愛知県高浜市芳川町に鎮座される「吉浜神明社」。御祭神は『天照大神』。
例祭「高浜おまんと祭り」が開催される四社の一社。神明社の「おまんと」は昨日のブログで紹介した「八幡社」の翌日に催されます。
由緒「弘仁年中(810~824)に伊勢より御分霊を勧請し、現在の吉浜町の南屋敷に「太神宮」を創建しました。万治元年(1658)に火災に遭い、社殿が焼失。その時に火中から御神体が飛び出して風に飛ばされ、松の枝に掛かりました。これを神の啓示と考え、松のあった現在地に移転し再建されています。」
拝殿両脇から伸びた塀の両側左右に脇殿。拝殿後ろに幣殿、本殿と続きます。
社殿向かって右手に鎮座される境内社。その鳥居前左右より神域を守護されるのは「大正3年(1914年)一月・岡崎:石匠 酒井孫兵ヱ」建立の狛犬さん一対。
この形の狛犬は酒井孫兵衛によって何人かの職人に伝授されており、岡崎型狛犬の原型になったと言われています。
という事で、この狛犬さんがいなければ、切っても切っても同じ金太郎飴的中国産の岡崎型もどき狛犬さんは誕生しなかったかも(^^;)
吽形「なぁ、俺達ってめっさ人気があったみたいだなぁ~」。阿形「いや・・お前それ人気って言うより、単純に真似し易かったからじゃないのか?」・・・・なんちゃって(笑)
神明鳥居の奥に鎮座されるお社
お社の左右より神域を守護されるのは、「明治三十八年(1905)巳年八月 :杉浦三四松」建立の瓦材の狛犬さん一対。
これだけのサイズの瓦材狛犬は珍しく、技術的にもかなりのものだと思われます。三州瓦の産地に鎮座される社には相応しい奉納狛犬さん。出会えて幸せ(〃∇〃)
境内社「御鍬社、琴平社、津島社」
手水舎
自然石の造形を生かした手水鉢
留め蓋には三州瓦の大国様と白兎。大国様はたまに見かけますが、兎がセットになっているのは初めて見ました。対になるのは流水の中に建てられた幣。これもおそらく初見だと思います。
御神馬
昭和十一年巳年奉納の・・・これは何でしょう?
境内に長く横たわる樹木
境内の一角、「蛇抜け伝説」をモチーフに作られた「蛇抜伝説:モニュメント」。
古くから吉浜に語り継がれてきた「蛇抜け物語り」によれば、この神明社が移転する以前、この地には大きな屋敷があり、そこに美しい娘が住んでいました。ある時娘は、凛々しい見目の若者に心を寄せますが、実はこの若者は字竜田の大蛇が若者に化身していたのです。(大蛇は龍を指すとも)
2002年4月、この物語にちなんだ「ドラゴンパーク」が神明社境内にオープンしていました。二匹の阿吽の龍、初めてこれを見る小さいお子さんには少々荷が勝過ぎるかも(笑)
瓦で綴られる高浜の昔話、子供たちは何気ない遊びの中で物語の存在を自然と受け入れ、そして自分たちの子供からさらに孫へと・・・語り伝えられて欲しいと願います。
参拝日:2011年9月19日