●エルサレムは「イスラエルの首都」、トランプ米大統領が宣言
CNN 2017.12.07 09:38
トランプ氏、エルサレムをイスラエルの首都と認める
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都と認め、在イスラエル米大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転する計画を発表した。この宣言が中東情勢の不安定化を招き、和平合意の展望が揺らぐ事態が懸念されている。
トランプ大統領はホワイトハウスで演説し、「我々はついに、自明だったことを確認した。エルサレムはイスラエルの首都だ。これは現実を認めたもので、それ以上の何物でもない。これは正しいことでもある」と強調した。
中東和平交渉については、米政権が20年以上、エルサレムへの大使館移設を見送ってきた経緯を踏まえ、「20年以上の猶予を経ても、イスラエルとパレスチナの恒久的な和平合意に近付くことはできない。全く同じやり方を繰り返して、違う結果あるいはより良い結果が出ると考えるのは愚行だ」と断言した。
大使館のエルサレム移設は、大統領選でトランプ氏が掲げた公約だった。
だがトランプ大統領はこの日の宣言で、同地域の同盟国の反対を押し切ってでも公約の実現を優先する姿勢を鮮明にした。
その決定は和平プロセスを阻むだけでなく、ただでさえ不安定な中東情勢をさらに脅かす恐れもある。
それでもトランプ大統領は、イスラエルとパレスチナの問題に関する米国の政策に変わりはないと強調し、「エルサレムにおけるイスラエル統治の最終的な境界を含め、最終的な地位問題の一切に関してはいずれの側にもつかない」と力説。「そうした問題は当事者に委ねる。米国は引き続き、双方に受け入れられる和平合意の実現に向け尽力する」とした。
トランプ大統領は6日、国務省に対し、在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムへ移す準備に着手するよう指示した。
しかし米政府高官は、エルサレムに新大使館を建設するまでには何年もかかるだろうと予想している。
|