの当該地域での我々の活動継続を不可能ならしめた」。
120のベッドを備える診療所が二つ。これはMSFの,ソマリアにおける13個の行動の最大のもので,首都で展開する行動の半分ほどに相当する。
8月(つまり,アルシャバブ撤退ということでしょう)以来,Hodanでは12000名の栄養失調の子供を診,1200名以上の下痢患者を診,861の麻疹を診療し,67200名の子供に麻疹ワクチンを接種したという。
10月には,MSFはケニアのDadaabキャンプで二名を誘拐されている(Montserrat Serra,Blanca Thiebaut)。
プロの決断であるな。
「国境なき医師団「極度の攻撃」のためソマリアでの活動を停止」
* http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2961920/11188074
* http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-23697275
私個人の印象では、少なくともモガディシュでは治安が回復しているという感じだったが、案外とそうでもないのか。それとも、去年1月の決定が、事務手続き的な意味で、実施されるまでに1年半かかったということか(日本の役所じゃあるまいし、そんなに時間はかからない気がするけど)?
8月は,アパートは事実上,空気を泊めている状態ですね。
>お気づきかもしれませんが、続報。
全くお気づきでないのです!
とはいえ,まあ―
―注意点は,最近のニュースでは「アフリカ大陸東部の地域にある同国でのすべての医療活動を停止した」とあり,「すべての」の形容句がついている点ですね。
以前の件では,特に問題があった数か所を閉鎖し,段階的に縮小していた―で,問題が解決すれば再開していたところ,今回は「すべて」停止した,という。
プントランドからもソマリランドからも撤退するという。
…なんというか,ほどよく(?)治安が回復したので,ソフトターゲット狙いが増えてるのかもなあとか思ったのですが,どうでしょう。
悪い意味でイラク化する兆候のひとつというような気も。
「医療従事者への暴力を容認する風潮がソマリア社会に蔓延しており、そうした意識が、多くの武装勢力はもとより、氏族長から地方行政、中央政府に至るさまざまなレベルで共有されていたということだ」
http://www.huffingtonpost.jp/eric-ouannes/post_5580_b_3877743.html?utm_hp_ref=japan
ソマリアの復興は遠そうだ。現在の社会活動の前線を担う20~40代のほとんどが、内戦でろくな教育も受けられずに大人になっている理屈だから、社会基盤そのものに歪が生じるのはやむをえないのだろうか。
二世代分の教育がまるっと抜けちゃったわけですものねえ。自力救済が大前提なところで,「医療従事者の尊重義務」みたいな抽象的な概念がほんとに社会全体で共有される見込みは薄い―でしょうよねえ…。