宮川選手の会見、井上コーチに「相手QBをつぶすので僕を使ってくださいと監督に言いに行け」って言われたってすごいな。権力者は自分がやらせたいことをただやらせるだけでなく、「やらせてください」と言わせ、「自発的にやる」ことを強要するんだ。怖すぎる。
— 〇Оo。 (@realctrlx) 2018年5月22日
それ、ブラック企業でもやるだろうけど、先生のスキルのひとつだな。
生徒・学生から”自発的”な言葉を引き出すのだ。
たとえば出席日数の怪しい学生をつかまえて、「おまえ、この成績だと、留年確実だぞ」「退学しかねえなあ」とかいえないので、「うん、君、欠席日数は何日かな?」「出席すべき日数は?」「学則では、何分の一以上の欠席で不可ということになっているかな?」「うん、じゃああと×日しかないかな」「で、君はどうしたい?」みたいに、一問一答でいちいち”自白”を引き出すのだ。
もうちょっと雑だと「お前、やる気あるの、ないの?」とか。まあふつう、ある、と答えるわな、で「なら、やれ」とやるの。
やる気がないとかいうと、「だがお前、このまま学校辞めたら、コンビニバイトくらいしか仕事ないぞ」とか(まあ職業の不当な蔑視だが)やってみる。
そうやって、決定的なパワハラ発言自体は可能な限り自分の口では言わないようにしておくのだな。
こっすい手で、僕は嫌いだ。やられるほうだって、そりゃこの程度の手口の卑劣さは気付くのであり、かなーり不満そうにしてるしなあ。
なので、今回の件では、その手口を悪用してたんだなあと納得している。
…一応、退学させない方向での使用は、総合的にはその学生の利得になるとの確信を持ってするわけである。だから、(もし間違えていたとしても)善を意図しての行為であり、その限り、悪辣ではない。
が、今回の日大事件に典型的に見られるように、一個人の奴隷化を意図して仕組み、実施した場合、これははっきりと悪を意図しての行為であるから、そりゃまあやった時点で悪辣といわざるを得ない。
…チームの勝利のために、というよき目的があるだろ、という意見もあろうが、その目的を共有できないように設定された選手というのは、そのよき目的の共有を許されないゆえに―その目的のための純粋な道具とされたために―あってはならないのである。
そういうとこだぞ(ある方向に)
ひとを善導するために用いるべきそれを、教育の現場で、教育者が、その対象を地獄行きにするために用いたことで今回、えらくしばかれているわけなのである。
まあこういうとこだぞ。