岐阜市で一昨年、大量の不法投棄が発覚した「善商」事件。
公判で有罪が確定しています。しかし、その判決後の昨年秋、また、不法投棄していたことが先日明らかになりました。
驚くのは、当時、市はそれを知って注意したのに、その後、何もしていなかったこと。
フェロシルト問題で、三重県が石原産業のリサイクル認定に甘かったことや、工場の製造プラントの検査に杜撰(ずさん)だったことを思い出します。
1月21日・中日
岐阜市教訓生かせず 「善商」新たに廃棄物
岐阜市椿洞で不法投棄事件を起こした産廃中間処理業者「善商」が新たに廃棄物を持ち込んだ問題は、相変わらずずさんな岐阜市の指導ぶりを明るみに出した。組織として教訓を生かせていないことが表面化した格好。市は「断固して戦う」(細江茂光市長)と搬入業者らに厳しい姿勢で挑む一方、市職員には軽い処分で責任問題を片付けてきた。身内に甘く済ませたつけが回ってきたようだ。(藤嶋 崇)
「私も初耳だった」。20日に市政記者室で発表した一野憲彦環境事業部長は、昨年11月時点で職員が新たな廃棄物に気付いて善商を指導していた事実を、この日まで報告されていなかったことを明らかにした。
2004年3月に発覚した善商事件では「担当者任せにせず、組織挙げて対応する組織づくりが必要」と、市の対応を検証するために設けた第三者機関から指摘されていた。
善商の実質的経営者疋田優被告は、昨年11月の市の指導に対して「金属くずと一緒に売却するつもり。一時保管しているだけ」と答え、従わなかった。
産廃を「除去する」「リサイクルする」と市の指導をのらりくらりとかわして、全国最大規模の産廃の山を築いてしまった事件の“焼き直し”となった。
「自主撤去が進んでいるさなかに…」と一野部長。市は昨年10月、椿洞に持ち込まれた産廃の排出事業者にも自主的に撤去するよう協力を要請していた。
「排出者責任」という道義責任に基づく自主撤去は、法的には強制されない。捜査側の摘発を恐れる業者の心理を突いた「岐阜ならではの手法」と市は胸を張ってきた。
市税を投入することなく、不法投棄された産廃の1割が自主撤去される見通しだ。一方で、自主撤去は、まっとうな業者には二重負担を求める面もある。
業者には厳しい姿勢だが、市が事件について示した責任は、特別職の減給10分の1と市職員の戒告、訓告処分のみ。最も重い市長で減給3カ月(計33万円)で、軽さが際立っている。
「これだけ言われても、市は全く変わっていない。誠意を見せてほしい」。善商問題に取り組む市民グループの一人は語った。
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