チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

こもる正月2023

2023年01月17日 | ちくちく縫い縫い

 新春のお慶びを申し上げます

 

気がついたらもう1月も半ば。

 

うちでは正月に感染者が出てしまった。

お正月気分というものは皆無。

元気なわたしは薪運び、薪割り、風呂焚き、メシの支度に追われていた。

2023年の行きさきを示すような始まり・・・。

 

 忙しいときに

わたしには毛糸にさわる(あと毛の生えてる方々を撫でる)。

5分でも家事の合間に。

今回は年末から古いネパールのセーターをほぐしていた。

しかしこれが難行。

もとの毛糸の質からして切れやすい。

30cmごとに結び目ができてしまうところもあり。

なんとかバットに巻きつける。

なぜバットに?それはこれから蒸し器に入れるから。

 

蒸し器で蒸したあと、無香料の柔軟剤にひたし、軽く干し、枷に戻して天日干し。

それから玉にする。工程が長い。

工程の途中ブツブツ切れてしまうところもあり。

これは補強のため別の糸と合わせて編むかな。

 

何年か前に、編み物を始めたばかりのころ(結構最近)に編んだ

レッグウォーマーも伸びてきて履きにくいのでほどいてしまった。

これは肌触りがいいから帽子かな。

 

2023は毛糸を触ることで始まった。

そして次は縮絨へと進む。

 

 

 


ぶかぶか靴下編み

2022年10月06日 | ちくちく縫い縫い

 この冬に向けての靴下編みが始まった。

肌寒くなってきてるけれど、その前の汗ばむ9月から始めてはいた。

最初はピンクとキイロのミックス、

でも途中からなんか気持ちが乗らなくて、紺、青のミックスにしたけど

その途中で100円ショップで100gのリサイクルアクリル毛糸を見つけ

でも結局この白、モヘヤの白、ツィードのベージュ系の3本取りにしたら

気持ちがこれで落ち着いて編み上げることができた。

 

仕上がりサイズは25cm、履いているとブカブカ。

でもこれでいい。

真冬はこの下にも靴下を履くし

洗濯して縮むと思うから。

 

家事や仕事の合間の、ほんの少しの時間に正座して編む。

この時間があるとほんと満たされる。

世界中の編み物をするひとは、たぶん同じ気持ちなんじゃないかな。

 

 

 

 

 


毛糸さわる季節

2021年09月14日 | ちくちく縫い縫い

 気がついたら夏の朝の声が終わっていた。

 

薄明るくなり始める4時くらいからひぐらしが鳴いて、その後小柄なヒタキ科たちが、

ついで他のセミたち、大きめのヒヨドリたちがかしましく鳴くのが夏の朝だった。

もうセミたちの声で目が覚めることはなく

目覚ましが鳴る6時はまだ仄暗い。寂しい。

 

毛糸をさわりたくなる季節到来。

少しずつ靴下を編みはじめたら

細かいところを忘れていてショックだった。

 

でもすごくゆっくり少しずつ編み棒を繰る。

上手じゃないけど、凝ったことはできないけど、満たされたきもちになる。

 

今年の春に編んであった室内ばきの靴下は、風呂上がりや朝のお弁当作る時間に履く。

もうこれがないと足が冷たい。

 


数ヶ月ぶりミシン

2021年08月08日 | ちくちく縫い縫い

 

 買い物に行けない日々が続いているけれど、もともと買い物をしないウチなので

あまり変わりないのかもしれない。

でも高校生の頃からから古着あさりは好きで、

回数は減っているけれど続いている。ネットでの買い物だけれど。

 

si-si-siの白いリネンのワンピース。かなり古い分お値打ち。

しかしギャザーが寄っていてこれをこの歳になって着るのは

さすがにためらわれる。

でも生地がすごくいい。

古着な分、クタクタになっていてガーゼのような肌触り。

 

