空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ドイツは難民申請却下者の送還を早急に進める

2015-11-06 22:20:45 | Newsメモ
BBC Migrant crisis: Germany to fast-track asylum returns 6 Nov 2015

 ドイツは難民申請を却下された難民希望者たちを送還する手続きを速やかに推し進めるとのこと。5つの特別取り扱いセンターによって、まああまり滞在可能になる見込みのない人たちの申し込みをさくっと処理するみたい。まあ2017年終わりまで、300万人も来そうだ、とあれば、できるだけ速やかに対処しなければならないのはそのとおり。

BBC Migrant crisis: Middle classes on the move Lyse Doucet 29 September 2015

 ちと古い記事だが、「中間層が移動中」というタイトル。記事冒頭の写真が既に多少物語るものがある―揃いの救命胴衣だなんて高級な装備を使うような「難民」というのは理解しがたいではないか―?だとか。少なくともジーパンはいいのをはいてるっぽいし。

 まあ、多少装備が良くても苦難から逃れてきているのはその通りだが。

 なにしろ、苦難に追い立てられた「人の河」が滔々とながれているのだ。さらにアレなのは:「All told, Syrians tell a story of a country, devastated by four years of punishing war, that is now being depopulated of its educated middle class

 …教育をうけた中間層がごそっと抜けているというあたり。

 結論的には、どんな政権でも、まあそこそこまっとうに国を運営するにあたって必要とするこうした中間層が抜けてしまって、戦後処理はほぼ不可能になりますよね、ということだろう。

 …「朝鮮戦争時に軍隊まで崩壊した韓国」とか想像してみると絶望具合が想像できるかもしんない。いやなんというか毛沢東のおかげで東アジア地域では比較的目立たないとはいえ、李承晩大統領は世界に名だたるアレをやりまくってはいるし、軍の反乱まであったし、済州島のアレが全土に広まったとしたら―まあいまのシリアと同じような姿になったかなあ…とか。

 …しかしまあ、「a young businessman who paid thousands of euros for a 20-minute ride in a speedboat to get to Greece」とか見ると、『うん、ボクが救いたいのは君じゃないんだ』と言いたくはなろう(Yazidiのいたあたりに思いをよせながら)。いえ、私は階級的利害としてはこの人と同様のものを共有するとは思うんですけどね。

 ―彼を救うのが経済的には正解だろうけど、「An old man, his weary eyes drained of light by a dark war, wore his sadness like a suit」こういう先行き短そうなひとに、惨めで絶望にまみれてはいても、少なくとも身の危険だけはない晩年を提供するのが人道というもののようにも思う。

 もちろん、彼だって無事に難民申請が認められれば、家族を呼び寄せる手はずを整える係りだ。だが後続の「Next to him, a tall, well-dressed man surrounded by his large extended family tells me he is from Idlib in the north」を見ると…

 …なんというか、もう。

 ただまあ、どっちみち難民キャンプからして破壊された状態だったりするようで、誰もがとにかく生き延びられるように、わずかでも条件がよいほうに、と行動しているだけだったり。

 有名な「アコーディオン戦争」でもって、のべつまくなし残りないほどずぱっと国土を一掃された朝鮮半島といえど、アレほどアレこれやられまくっても、とにかく彼らは国家建設への夢と希望は失いはしなかったわけだ。しかしシリアにはもはやそれはないらしい。

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