●消費増税 お金の流れは 社会保障限定 監視を
東京 2013年8月17日
二〇一四年四月に消費税率を現在の5%から8%に引き上げるかどうか、論議が活発化している。増税法では税収を社会保障に充てることが明記されているが、別の目的に使われる懸念は消えない。そもそも税収はどのように管理され、どう使われるのか。税の流れを整理した。 (石川智規)
Q 税金はどう管理されるの。
A 税金は、国民生活に必要な社会保障や教育、防衛などあらゆる公的サービスの財源として国民から集められる。徴収は主に税務署や各自治体の税務事務所が担う。税金や国債販売などで得た現金は、日銀が「国庫金」として管理すると会計法で定めている。
Q 予算や税制を決める財務省ではないんだね。
A そう。日銀が国庫金を「政府預金」として、受け入れと支払いの事務作業を担う。日銀が「政府の銀行」と呼ばれるゆえんだ。
次に税金の流れを見てみよう。法人税や所得税、消費税などは国庫に入れば同じ「税収」となる。税金の種類は異なるが、お金に色はないからだ。そして国庫を出る際は、国の一般会計に入る。特定の目的で集めた税金は特別会計に入る。
Q 消費税の使い道は社会保障費に限られると聞いたけど。
A そう。一四年度以降は年金と医療、介護に加え、少子化対策を加えた「社会保障四経費」に充てることが、増税を裏付ける消費税増税関連法の中で明記された。今でも、予算執行の基本的なルールなどを記した毎年度の予算総則で、基礎年金と老人医療、介護の「高齢者三経費」に充てるとしている。今回の増税を国民に納得してもらうため、法律に明記することで使い道を限定することを強調したんだ。
Q 本当に社会保障に限定されるのかな。
A 復興増税を被災地以外の事業に流用した問題を見れば、懸念はもっともだ。それに増税法の付則で、増税で財政に余裕が出れば公共事業費を増やす余地を残した。税収として国庫に入った後、使い道を定める毎年度の予算を厳しくチェックすることが、極めて重要になるね。
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