一度リッパーで縫い目をほどき、上部と下部にわけ

下部のギャザーを伸ばして縫い直す。

袖も取ってしまって、かぶりのエプロンみたいな形に。

ポケットもふたつつけて。

 

すごい久しぶりにミシンを出して縫っていたら息子が

「お母ちゃんがミシン使うの久しぶりだよね」って言うほど

久しぶりでした。ちょっと自分の時間が取れた気持ち。

冬が来るまでしばらくミシンは出せないかな。

 


毛糸は精神安定剤

2021年02月22日 | ちくちく縫い縫い

 ウチは今18歳息子の受験の色に染まっている。

 

自分のときのことを、昨日のことのように思い出す。

いまだに夢の中で「明日試験なのにできてない!」って何度も焦る。

今実際にそのような体験をしているのが息子であり

息子の気持ちがこちらに伝わってきて、こちらまで同調してしまうのが苦しい。

 

大学に行かなくてもしあわせな満足感を得るひとはたくさんいる。

いるんだけど、若い当事者はそんなことを話しても聞いていなくて

目先の、数ヶ月、数週間先のことだけしか頭に入らない。

自分もそうだった。。。

 

こちらまで気持ちを揺さぶられていては、家の中すべてが不安定になってしまう。

そんなときふんわりした毛糸、好きな色を合わせた毛糸たちに触って

ひと針ひと針編んでいくと頭の中が真っ白になって

もしかしたらこれが「禅」?

などと悟ったような気持ちになってくる。なんて心地いい時間。

 

 

毛糸はひと昔セーターか何かだったようで、ラーメンみたいに縮れているものが多い。

それをくるくる丸め直すのも、いい作業。

途中で染めるのもいい作業。

 

このカゴの中にあるグレーの毛糸は、もともと薄い単調な灰色だったものを

栗の渋皮煮ででた煮汁で染めたもの(鉄媒染)。

少しでも自然の色が入るだけで雰囲気がちがう。

三色の靴下は裏山に落ちていたら、枯葉にまぎれて見つけられないかも。

 

春になったら土を耕して、タネを蒔いて、芽が出るのを見る。

そうすると受験とか不安とかは、もっと大きい何かに包み込まれていく。

早く春になーれー。

 

 

 

 

 

 


ソックスカバーお直し

2021年02月03日 | ちくちく縫い縫い

 この冬はほんとよく雪が降る。

当然、家の中も寒いわけで

台所に立っていると足元からしんしん冷えてくる。

 

毎年足には霜焼けがひどいのだけれど、今年はまだそんなにひどくない。

な〜んでか?

それはごついルームシューズを履いているから〜

 

猪谷ソックスのように細い毛糸を3〜4本組んだり

太い糸と細い糸を組んだりして、分厚いルームシューズにして編んであるので

ちょっとあったかさが違う。

今は外に働きにいっていないので、家の中、仕事場、とにかくずっと

これを履いている(5本指靴下+ふつうの靴下+このルームシューズと重ねて)。

 

でもあまり酷使しすぎて穴が次々と広がってきてしまうのが難点で。

左はダーニングのやり方でお直し、右は糸を拾って網直し。

(お直しした後履いてさらによれているので、

もともとお直しがヘタなのがもっとヘタに見える・・・)

右の方が早くに壊れてきた。

ダーニングの方が分厚いみたいでしっかりしている。

 

しかしこれも数週間でお直しの毛糸自体が切れて、崩壊してきた。

そこでさらに大ダーニング!

