「ときわ公園」は面積約100haにおよぶ山口県最大の湖「常盤湖」を中心に広がる緑と花と彫刻に彩られた総合公園。東京ドーム40個分の広大な園内には、3千5百本のサクラや8万本のハナショウブ、アジサイ、ツツジなど様々な花が季節を彩り、来園者を迎えてくれます。
ときわ公園:案内図 改めてその広大さにビックリ。
大正14年(1925)に宇部市常盤公園として開設。昭和32年(1957)には白鳥48羽をオランダのシルブルグ動物園などから購入。常盤橋を境に「白鳥湖」と名づけ、ときわ公園のシンボル的存在として市民に親しまれてきました。
ですが私たちが訪問した2015年、白鳥湖に美しい白鳥の姿は一羽もなく、カモに似た黒い鳥たちだけが湖面に遊んでいました。
水鶏(くいな)の仲間で「オオバン」と呼ばれる水鳥
かって白鳥湖を優雅に泳いでいた白鳥たちは、2011年2月に発生した鳥インフルエンザの為に全羽殺処分となり、姿を消してしまいました。一見、わが物顔で闊歩するオオバンたちが、どことなく寂しそうに見えるのは、多分、身勝手な人間の思い込みでしょう。
雨のせいでうす寒い色に染められた湖面、濡れた足元が尚更にもの悲しさを誘います。
常盤湖畔に鎮座される「常盤神社」、元禄11年(1968)に常盤池の築堤とともに創建された神社。御祭神は『天照大御神、豊受大御神、素戔嗚尊』。鳥居を潜るには時間的制約も有、ここからの遥拝。
園内に見かけた彫刻は「神童三人像」
帰路に見かけた「ときわ動物園」の檻の向こう
こちらは「アルパカ」・・ですが、木彫りです😅
常盤池の本土手西側に鎮座される「飛上り地蔵尊」
「常盤湖の築造の際に最も狭い場所に堤防を築きました。これが「本土手」で、その脇にある「飛上り地蔵」は昭和4年(1929)干ばつの際に常盤湖の中から飛上ったとの伝承があります。」石炭記念館展望台の掲示より
雨の下の公園散策は足にも心にもよろしくありません。この辺りで切り上げて、当初の目的地「石炭記念館」へ向かいましょう。
ときわ公園は、2008年に山口県初の「登録記念物」に登録。2016年には、常盤湖が元禄11年(1968)に造られた灌漑用の湖である事から「世界かんがい施設遺産」に登録。広大な園内は四季折々の自然美に彩られ「日本の都市公園100選」・「さくら名所100選」・「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に、又、しょうぶ苑が「池坊花逍遥100選」に選定。更に「21世紀に残したい日本の風景」で、総合公園として全国で第1位にランキングされました。
訪問日:2015年11月13日