碧南市の伝統産業の一つである「醸造」。その主たるメーカーのHPにはどこも工場見学歓迎と記載があります。伝統の技で受け継がれてきた日本の味、それがどのように生み出されるのか・・これは是非とも見たいと思っていた工場見学。こんな雨の日ですが、工場見学なら屋内だろうし、何となく雨も小降りになってきた気がするし・・・で、最初に訪問させていただいたのは、白醤油の「ヤマシン醸造株式会社」。
創業は1802年の江戸時代。醤油、味醂、白醤油の製造がはじまり、1933年、全国に先駆けて白醤油の種麹による製糀をはじめた事がHPに記載されています。
事務所らしき建物の前でおとないをして・・そうしてその時初めて、実は物凄く失礼な勘違いをしていた事に気がつきました(_ _。)・・・。工場見学には前もって連絡が必要である事くらい・・・普通に考えれば分りきった事です。HP上の要予約を確認せず、いつでも見せていただけると思い込んでいた自分たちの何と無知であった事。それなのに、雨の中をわざわざ来てくれたのだからと、人を付けて見学を許可して下さった事。本当に、舞い上がるほど嬉しくて何度も何度も頭を下げていました。
見学の前に、不織布で出来たヘアーカバーと工場のパンフレットを頂きます。当然の事ですが、食品を扱う工場見学に男女とも、ヘアーカバーは必須!(どんなにお高い身分であっても常識として必須。そんな事に考えが至らないお偉い人が・・実はいるんですよね(-"-))
余談はさておき、担当してくださったのはお若い男性の方。素人の質問にもきちんと分りやすく答えて下さいます。そうして実際の製造過程を丁寧に説明していただき、興味深い写真撮影もさせて頂きました。
熟成中の醤油が眠る大樽、積み重ねられた醤油独特の香りが建物全体を包み込んでいます。
一つ一つ、本当に丁寧に説明をして下さいました。
ゆっくりと熟成される醤油たち、今はこの大樽の中で静かにその時を待っています。
新鮮な素材の色味を生かしたまま、おいしい料理を楽しむことができる白醤油。プラスチック製のタンクに詰められているのは業務用の白醤油だそうです。
今回の工場見学で初めて知った「白しょうゆ」の存在。買い求めた一本を使い切る頃には、薄口醤油には無い優しい美味しさと、素材を大事にする色合いにすっかり魅せられました。「これでおだい(大根)を炊くと、とっても美味しいのよ」と話して下さった奥様の優しいお声、今も覚えています。
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続いて訪問したのは「七福醸造株式会社」の施設の一つ「ありがとうの里」。こちらはネットで調べておいた碧南観光コースにあったので、企業博物館みたいな場所かなと・・・それならこの雨の中でも過ごせるかもと思って現地に来たのですが、どうみても工場に見えます。となればここも事前予約が必要だったらどうしよう。小降りになっていた雨は唐突に暴風雨の様相で、移動するにも身動きできず・・敷地内に車を停めて思案していた私たちでしたが、通りかかった関係者の方のご好意に助けられて、工場見学と更に試食会までさせて頂けました。大雨の為外観の画像が無いのが残念です。
まずは「ありがとうの里」の理念と、その取り組みを資料を見ながら説明していただきます。
「ありがとうと声をかけ続ければ、素材はその言葉に応えてくれます。」そう言って見せてくれた二つのビーカー。ありがとうと声をかけつづけたビーカーの大豆と、何にも声かけをしなかったビーカーの大豆には、まるでマジックでも見せられているみたいに、明らかな違いが見られました。「ほんの5文字の短い言葉ですが、日々の暮らしの中で一番大切な言葉なんです。」私たちを案内してくれた若い男性の方は、とても優しそうにそう話してくれました。
「ありがとうの里」の設備は、全てが見学用なのでヘアーカバーは不要との事。案内された一箇所で、ほぼ全ての行程を見ることができます。見学の間、終始登場する「ありがとう」の言葉。じつはこちらの商品すべてにその理念が生かされています。台風が近づいている所為で外は土砂降りの雨になっていましたが、終始にこやかに説明をして下さる係りの方。
係りの方が手に持っているのは原料の有機小麦と大豆、ちなみにこの有機小麦ですが、普通の小麦の四倍以上のお値段だそうです。
こんな風に、一つ一つの工程をとても丁寧に説明して下さいます。
タンクに赤く大きな文字で書かれた「ありがとう」が、とても印象的でした。
見学が終わったら商品を使っての試食タイム。いきなりの訪問にもかかわらず、本当に恐縮です。で、こちらで実際に試食させていただいた湯豆腐のポン酢。本当に!!美味しくて自分専用に購入(*^^*)
最期にお料理を担当して下さった方を間に記念撮影。施設見学を担当して下さった方、最期まで有難うございました。
【「ありがとう」とは、有(あり)難(がた)いこと。決して普通でも当たり前でもない事に対する感謝の言葉。それは日本の漢字だけが持つ独特の意味なのです。】・・はるか昔の学生時代、とても好きだった国語の教師が放課後に話してくれた言葉を改めて思い出しました。
訪問日:2011年9月20日