車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

秋葉社祭礼:奉納手筒花火~其の二 in 愛知県知立市西町

2016年09月18日 12時00分00秒 | 日本の祭り

9月中旬の日曜日、知立市「知立神社」の境内社『秋葉社』で行われる「秋葉社祭・奉納手筒花火」。いよいよ本番です。暮れ始めた境内に、玉箱を担いだ若衆たちが順に宮入りしてきました。山町・山屋敷町・中新町・本町・西町・宝町、どの町が最初だったか・・・今となっては記憶もあやふや(^^;)

どれだけの時間を練り歩いたのか・・・声はかすれ、足の筋肉は痛々しいほど張り詰めています。粋でイナセで、見栄と意地で、次々と前を行く者に負けずと宮入する若衆たちは、本当に!!男前!

宮入を済ませた若い衆は、手筒花火の両側に付けられた縄の握り手をつかんで円陣をつくります。火種を持った人たちが一斉に点火すると、見る間に炎が吹き出し火柱が立ち上がりました。

真っ赤な火柱は若衆たちの頭上高く天に駆け上り、輝くばかりの火の粉となって降り注ぎます。

全身に火の粉を浴びながら気勢を上げる若衆たちの姿は、まるで火の神の申し子。火の神は火伏せの神に昇華し、人々を火難から守るものとして長く崇敬されてきました。日本伝統の美しさを誇る手筒花火と若衆たちの心意気、火の神への供物にこれ以上のものがあるでしょうか。

若衆たちの奉納が終わると、鳥居の前に固定された大型の手筒花火3本に点火。その炎は高く吹き上がり、神域の寄り代である鳥居さえ焦がさんばかりの勢いで、紅蓮の絵模様を次々と描き出してゆくのです。

手筒花火に続いて乱玉花火、初秋の夜空を焦がす花火の音、火薬の匂い、人々の熱気・・熱く降り注ぐ火の粉の赤。

一つの町衆の心意気が終わり、次の町衆へ、また次の町衆へ・・火の神への奉納は引き継がれます。

およそ二時間に渡って繰り広げられる秋葉社祭の奉納手筒花火、私たちは言葉も無く見入ります。火の粉をかぶる若衆、それを見守る同じ町の先輩たちは、その勇壮な姿をカメラに捉えます。腰をかがめて炎に顔を染めながらシャッターを押すあの法被姿の方は、もしかしたらあの中の誰かの親御さんなのかもしれない・・・ふっと、そんな事を思いながら。そうして私たちは炎の乱舞の最期の瞬間まで見届けて・・名残を惜しみながら境内を後にしました。

撮影日:2011年9月18日

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秋葉社祭礼:奉納手筒花火~其の一 in 愛知県知立市西町

2016年09月18日 08時00分00秒 | 日本の祭り

9月中旬の日曜日、知立市「知立神社」の境内社『秋葉社』で行われる「秋葉社祭・奉納手筒花火」。

愛知県豊橋市のマンホールデザインにも使われている「手筒花火」。一度は本物を見たいと思っていた二人に、やっとその機会が巡ってきました。知立の某駐車場に車を入れて町に繰り出した二人の前にさっそく登場したのは「奉納玉箱」を担いだ鯔背(いなせ)な一団。

案内では「周辺6町の氏子衆がそれぞれに「手筒花火・大筒・乱玉」などを打ち上げる」という事なので、多分他の場所でも同じような光景が繰り広げられているのでしょう。家々の軒先、境内の入口、どこもお祭ムードが一杯。初めての体験という事もあって、ワクワクがとまりません。

秋葉社の御祭神『火之迦具土大神 ( ひのかぐつちのおおかみ)』。伊邪那岐命・伊邪那美命二柱の御子神で火の主宰神とされています。その神に奉納する花火、これ以上相応しいものは無いでしょう。境内では正装した神社関係者に氏子の方々が勢揃いされて、見ているこちらも自然と身が引き締まります。

厳粛な雰囲気に包まれて神事も終了した様子。参拝を終え御朱印もちゃんと手書きで頂けました (⌒∇⌒)。境内の外からは奉納玉箱を担ぐ一段の小気味よい長持ち唄が聞こえてきます。

市内6町の若衆が「奉納玉箱」を担ぎ「長持ち歌」を歌いながら練り歩く・・これがまた何とも耳に心地よく、気分を盛り上げてくれるのです。去年の長野県で遭遇した「小野・矢彦の田ノ実祭」で初めて聞いた若衆の長持ち唄。あれ以来、すっかり魅了されてしまったらしく、独特の節回しを聞くだけで胸アツ(〃∇〃)

鯔背な若衆の後ろから続いてやってきたのは、揃いの法被に身を包んだ何とも可愛らしい「奉納玉箱」を担ぐ小さな列。将来の若衆を見守る男衆の目配りの優しさ。もう一挙手一投足に目頭も熱くなり「がんばれ!」と心の声。

4時を回ったところで神社に戻り、これから繰り広げられる予定の花火見物の場所確保(笑)。折角、朝早くから高速を使ってここまで来たのですから、人の頭を見るのは避けたいもの。と思ったのですが、手筒花火の奉納までにはまだ3時間近くの待ち時間(^^;) その間に消防車が出動、重要文化財の「多宝塔」「拝殿」、鎮守の森一帯に放水が行なわれます。

雅な楽に合わせて巫女さんたちによる奉納舞。次第に遠ざかる昼間の明るさにとって代わる秋の夜の気配。

さぁ、いよいよ夜空を焦がす炎の神事が始まります。観覧席のあたりも急に人の数が増えてきました。明日のブログは「火花に浄められる知立神社・奉納手筒花火」の紹介です。

撮影日:2011年9月18日

 

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