ハラナ・タカマサさんが、フェロシルト問題に関して、愛知と三重の新聞を用いて論を展開されています。
フェロシルト報道(朝日,愛知)
フェロシルト報道(朝日,三重)
フェロシルト問題は、岐阜県内版ではだいたい各紙も年末特集に入れたようです。が、岐阜版がハラナさんのところにないようなので、ここでは、岐阜の中日新聞の年末特集を紹介します。
私は、ハラナさんのように、記事を切る能力はありませんので、引用のみ。
12月30日・中日新聞
回顧ぎふ=7=フェロシルト
進まぬ撤去、残る不安
今年一月、可児市大森地区の静かな住宅地の一角の空き地が掘り起こされ、赤黒い異様な土が埋められ始めた。埋めた業者は住民に「肥料」と説明したが、土はねばねばで不気味な赤色。「こんな肥料は見たことがない。産廃ではないのか」と地元住民は直感した。
不安に思った住民が土の出所を調査。ダンプカーの後を追跡するなどして、正体が「フェロシルト」であることを突き止めた。フェロシルトは硫酸廃液を原料とし、三重県が「リサイクル製品」と認定していたこと、微量ながら放射性物質を含んでいることなどが次々に判明。住民の間に「産廃の不法投棄では」「フェロシルトは有害物質なのでは」と一層の不安が渦巻いた。
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事態が大きく動いたのは六月。住民の不安を受けて県が実施した現場の土壌検査で、環境基準を超える六価クロムが検出された。十月には、製造元の石原産業によるフェロシルトへの産廃排液不正混入、価格を上回る運搬費の支払いなどの事実が次々に明らかになり、問題は拡大。岐阜県は「フェロシルトは産廃」と判断し、産業廃棄物処理法違反で同社を刑事告発し、来年二月末までの撤去を命令した。
石原産業は六価クロムの検出を機に、七月以降、県内のフェロシルトの撤去作業を始めている。しかし、撤去命令が出された現在も各地の撤去作業は、順調には進んでいない。撤去されたフェロシルトを受け入れていた処分場が搬入を拒み、作業に遅れが出る現場も出た。
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県内でフェロシルトが使用された十一カ所のうち四カ所では、地権者との話し合いがまとまらず、いまだに撤去開始のめどすら立っていない。石原産業に出された撤去命令の期限まであと二カ月。期限内の全量撤去は不透明な状況だ。
「期間内に撤去は終わるのか」-。今年一年間、フェロシルト問題に向き合ってきた各地の市民は不安を口にする。
問題を追及してきた市民団体代表の兼松秀代さんは「当然、石原産業は期限内の撤去完了に向けて努力をしなければならない。ただ、危険なフェロシルトを放置したままにはできない。撤去作業が滞るようならば、行政が対応する必要もあるのでは」と指摘している。
(小西 数紀)
<フェロシルト> 白色顔料の原料に使われる酸化チタンを製造する際に出る硫酸廃液を再利用して、化学メーカーの石原産業(大阪市)が1998年から製造した土壌埋め戻し材。2003年には三重県のリサイクル推奨品に認定され、東海各地に使用が広がったが、各地で環境基準を超える六価クロムが検出された。岐阜県内の7万トンを含む計72万トンが、東海3県を中心に使用されたとみられる。
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