履いてみると足の裏に違和感があるくらい重ねてダーニング。

これでしばらくはいいでしょう。

と思ったら今度はカカトに穴が開いてきた。

しょうがないので、また別のルームシューズを編み始めているところ。。。

 


今いるミシンさんたちに感謝

2020年05月17日 | ちくちく縫い縫い

 ミシン。

うちには3台のミシンさんがいらっさる。

高校生のときにおばから借りて、そのままずーっと使い続けてしまって

結果わたしのものになってしまっているシンガーの「MERRITT」さん。

友人のおばあさんが使っていて、もう使われなくなって何年か経ってしまい、もったいないので使ってと

譲ってもらった足踏みミシン。

そしてこれまた布作家の友人からいただいたロックミシン。

 

こんなにいいミシンさんばかりなのに、ふと「工業用が・・・ほしい」と浮気心をいだいてしまった。

 30年以上わたしの相棒。今まで修理に5万くらいは使っている。

どうしてかシンガーのMERRITTさんが不調なのだ。

返し縫いをしたあと、しばらく送り歯の向きが元に戻らない。

布送りがどうも調子が悪いのかな。もういい年齢といえばそれまでだけれど。

 

不調があると縫い物から遠のく・・・。

 

足踏みさんも、一度掃除しようといろいろ外して磨いたら

何かを触ってしまったようで(それがなんだかわからない)

前のように縫えなくなってしまった。

 

このまま新入りさんをうちに迎えていいのだろうか。

いや、いけない。それはだめだ。

 

まずMERRITTさんの奥のホコリを取り去り、外側も磨いてみる。

(MERRITT/SR-4は素人が解体して掃除、油指しなどできるものではなく

プロのミシン屋さんも修理に苦労するほどの仕組みでできているらしい)

試し縫い・・・生地が厚くなければまだいける。まだ縫える。

 

足踏みさんも油を何箇所もさし、踏み台のところのホコリもとり、引き出しもひっくり返して整頓。

左の引き出し  右の引き出し

ここを前に触ってから不調になった。ここを調節しながら何度か試し縫いを試みる。

 

気持ちを込めてお掃除し調整し、なんとなく縫い目がそろってきているような気がする。

浮気なんてしないよ、あなたたちとずっとやっていきたいよ、これからもよろしくね、

と話しかけながらお掃除、そして謝る。

 

ピカッとしたミシンさんたちはなんだかお風呂に入った後のように気持ちよさそう。

不思議なもので、あれだけ縫い物から遠のいていたわたしの気持ちもググーッと持ち直してきたのであった。

使いづらかったエプロンの紐のところ、ストーブの上に落ちてコゲ穴ができた長袖シャツ、

古着のトレーナーの繕い、これをゆっくりやった。

やっぱり縫い物が好き。

 

 

 

 

 

 

 


お直しの11月

2019年11月25日 | ちくちく縫い縫い

    

 11月に入って、ようやく布を触れる時間ができた。

陽も横からさしてくるようになって、午後はこの部屋はとても暖かく明るい。

おかげで薄着でいられるし、針に糸を通すことも苦でない。

 

夏頃から預かっていたお直しものがたまっていて

それをチコチコと直してゆく。

1.Hさんのズボンとデニムの上着。

ズボンは作業してる間に引っ掻き穴が開いちゃってて

上着は襟の折り返し部分が擦れて、生地が薄くなりすぎていた。

ズボンに当て布を何枚かしてミシンを走らせる。今回はランダム縫いはなし。

 

上着の襟はちょっといい生地のハギレを上から乗せてみた。

◯ニクロっぽくない感じに仕上がり。

 

2.実家の母のリネンパンツ。

裾が広くてイマイチというのをストレートっぽく直す。

 

3.4.画像はないけど友人夫妻のカーディガンと、MUJIのニットカーディガンは

ウールの虫食いを羊毛フェルトでふさぐ。

 

5.自分で作ったフェルトの室内ばき。

もう何度かの洗濯と酷使でヨレヨレ。

底が破れてきたので合成皮革をあてがう。

 

6.2年前くらいに穴が開いたところに合成皮革で裏当てをしてあった靴下。

ついにその横も穴が開いてきたから、そこをダーニング。

しつこく使い続けるわたし。

でも靴下って底の部分だけが破れて、あとは元気でしょう。

底だけ強化!ってできないかしら・・・。

 

さてお直しの次は、もらった生地を使って下着や部屋着を作る。

 


