うちの猫チイが亡くなって一週間たった。
チイはわたしがまだ20代の頃バイト先に捨てられてたのを拾った。
まだ目が開いてなくて耳も小さくてよくわからないくらいでノミだらけで
動物病院の先生に診てもらうと生まれてまだ数日くらいということだった。
それからは夫がたいへんで(ってまだ結婚してませんでしたが)。
猫ミルクを温めて2、3時間置きに飲ませる、おしっこさせる、放っておけないから
トートバッグに入れて仕事場に連れて行って世話した。
わたしはその頃バイトが忙しくて夫に任せっきりだったような気がするなあ。
それから長いつきあい。15年以上になる。
チイは今年に入って鼻血が出始め、それからゆっくりとやせてきた。
食欲が落ちてきて寝てばかりになった。鼻の奥に出来物ができていたようだ。
病院に行って注射と点滴を打つと元気が戻る。
ごはんも食べるし、山に散歩にも行くし、ヨソ猫とケンカまでしたり。
だから点滴注射を続けていれば、まだ大丈夫かなって思ってた。
でも点滴の間隔が短くなって来た。二週間おきに行ってもよくならない。
次第に「これは延命治療なのでは・・・」と思うようになってきた。
チイは病院がイヤみたいで、めったに声も出さなくなっても病院にいくためにカゴにいれると
いやーいやーというふうになくのだ。
注射を打っても食欲が戻らず、注射器でドロドロのごはんを飲み込ませることもした。
でもとても嫌がる。
夫と何度も話し合って、もうやめようと決めた。
チイはもう食べたくないんだ。
ここを決めるまで、とても苦しかった。
そんなことを決めていいのか、まだ生きられるんじゃないか・・・。
でもわたしがチイだったら、食べたくないときに飲み込むのはツライんじゃないかな。
その一点で決めた。
チイが亡くなったのは、一歳児の息子が二歳になる誕生日の次の日だった。
誕生日は寝てるチイの横で家族でごはんを食べ、そのままそこで布団をひいてみんなで寝た。
その次の日の朝、チイは静かに息をとめた。
誕生日を待っていてくれたんだ。
10歳の息子は家族を数えるとき、必ず猫たちも数にいれて6人っていってた。
それが1/6減ってしまった。
チイを埋葬したのは夫の仕事場の裏の大きな木の下。
埋葬するのがあまりにつらくて、その前にチイの毛を入れてチイの顔を作った。
泣きながら手が震えて、うまく縫えない。
でもこれを見て触ると、すごく落ち着く。
お墓や仏壇が人にとってすごく大事なことが身をもってわかった。
チイは楽しかったかな。
ここに越して来てよかった、って思うのは猫たちが朝日を浴びながら伸びをしているのをみたり
ザクザク山の中を歩いているのをみたり、木の下で涼んでいるのをみたとき。
そんなすがたを見せてくれてありがとうね。
長いことありがとうね。
チイ大好きだよ。