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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

行願寺、行円、幽霊絵馬

2019-10-22 13:31:08 | 本・論文・研究メモ
 行円は平安中期の僧侶。もとは猟師で、あるとき雌鹿を射たところ、この雌鹿から仔がでてきて、それで殺生の罪を深く思って出家したと。

 孕んだ雌鹿を射てはならぬ、と言う慣例的規則があっただろうなあと推測するのは可能だろう。
 また、『マハーバーラタ』冒頭の説話を類推するところがある。インドには類話が多かろう。

 行円が鹿皮をまとっていたことから革聖、皮仙とも称されたというのは、ほんと、インドを思い起こさせることである。

 尤も、空也にまつわる類話があるとも。ならばインドとの関連を追うより、鹿杖等々との関連から、問題のほうに話をつなげるほうが妥当だろう。狩人の話しだし。

 さらに別の興味がこの寺の所伝にあり、「幽霊絵馬」なるものがあるとか。

 江戸末期にこの寺の周辺で、御詠歌を覚えて口ずさむ奉公娘がいたが、その奉公先は法華経信者であって、これを怒って娘を殺し死体を隠匿した。娘の親は娘の行方をさがし、あるいは葬儀を行うが、この奉公娘が化けて出てきて事の次第を親に伝えた。この際、己の正体をあかすために鏡を渡したとか。

 ということで、この当時(江戸期)の「異人」の典型例としてどんな類型・属性が挙げられているものか、という論点を拾うことができる。

 …《庶民的な生活感覚》にあえて反する強烈な宗教的情熱、といったあたりで、「法華経信者」や「一向宗信者」が挙げられるものなのだろうなあと、下女の「ええじゃないか」参加を禁じようとした商家の主人の例なんか思い出しながらメモしてみる。

京の伝説散歩路 幽霊絵馬

 現在のお寺の様子は

備忘録 itukanaranisumu 【京都】幽霊絵馬が奉納されている革堂行願寺 2018-11-13 21:13:57
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