毛糸、救出劇 その2〜編むまえに、毛糸を染める

2019年04月03日 | ちくちく縫い縫い

 すべてが染めたものじゃないです。

あと化学染料で染めたものも混じってます。 

もともとファンシーな水色やピンク、グリーンだったので

その上から草木染めしてみたら、くすんだ青、くすんだピンク、くすんだ茶色・・・

などになりました。

 

こういうのがまだまだ増える予定。。。

 

 

    

もう何十年もまえの、古い毛糸をもらってきてのその後。

ふと思いついて草木染めしてみようと思いたち、

まずは媒染液を作るところから始めました。

 

左は銅線を紙やすりでこすっておいて塩水をかけ、緑青が出たところで酢水につけたもの。

右は家の外に転がってた錆びた鉄の缶を酢水につけたもの。

あとは薪ストーブから灰をとり浸水させて、上澄み液をとる。

これで三種類の媒染液が完成。

 

 

料理の間にクツクツとフラスコを火にかける、あやしいマッドサイエンティスト。

こうやって少しずつ色見本を作っていきます。

 

 

今はあまり植物がいっぱいな季節じゃないから

とりいそぎ貰い物の緑茶、あとハイビスカスティー、コーヒー。

 

早く植物を採取して染めたい染めたい。草木よ、育て〜。

 

 

染めたあとは風干しして巻き取る(干したところが圧巻だったのですが写真失念)。

毛糸がこんがらがってるかせもあって、一巻きで30分かかることもあり。

 

すんなり巻きとれるものは梁からひもをぶら下げて

このようなアヤシゲな道具をダンボールで作ってくるくる回るようにし

すりこぎに巻き取っていく。

うまくいくと一巻き10分。でもこんなのが延々つづく。

(そして猫がこのぐるぐるをなぜか怖れる)

 

どんどんできてくる、この細い毛糸たちを使って

「スキーヤー猪谷さんの靴下」これが最終目標です。

 

ただいま二足同時編みで(といってもマジックループじゃない)

かかとの手前までのそのそと編み進んでおります。

100円ショップの輪針4本を駆使して。

(一度この輪針の竹の部分を力あまって折ってしまった。

けど折ったところをカットし、コード部分もカット。

コードを火にかけて柔らかくしてまた竹を差し込み、紙やすりでこすって仕上げ。

100円ショップの商品もここまで使えば本望!やっ!)

 

しかし完成までの道のりは遠い。

 

 

 

 

 


「モウイイヨ〜」と衣類いう

2019年03月18日 | ちくちく縫い縫い


 定番なアイテムが多いわたしの衣料ケースは

お直しして長いこと活躍してくれているものが多いんだけれど

たまに買うファスト系衣類も例外ではない。

 

8、9年ぐらい前かな、「湯に黒」のチラシを毎週毎週にらんで

安くなったその瞬間をねらって買ったボーダーのパーカー。1290円だったかな。

 

 レディースの型が違うなーと思ってメンズのXS。

 

普段着、作業着にしていて、ガンガン洗ってガンガン着る。

 

ほころびができるたびに繕う日々。

しかし、あるとき、一気に崩壊し始めた。まさしく「エントロピーの増大」。

 

   

繕うはしから崩れてゆく。

生地の真ん中から裂けてくる。

「モウイイヨ〜ヨクハタライタ〜」と聞こえた気がした。

 

 

こちらこどもパジャマ。

MUJIのダブルガーゼのもの。

16歳息子が着ていて、9歳息子も着ていた。

着るたびに優しくなるガーゼ生地。

9歳息子はこのボロボロパジャマをこよなく愛し

洗って乾いたらすぐ着るくらいだったけれど

寝返りを打ったその瞬間にビリーと破ける音がして

さようならすることになった。

  

 

よく働いてくれたなあ。

お掃除するときにウェスにするんだけれど

ハサミを入れるのを躊躇する。

 

せめて写真に残して。でも何年か後にその写真みるかしらね。